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第三夜
082.聖女とヒューゴ
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ラルスの査問会は結審したけれど、他の、エレミアスとかレナータ、暴漢の判定がまだ終わっていない。そのため、ラルスはまだ強制送還されないみたい。トマスはそう伝えてくれた。
でも、もちろん、ラルスには会えない。ちゃんと食べているのか、眠っているのか、風邪は引いていないか、とても心配。
心配だけれど、何ができるわけでもなく、ただ一日は過ぎていく。朝も昼も夜も来る。夫も、来る。
「……ヒューゴ?」
四つ時の鐘が鳴ったというのに、黄色の扉からヒューゴが出てこない。あれ? まさかヒューゴがリヤーフ化?
ノックをして「ヒューゴ? いるの?」と声をかける。すると、向こうからノックが返ってくる。コンコン、と。ここにいますよ、と。
「ヒューゴ、どうしたの?」
「……私は、イズミさんに顔を合わせる資格がありません」
「わたしはヒューゴの顔見たいよ」
「だって、黄の国の男たちが、イズミさんを、傷つけ……っ」
あぁ、そういうことかぁ。
エレミアスもわたしを襲った男たちも黄の国出身者。だから、自分の姿を見てわたしが傷つくとでも思っているんだろう。同郷の人は皆同じような髪色と目の色をしているから。
ヒューゴは真面目で可愛いなぁ。そして、わたしをまだ理解していない。わたしはそんなに繊細な女じゃない。そんなこと、全く気にしていないのに。
「ヒューゴはヒューゴだよ。出身国とか気にしないよ」
「しかし、私と見合いをした方の姉妹が計画に加担していたと聞きました。やはり、私にも責任の一端があります」
「ヒューゴに責任なんてない。あなたは何も知らなかったんだもの」
「そう、知らなかったんです。無知は罪です。私は夫として、国の情勢を、聖職者たちの思惑を、すべて知っておかなければならなかったというのに」
なるほど。真面目すぎると、責任感が強すぎるとこうなるのか。わたしが気にしなくても、夫は気にする、と。
「ねぇ、ヒューゴ。わたしはあなたの生まれた国を恨んだり憎んだりしていないよ。最初に出会ったのがあなただったから、黄の国全体を悪く思えないの」
まぁ、エレミアスはクソだと思うけどね! そこの評価は変えられないけどね!
「わたし、ヒューゴの真面目なところが好きだよ。朝日の中で輝く金色の髪も、優しい茶色の瞳も、筋肉質な体も、ぜんぶ好きだよ。今も、早く触れてもらいたいなって思ってる」
あ、もちろん、絶倫なモノも大好きだよ! 本当は回数制限を設けたくないくらい、ガツガツと貪ってもらいたいときがあるもの。
「わたしも、ずっと愛される資格がないって思ってたから、今のヒューゴの気持ちはすごくよくわかる。でもね、資格がないって言わないで。わたしがヒューゴを想う気持ちを否定しないで」
愛される資格がない、そんな卑屈な気持ちを持つのは、自分を愛してくれる人に対して失礼な行為なのだと、知った。「好き」だとか「愛してる」って気持ちを素直に受け取らないなんて、本当にもったいない。それで「好かれてない、愛されてない」なんてネガティブになっちゃうなんて、ただ悲劇のヒロインぶっているだけなんだと知った。
バカだねぇ。
愛はすぐそばにあるのに、気づかないなんて、本当にわたしのバカ。
「ヒューゴ。好きだよ」
それでもヒューゴが耐えられないというのなら、困っちゃうんだけど。
「そばにいてよ、ヒューゴ。お願い」
ガチャ、と扉が薄く開く。中から顔を出したヒューゴは、涙でぐしゃぐしゃ。あれ? ちょっと痩せた? 無理やり開いたら逆効果だよね。わたしはヒューゴが出てきてくれるのを待つ。
「黄の国の者が、またイズミさんを傷つけるかもしれません……」
「じゃあ、守って」
「でも、七日に一回しか会えないんですよ」
「じゃあ、毎日ここに勉強しに来るよ。何かあったら、この扉を壊してわたしを助けに来てよ」
毎日、先生と生徒ごっこをするのは意外と楽しそう。普通にお話しする日があってもいいかも。ほんと、扉が邪魔だよねぇ。扉を取り払っちゃダメかな? 自由に行き来ができるといいんだけどなぁ。
「壊してもいいのですか?」
「まぁ、ダメだと思うけど、ラル……トマスはわたしに強く言えないと思うし、怒られても別に構わないよ」
ラルスならめっちゃ怒るだろうけど。トマスもちょっとは怒ると思うけど。でも、怒られ慣れているから別に構わない。扉を直せと言われたら、ベアナードに手伝ってもらいながら直そう。
「ヒューゴ、ぎゅってして」
扉を開けて、出てきたヒューゴがわたしをぎゅうと抱きしめてくれる。優しくて暖かい腕の中。あぁ、安心する。
「……ずっと、こうしたかった」
「わたしも、こうしてもらいたかったよ、ヒューゴ」
そっと顔を上げて、ヒューゴを見つめる。微笑んで、唇を受け入れる。まだぎこちないキス。優しく触れて、すぐに離れていく。
「好きです、イズミさん」
「わたしも。好きだよ、ヒューゴ」
「……これからも、そばにいても、いいですか」
心配そうな視線。そんなに恐れることなんて何もないというのに。
「ずっとだよ。ずっとそばにいて。健康に気をつけて、長生きして、いつまでも一緒にいてちょうだい」
それはわたしが夫たち全員に願っていること。健康で、長生きしてくれれば、それでいい。セックスできなくなっても、キスはできる。いちゃいちゃはできる。命の実をずっと授けることができる。
「イズミさんっ」
ぎゅうと抱きしめ合って、キスをする。ちょっとしょっぱいキス。ハンカチなんて持っていないから、服の袖でヒューゴの涙を拭く。イケメンが台無しじゃん。もう。
笑い合って、手を繋ぐ。それから、わたしの部屋に向かう。
「毎日、あなたに会えたらいいのに」
「わたしも会いたいなぁ。割と昼間が暇なんだよねぇ。ご飯食べてお風呂に入るくらいしかやることないし。皆と勉強したり体を動かしたりしたいなぁ。でも、規則でできないんだよねぇ?」
「規則かどうかはわかりませんが、先代聖女の夫たちの仲が悪かったので、移動や逢瀬の制限があるのかもしれません」
なるほど。夫たちの仲が悪い状態で一堂に会すると、そりゃ喧嘩に発展したり、下手したら殺し合いになったりするだろうなぁ。互いに顔を合わせないように、時間制限が設けられるのも仕方ない。
でも、先日皆に集まってもらったときの印象から、今の夫たちはどこかの国を憎んだりはしていないように見えた。
「ヒューゴは、わたしに毎日会えるなら、他の夫が一緒にいてもいい?」
「つまり、イズミさんの部屋に七人が集まるということですか? 一夫多妻や一妻多夫制の家はそのような環境が普通ですので、取り立てて嫌悪感はありません。もちろん、一夫一婦制の家庭で育った夫は嫌がるかもしれませんが、それならばイズミさんの部屋に来なければいいだけの話です。そのように、来る・来ないを夫が自ら選択できるような環境になるのであれば、私は毎日でもイズミさんに会いたいです」
ヒューゴの調子が戻ってきたと考えて良さそうだ。この早口も何だか懐かしい気がする。
「じゃあ、扉を壊すか、鍵を自由に開けられるようにしておけばいいんだよねぇ」
「そうですね。夫たちの邸宅の警備の面での心配があるようでしたら、それぞれの鍵を一つ手配していただければ、自由にこちらにやって来られますね。その場合、鍵が従者の手に渡らないように気をつけなければなりません。首からぶら下げられるよう、長い紐を通しておかなければなりませんね」
「あぁ、それいいね。グッドアイデア!」
「ぐっど……?」
夫たちが自由にわたしの部屋に来ることができるようになるのであれば、毎日キスをして聖樹に花を咲かせることもできるだろうし、セルゲイとベアナードも普通に会話ができるようになるもんなぁ。裸像の進捗だって良くなるはず。
「しかし、昼間に夫たちといちゃいちゃするのだけは……やめてもらいたいです」
「そうだねぇ。さすがにそれは私の体力がもたないもんなぁ」
「恥ずかしながら、嫉妬してしまいますので」
「だよねぇ。八人でプレイするのはかなり難しいよねぇ。挿れる穴がないもんね」
話が噛み合っていないことに気づかないまま、わたしと夫は寝室にたどり着く。
「イズミさん、愛しています」
「わたしも。愛してるよ、ヒューゴ」
ベッドに倒れ込んで、キスをする。
「今夜もたくさん抱いていいですか?」
「いいよ、おいで」
ただ貪られたい夜もある。ヒューゴはそんなわたしの欲望を満たしてくれる、最高に可愛い夫に違いない。硬くなったモノを膝でぐりぐりと確かめながら、わたしは快楽に溺れていくのだ。
でも、もちろん、ラルスには会えない。ちゃんと食べているのか、眠っているのか、風邪は引いていないか、とても心配。
心配だけれど、何ができるわけでもなく、ただ一日は過ぎていく。朝も昼も夜も来る。夫も、来る。
「……ヒューゴ?」
四つ時の鐘が鳴ったというのに、黄色の扉からヒューゴが出てこない。あれ? まさかヒューゴがリヤーフ化?
ノックをして「ヒューゴ? いるの?」と声をかける。すると、向こうからノックが返ってくる。コンコン、と。ここにいますよ、と。
「ヒューゴ、どうしたの?」
「……私は、イズミさんに顔を合わせる資格がありません」
「わたしはヒューゴの顔見たいよ」
「だって、黄の国の男たちが、イズミさんを、傷つけ……っ」
あぁ、そういうことかぁ。
エレミアスもわたしを襲った男たちも黄の国出身者。だから、自分の姿を見てわたしが傷つくとでも思っているんだろう。同郷の人は皆同じような髪色と目の色をしているから。
ヒューゴは真面目で可愛いなぁ。そして、わたしをまだ理解していない。わたしはそんなに繊細な女じゃない。そんなこと、全く気にしていないのに。
「ヒューゴはヒューゴだよ。出身国とか気にしないよ」
「しかし、私と見合いをした方の姉妹が計画に加担していたと聞きました。やはり、私にも責任の一端があります」
「ヒューゴに責任なんてない。あなたは何も知らなかったんだもの」
「そう、知らなかったんです。無知は罪です。私は夫として、国の情勢を、聖職者たちの思惑を、すべて知っておかなければならなかったというのに」
なるほど。真面目すぎると、責任感が強すぎるとこうなるのか。わたしが気にしなくても、夫は気にする、と。
「ねぇ、ヒューゴ。わたしはあなたの生まれた国を恨んだり憎んだりしていないよ。最初に出会ったのがあなただったから、黄の国全体を悪く思えないの」
まぁ、エレミアスはクソだと思うけどね! そこの評価は変えられないけどね!
「わたし、ヒューゴの真面目なところが好きだよ。朝日の中で輝く金色の髪も、優しい茶色の瞳も、筋肉質な体も、ぜんぶ好きだよ。今も、早く触れてもらいたいなって思ってる」
あ、もちろん、絶倫なモノも大好きだよ! 本当は回数制限を設けたくないくらい、ガツガツと貪ってもらいたいときがあるもの。
「わたしも、ずっと愛される資格がないって思ってたから、今のヒューゴの気持ちはすごくよくわかる。でもね、資格がないって言わないで。わたしがヒューゴを想う気持ちを否定しないで」
愛される資格がない、そんな卑屈な気持ちを持つのは、自分を愛してくれる人に対して失礼な行為なのだと、知った。「好き」だとか「愛してる」って気持ちを素直に受け取らないなんて、本当にもったいない。それで「好かれてない、愛されてない」なんてネガティブになっちゃうなんて、ただ悲劇のヒロインぶっているだけなんだと知った。
バカだねぇ。
愛はすぐそばにあるのに、気づかないなんて、本当にわたしのバカ。
「ヒューゴ。好きだよ」
それでもヒューゴが耐えられないというのなら、困っちゃうんだけど。
「そばにいてよ、ヒューゴ。お願い」
ガチャ、と扉が薄く開く。中から顔を出したヒューゴは、涙でぐしゃぐしゃ。あれ? ちょっと痩せた? 無理やり開いたら逆効果だよね。わたしはヒューゴが出てきてくれるのを待つ。
「黄の国の者が、またイズミさんを傷つけるかもしれません……」
「じゃあ、守って」
「でも、七日に一回しか会えないんですよ」
「じゃあ、毎日ここに勉強しに来るよ。何かあったら、この扉を壊してわたしを助けに来てよ」
毎日、先生と生徒ごっこをするのは意外と楽しそう。普通にお話しする日があってもいいかも。ほんと、扉が邪魔だよねぇ。扉を取り払っちゃダメかな? 自由に行き来ができるといいんだけどなぁ。
「壊してもいいのですか?」
「まぁ、ダメだと思うけど、ラル……トマスはわたしに強く言えないと思うし、怒られても別に構わないよ」
ラルスならめっちゃ怒るだろうけど。トマスもちょっとは怒ると思うけど。でも、怒られ慣れているから別に構わない。扉を直せと言われたら、ベアナードに手伝ってもらいながら直そう。
「ヒューゴ、ぎゅってして」
扉を開けて、出てきたヒューゴがわたしをぎゅうと抱きしめてくれる。優しくて暖かい腕の中。あぁ、安心する。
「……ずっと、こうしたかった」
「わたしも、こうしてもらいたかったよ、ヒューゴ」
そっと顔を上げて、ヒューゴを見つめる。微笑んで、唇を受け入れる。まだぎこちないキス。優しく触れて、すぐに離れていく。
「好きです、イズミさん」
「わたしも。好きだよ、ヒューゴ」
「……これからも、そばにいても、いいですか」
心配そうな視線。そんなに恐れることなんて何もないというのに。
「ずっとだよ。ずっとそばにいて。健康に気をつけて、長生きして、いつまでも一緒にいてちょうだい」
それはわたしが夫たち全員に願っていること。健康で、長生きしてくれれば、それでいい。セックスできなくなっても、キスはできる。いちゃいちゃはできる。命の実をずっと授けることができる。
「イズミさんっ」
ぎゅうと抱きしめ合って、キスをする。ちょっとしょっぱいキス。ハンカチなんて持っていないから、服の袖でヒューゴの涙を拭く。イケメンが台無しじゃん。もう。
笑い合って、手を繋ぐ。それから、わたしの部屋に向かう。
「毎日、あなたに会えたらいいのに」
「わたしも会いたいなぁ。割と昼間が暇なんだよねぇ。ご飯食べてお風呂に入るくらいしかやることないし。皆と勉強したり体を動かしたりしたいなぁ。でも、規則でできないんだよねぇ?」
「規則かどうかはわかりませんが、先代聖女の夫たちの仲が悪かったので、移動や逢瀬の制限があるのかもしれません」
なるほど。夫たちの仲が悪い状態で一堂に会すると、そりゃ喧嘩に発展したり、下手したら殺し合いになったりするだろうなぁ。互いに顔を合わせないように、時間制限が設けられるのも仕方ない。
でも、先日皆に集まってもらったときの印象から、今の夫たちはどこかの国を憎んだりはしていないように見えた。
「ヒューゴは、わたしに毎日会えるなら、他の夫が一緒にいてもいい?」
「つまり、イズミさんの部屋に七人が集まるということですか? 一夫多妻や一妻多夫制の家はそのような環境が普通ですので、取り立てて嫌悪感はありません。もちろん、一夫一婦制の家庭で育った夫は嫌がるかもしれませんが、それならばイズミさんの部屋に来なければいいだけの話です。そのように、来る・来ないを夫が自ら選択できるような環境になるのであれば、私は毎日でもイズミさんに会いたいです」
ヒューゴの調子が戻ってきたと考えて良さそうだ。この早口も何だか懐かしい気がする。
「じゃあ、扉を壊すか、鍵を自由に開けられるようにしておけばいいんだよねぇ」
「そうですね。夫たちの邸宅の警備の面での心配があるようでしたら、それぞれの鍵を一つ手配していただければ、自由にこちらにやって来られますね。その場合、鍵が従者の手に渡らないように気をつけなければなりません。首からぶら下げられるよう、長い紐を通しておかなければなりませんね」
「あぁ、それいいね。グッドアイデア!」
「ぐっど……?」
夫たちが自由にわたしの部屋に来ることができるようになるのであれば、毎日キスをして聖樹に花を咲かせることもできるだろうし、セルゲイとベアナードも普通に会話ができるようになるもんなぁ。裸像の進捗だって良くなるはず。
「しかし、昼間に夫たちといちゃいちゃするのだけは……やめてもらいたいです」
「そうだねぇ。さすがにそれは私の体力がもたないもんなぁ」
「恥ずかしながら、嫉妬してしまいますので」
「だよねぇ。八人でプレイするのはかなり難しいよねぇ。挿れる穴がないもんね」
話が噛み合っていないことに気づかないまま、わたしと夫は寝室にたどり着く。
「イズミさん、愛しています」
「わたしも。愛してるよ、ヒューゴ」
ベッドに倒れ込んで、キスをする。
「今夜もたくさん抱いていいですか?」
「いいよ、おいで」
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