我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第三章 セイクリア教国の歪み

第二百三十三話 オルグとの会談(三)

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 届いた知らせから生まれた動揺。しかし、それは数秒だけのもので、オルグもバルディス達もすぐに持ち直していた。


「敵はレイグ・アルディー率いる大隊部隊、及び、セイル・ホージャ率いる大隊部隊、大将不明の大隊部隊が一つ、現在確認されておりますっ」


 続く報告に、オルグはギリリと歯を噛み締める。恐らくは、あまり良くない状況なのだろう。


「サナフからの聖騎士団はまだ帰らないのか?」

「はっ! 現在、魔物との交戦中という報告が上がっております」


 オルグの問いかけに、聖騎士はハキハキと答えを返す。そして、その答えもまた、オルグにとってはマイナス要素でありそうだった。


「にゃー……(いったい、何が……)」

《恐らく、これから戦争が起こるのだろうな》


 異様な空気に我輩、耳を垂らして戸惑っていると、バルディスが答えをくれる。ただ、我輩、戦争というものがいったいどのようなものなのか分からず、バルディスを見上げる。


《国を守るため、国を富ませるため、様々な理由から大義を掲げて、殺し合う。それが、戦争だ》

《にゃっ(そんなっ)》


 バルディスと話をしていると、どうやら聖騎士の報告は終わったらしい。オルグは『マルスを呼べっ』と言いながら、他にも様々な指示を飛ばしている。


「にゃあ? (我輩達はどうするのだ?)」

「うん? 何も変わらないさ。俺達は俺達の目的を果たすまでだ」


 そうは言うが、バルディス。協力してくれそうだった聖騎士達は、皆忙しそうだぞ?


 慌ただしい様子で動き回る聖騎士達の様子に、我輩、目的がちゃんと果たせるのか不安になる。


「あぁ、すまないが、お前達をここに留めるわけにはいかなくなった。また、すぐに呼ぶことになるかもしれないが、今は帰ってもらえないか?」


 案の定、オルグは我輩達に帰るよう告げてくる。もちろん、ラーミアは薬師として残るのであろうが、ここまで来たのに何もできないというのは残念で仕方ない。


「そうですか。では、一つだけ、用事を済ませて来てもよろしいでしょうか?」

「何だ?」


 ゆったりと話すバルディスに対して、オルグは苛立たしげに問いかける。


「いえ、我々は、聖騎士長殿を『操術』から解放しようと考えているだけです」


 しかし、そう告げたバルディスに、オルグは信じられない者を見る目で見つめる。


「できる、のか?」

「できれば、聖騎士の力を借りたいところではありますが……不可能ではないでしょう」


 ニヤリと笑って見せたバルディスに、オルグはヒュッと息を呑む。そして、駆け足でやってきた聖騎士の男に向かって大きな声で指示を出す。


「っ、マルス! 例の作戦を実行するぞっ!」

「はっ!? し、しかし、まだサナフから聖騎士団が帰ってきたわけでは……」

「今動かずして、いつ動く! 部隊を集めろ!」

「ははっ!」


 有無を言わさぬ命令でマルスとやらを動かしたオルグは、次にバルディスへと鋭い視線を投げる。


「作戦会議をする。ついて来い」


 我輩達はどうやら、この戦争にどっぷりと巻き込まれることになりそうだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今、プロットで書けてるのはここまでです。

また、三日ほど更新を停止して、その間にしっかりとプロットを練っていこうと思います。

それでは、また!
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