俺の番が最凶過ぎるっ

星宮歌

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第一章 神嫌いの最凶神

第二十八話 別館

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「全く、もうバテたのですか?」

「も、もぅ……むり………」

「し、ぬぅ……」

「むしろ、ころし……ごめんなさいごめんなさい何でもないですぅぅうっ!!」


 ここは、ルカの家の中の訓練所。またの名を地獄の一丁目(By三馬鹿)である。ついでに、二丁目は折檻室で、三丁目は、ルカの居る場所とか設定されていたりするのだが、まぁ、それはどうでも良い。現在、三馬鹿はレイのシゴキによって、どうにか、戦闘系の神としての副神格を手に入れていた。
 なお、彼らに襲いかかるウサギの数は、今や三十匹。しかも、最初よりも格段に強くなったウサギだ。
 そんなウサギ達とレイによる調きょ……シゴキによって、三馬鹿はルカへの絶対の忠誠を誓うとともに、ようやく、その訓練から解放されるところでもあった。


「ひとまずは、三人でかかれば弱い神獣の一体くらいは相手にできそうですし……そろそろ、別館を見せるべきでしょうね」

「別館……?」

「え? 俺ら、そんなに強く……?」

「いや、神獣の相手とか頭おかしい……」

「ほう? なら、まだまだ訓練を続けても構いませんよ? 次は、百匹くらい用意して差し上げます」

「「「すんませんっしたーっ!!」」」


 レイの言葉を疑った三人……いや、本当なら疑ったのは二人だけかもしれないが、とにかく、彼らは土下座する。そうしなければ、レイは本当にやるのだと知っていたからだろう。


「よろしい。では、向かいましょう。そして……もし、別館の住民を見て馬鹿にするようなことがあれば……分かりますね?」

「「「はいっ!!」」」


 とても良い返事をした彼らは、冷や汗をダラダラと流して、とても必死だ。そんな三馬鹿を確認したレイは、『よろしい』と一言告げ、懐からごくごく普通の転移石を取り出す。
 転移石は、普通の転移とは違い、対となる転移石を転移先に置かなければならない。神々の世界では、神々自身が転移くらい使えるという者が多いため、ほとんど需要はない。ただし、転移を防止する結界やそれ以外に強力な結界などが張られている場合には、この転移石でも使わなければ移動は不可能だ。
 そんな転移石に、レイは魔力を込める。そして……次の瞬間には、先程の訓練所とは全く別の、洋館らしいエントランスホールに出ていた。


「ここが、別館……?」

「すげぇ、普通だ」

「こ、怖いやつが居る、なんてことはないよねぇ?」


 呆然とするスキンとロン。そして、微妙に怯えるチャラを置いて、レイはスタスタと歩き出す。


「では、惑わされないように注意してください」


 そんな言葉とともに開かれた正面扉。その奥には……とても可愛らしい、あるいは、美しい女神や男神達が大きな円卓を囲み、和やかに談笑していた。
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