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048.(※百合プレイ)

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 ルーチェはフィオの言葉に怯えたものの、結局、浴室から出たあとは寝室で眠るだけとなった。フィオの性欲よりルーチェの睡眠欲のほうが勝った形だ。
 なので、フィオのものがいつ萎えたのか、ルーチェは知らない。知らないまま、朝を迎えた。

 先に目が覚めたのはルーチェだ。隣で眠っているフィオの体を確認して――リーナになっていることを確認して、微笑む。リーナの薬指から外れそうになっている紫晶石の指輪をこっそりと外し、引き出しから彼女用の指輪をはめてあげる。細い指に紫晶石がきらりと輝く。

 ――うーん。でも、夜になる前に外さないと指に食い込んじゃうかな? ネックレスチェーンを準備したほうがいいかもしれないな。

 そんなふうに思案しながら、菜の花色の髪を撫でる。短い髪もよく似合っている、とルーチェは思う。
 リーナはまだ目を覚まさない。疲れているのだろうと思い、ルーチェもまた布団に潜り込む。
 フィオの筋肉質な体と違い、リーナの体は柔らかそうだ。胸も程よくあり、なだらかなくびれもある。ルーチェの体と変わりがない。それが不思議だ。

 ――リーナの体はどうなっているんだろう?

 夫の体なのだから、とルーチェはしばし考える。夫の体をじっくりと見てみたい。そして、好奇心に抗うことなく、実行することにした。
 寝息を立てて眠るリーナの胸に触れ、そっと揉んでみる。柔らかく弾力がある。ルーチェの胸と同じだ。

 ――じゃあ、ここに触れると気持ちいいのかな?

 人差し指の腹でぴんと先端を弾いてみるが、リーナの反応はない。深い眠りについているためか、気持ちいいものではないのか、判断がつかない。
 ルーチェは布団の海の中にさらに潜り込み、リーナの胸の先端をパクリと口に含む。舌でころころと転がし、もう片方は指の腹で優しくつまむ。「んん」とリーナから甘い吐息が零れる。悪くはない反応だ。
 昨夜、フィオがしてくれたように、ルーチェはリーナの肌にキスを落としていく。柔らかく、暖かい体に触れるのは気持ちがいい。

 ――フィオもこういう気分だったのかも。

 納得しながら、ルーチェはリーナの肌の上を手のひらや指でするりと撫でていく。くすぐったいのか、リーナは身じろぎをして寝返りを打つ。
 仰向けになったリーナの上に跨り、ルーチェは夫のあちこちにキスをしていく。そして、昨夜まではあった肉棒がなく、代わりに自分と同じ割れ目があることに気づく。

「……さすがに、これは」

 眠っている夫の体にキスをするのはいいかもしれないが、さすがに体内に指を挿れるのは憚られる。ルーチェは少し悩んで、割れ目に中指を沿わせてみる。自分のように濡れたりはしないだろうと思っていたが、ルーチェの予想に反して、リーナの蜜口からはぬるりとしたものが確認できる。

「濡れてる?」

 中指をゆっくり往復させると、確かにぬるぬるとしている。ルーチェは恐る恐る中指を腟内――と呼ぶべきなのかもわからない箇所へと侵入させてみる。

「ルーチェ……?」

 頭上から、リーナの寝ぼけた声が落ちてくる。何をされているのか、理解していない様子だ。ルーチェはゆっくりと這い上がっていく。右手は、リーナの太腿の間に置いたまま。

「おはよう、リーナ」
「おはよ、ルーチェ。目が覚めたときに好きな人がいるのって、素敵だね」
「そうだね」

 微笑み合って、キスをする。フィオではなくリーナの姿であっても、ルーチェは気にならない。

「ルーチェ?」
「うん?」
「何、を、しているんだ?」
「昨夜のフィオと同じこと」

 ルーチェは微笑んで、中指を奥へと進ませる。悲鳴を上げようとしたリーナの唇を、塞いで。

「んんんっ!」

 リーナの両腕は、既に左手でまとめて押さえている。寝起きのリーナに抵抗する力はほとんどない。舌を入れ、口内を蹂躙すると、リーナは途端に大人しくなる。

「ル、チェ」
「フィオが昨夜私のことを『可愛い』と言っていた意味がわかったよ。今のリーナ、すごく可愛い」

 とろんとした常盤色の瞳で、夫が見上げてくる。心の底から、可愛いと思う。

 ――なるほどね。私の夫も、格好良くて、可愛い。フィオが、リーナが言っていたとおり、最高じゃないか。

「ルーチェ、ダメ、っ」
「どうして? 昨夜のフィオと同じことをしたいだけなんだけど、リーナは気持ちよくなるのが嫌なのかな?」
「ダ、ダメ、だって、僕は」
「今はリーナだよ、フィオ」

 首筋を甘く噛むと、リーナは小さく悲鳴を上げる。鎖骨を舐め、赤い痕を残し、胸の頂きを吸う。リーナの発する声がたまらなく色っぽい。

「気持ちいいんだ?」
「や、やめて、お願いだから……僕、女の姿では、したことが……!」
「リーナの初めてを、私にくれるの? 嬉しいなぁ」
「ルーチェ……あぁっ!」

 中指が熱くて柔らかい場所を引っかくと、リーナの体がびくりと震える。その反応がたまらなく愛しい。自分が昨夜触れられて気持ちが良かった箇所に親指の腹を宛てがうと、リーナが「ダメ、無理、やめよう」と首を振る。もちろん、ルーチェは無視する。

「ルーチェ、も、あぁっ」

 蜜口の近くの小さな突起は、親指の腹で左右に擦るたびに、リーナが嬌声を上げる。自分の下で夫が乱れるのを見て、ルーチェは何だか新たな扉を開けたような気持ちになる。とても楽しい。

「リーナ、可愛い」
「ル、チェ……やめ」
「昨日、私も気持ちよかったよ。こんなふうに、フィオにされて」
「やっ、あ」
「リーナ、顔こっち向けて。キスしよう」

 ぐちゅぐちゅとわざと音を立てると、リーナは顔を真っ赤にして恥ずかしがる。ルーチェはその震える唇を奪い、突き出された舌を強く吸う。
 びくん、とリーナの体が跳ねたのはすぐあとだ。達したことに気づいて、ルーチェはリーナの額にキスをする。

「……ルーチェの、ばかぁ」
「ふふ。リーナが可愛いのがいけない」

 昨夜の夫もこういう気分だったのだろうと納得して、ルーチェはリーナから指を引き抜く。

「夜も、昼も……同じくらい長いね」
「でも、僕は、夜に抱き合うのが、いい」
「私はどちらも好きだな」

 リーナの蜜液を浴巾タオルで拭い、ルーチェは髪をかきあげながら微笑む。

「どちらも気持ちいいよ。心身ともに、気持ちいい。リーナ、フィオは?」

 リーナは掛布の中に潜り込みながら、小さく呟く。消え入りそうな同意の声に、ルーチェは満足そうに微笑んで、女の姿の夫をぎゅうと抱きしめる。

「あ! 指輪!」

 ぴったりな指輪に気がついたリーナは、満面の笑みを浮かべてルーチェに抱きついた。

「ありがとう、ルーチェ。リーナの分も用意してくれて」
「朝と夜に付け替えるのが大変だから、チェーンをプレゼントするよ」
「嬉しいなぁ……すごく、幸せだ」

 こんな姿なのに、とリーナは泣きそうな顔をしている。どんな姿であっても、夫は夫だ。ルーチェはそっとリーナにキスをする。
 幸せな日々は、これからもずっと続いていくのだ。


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