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第三章 セイクリア教国の歪み
第二百三十四話 作戦会議
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会議室へと通された我輩達は、各々席に着き、オルグの言葉を待つ。
「まず最初に言っておく。本来は民間人を巻き込むことは避けたいが、事は急を要する。どうか、協力してくれないだろうか?」
「えぇ、我々もそのつもりでここに来ました」
聖騎士長、グラハムを捕まえるのは、一筋縄ではいかないだろう。しかし、それをしなければ、我輩はきっと欠片を回収できないし、このセイクリアも滅びてしまうかもしれない。たった一人のこととはいえ、グラハムは聖騎士長としてそれ相応の実力を有している。今回の戦場で出さないわけにはいかない、貴重な人材であるらしい。
「ありがたい。では、作戦を説明する。ハッシュ」
「はっ!」
我輩達のための連絡要員であったハッシュ。彼によって、その作戦は説明されるらしい。
ビシッと敬礼をしたハッシュは、直立不動の体勢でハキハキと説明を始める。
「作戦内容は簡単に申しますと、我々を操った不審者をまず『結界』に閉じ込め、その間に聖騎士長を捕縛、不審者にその『操術』を解いてもらうというものです。もちろん、不審者は捕縛の上、魔封じの首輪をつけて拷問、処刑という流れが組まれています」
「……質問。まず、その『結界』に聖騎士達を割いたとして、聖騎士長を止められるものでしたか?」
「いいえ、聖騎士長を捕縛できる可能性は、十パーセントに満たないと思われておりました。しかし、『結界』に人員を割かなかったとしても、ほとんど成功率は変わらないとの判断の元に、本作戦は作られました」
む? それは、かなり不味いのではないだろうか? というより、聖騎士の人数をそれなりに導入しても捕らえることが難しい聖騎士長とは、いったい何者なのだ?
こんなことなら、しっかりと聖騎士長、グラハム・ヴェリーを『探索能力』で調べておくのだったと後悔するも、今は作戦を考えることの方が重要だ。
「……申し訳ありません。質問が増えました。聖騎士長は竜を単独で倒せるほどの実力者ですか?」
「……はい」
どこか遠い目で応えるハッシュに、バルディスは目頭を押さえる。
……うむ、何か大変なことなのだろうな。
こういう時は、かける言葉が分からない。我輩、とにかく黙って見ていることしかできない。
「なら、作戦変更です。聖騎士長の捕縛を優先します。『結界』は、聖騎士長が逃げられないように張ってもらいたい」
バルディスの提案に、ハッシュは目を剥く。
「はっ? しかし、それでは不審者の方が捕まえられませんっ」
「……その猫が『操術』を解けるから、ひとまずは聖騎士長に注力した方が良いということか?」
しかし、オルグのその言葉で、ハッシュは状況を理解したのか、口を閉ざす。
そうだ。確かに、聖騎士長を正気に戻すだけなら、マギウスの力を借りる必要はない。むしろ、それだけ聖騎士長を捕らえるのが大変なら、聖騎士長のためだけに力を使った方が良いだろう。
「えぇ、そういうことです。それと、その聖騎士長に対峙するのは、俺とタロだけでお願いします」
「「はっ?」」
しかし、バルディスのその言葉に、今度はハッシュだけではなく、オルグも硬直してしまうのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三日ぶりですっ。
とりあえず、プロットは……もうちょっとで最後までいくよね?ってところまで書きました。
多分、更新してる間にこの章の完結までのプロットを書き終えて、そのまま章の完結をさせられると思います。
問題は次の国のプロットですけどね。
それでは、また!
「まず最初に言っておく。本来は民間人を巻き込むことは避けたいが、事は急を要する。どうか、協力してくれないだろうか?」
「えぇ、我々もそのつもりでここに来ました」
聖騎士長、グラハムを捕まえるのは、一筋縄ではいかないだろう。しかし、それをしなければ、我輩はきっと欠片を回収できないし、このセイクリアも滅びてしまうかもしれない。たった一人のこととはいえ、グラハムは聖騎士長としてそれ相応の実力を有している。今回の戦場で出さないわけにはいかない、貴重な人材であるらしい。
「ありがたい。では、作戦を説明する。ハッシュ」
「はっ!」
我輩達のための連絡要員であったハッシュ。彼によって、その作戦は説明されるらしい。
ビシッと敬礼をしたハッシュは、直立不動の体勢でハキハキと説明を始める。
「作戦内容は簡単に申しますと、我々を操った不審者をまず『結界』に閉じ込め、その間に聖騎士長を捕縛、不審者にその『操術』を解いてもらうというものです。もちろん、不審者は捕縛の上、魔封じの首輪をつけて拷問、処刑という流れが組まれています」
「……質問。まず、その『結界』に聖騎士達を割いたとして、聖騎士長を止められるものでしたか?」
「いいえ、聖騎士長を捕縛できる可能性は、十パーセントに満たないと思われておりました。しかし、『結界』に人員を割かなかったとしても、ほとんど成功率は変わらないとの判断の元に、本作戦は作られました」
む? それは、かなり不味いのではないだろうか? というより、聖騎士の人数をそれなりに導入しても捕らえることが難しい聖騎士長とは、いったい何者なのだ?
こんなことなら、しっかりと聖騎士長、グラハム・ヴェリーを『探索能力』で調べておくのだったと後悔するも、今は作戦を考えることの方が重要だ。
「……申し訳ありません。質問が増えました。聖騎士長は竜を単独で倒せるほどの実力者ですか?」
「……はい」
どこか遠い目で応えるハッシュに、バルディスは目頭を押さえる。
……うむ、何か大変なことなのだろうな。
こういう時は、かける言葉が分からない。我輩、とにかく黙って見ていることしかできない。
「なら、作戦変更です。聖騎士長の捕縛を優先します。『結界』は、聖騎士長が逃げられないように張ってもらいたい」
バルディスの提案に、ハッシュは目を剥く。
「はっ? しかし、それでは不審者の方が捕まえられませんっ」
「……その猫が『操術』を解けるから、ひとまずは聖騎士長に注力した方が良いということか?」
しかし、オルグのその言葉で、ハッシュは状況を理解したのか、口を閉ざす。
そうだ。確かに、聖騎士長を正気に戻すだけなら、マギウスの力を借りる必要はない。むしろ、それだけ聖騎士長を捕らえるのが大変なら、聖騎士長のためだけに力を使った方が良いだろう。
「えぇ、そういうことです。それと、その聖騎士長に対峙するのは、俺とタロだけでお願いします」
「「はっ?」」
しかし、バルディスのその言葉に、今度はハッシュだけではなく、オルグも硬直してしまうのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三日ぶりですっ。
とりあえず、プロットは……もうちょっとで最後までいくよね?ってところまで書きました。
多分、更新してる間にこの章の完結までのプロットを書き終えて、そのまま章の完結をさせられると思います。
問題は次の国のプロットですけどね。
それでは、また!
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