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第三章 セイクリア教国の歪み
第二百三十七話 解除
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「……ろ……い…タロっ」
「にゃむ。にゃむ(眠いのだぁ。美味しい夢を見るのだぁ)」
「いやっ、いい加減目を覚ませっ」
ゴツンッ!
「にゃ? (うむ?)」
何か頭に衝撃を受けて、我輩、少しだけ目が覚める。
はて、何があったのだったか?
クァーとあくびをしながら体を起こせば、なぜかバルディスが右手を左手で掴んでうずくまっている。
「にゃあ? (何をしているのだ?)」
「……あまりの石頭加減に手がおかしくなっただけだ」
「にゃ? (うむ?)」
良く分からないが、多分気にする必要もないことであろう。それよりも、我輩、まだまだ眠いのだ。我輩、再びその場で丸くなって一言告げる。
「にゃー(では、おやすみなのだ)」
「あぁ……って、待てっ! 寝るなっ! 寝るならこいつの『操術』を解いてからにしろっ」
「にゃ? (『操術』?)」
バルディスのその言葉に、寝惚けていた意識が少しだけはっきりしてくる。
そういえば、我輩、グラハムを捕まえようとして…………我輩も捕まった?
「にゃー。にゃあ(大変なのだ、バルディス。我輩も炎の縄に捕まったのだ)」
「もうとっくにタロはその拘束から外れてるからなっ!?」
「にゃ? (うむ?)」
言われてみれば、我輩、体を動かすのに何ら支障を感じない。今度こそ、我輩、しっかり目を開けて体を起こす。
「にゃ(ふむ、グラハムは捕まえられたのだな)」
見てみれば、グラハムは炎の縄でグルグル巻きにされており、何となく熱そうだ。バルディスに聞いてみると、この炎の縄は術者に攻撃の意思さえなければただの縄らしいから、気を失っているグラハムは今、本当にただ縛られているようだ。
「あぁ、そうだ。だから、さっさと『操術』を解いてやってくれ」
「にゃっ(分かったのだっ)」
はっきりと状況を思い出した我輩は、すぐさま『サポートシステム』に『操術』の解除を頼む。そう、この時、我輩はまだ少しだけ寝惚けていたのだろう。ラーミアや黒装束だった聖騎士達に施した解除と同時に『操術』を展開する方法ではなく、生け贄にされた人間達に施したのと同じ、完全なる解除を頼んでしまったのだから。
《『操術』の解除を行います。サポートは必要ですか?
はい/いいえ》
「にゃ(『はい』なのだ)」
我輩、その大失敗に気づくことなく、そのまま『操術』の解除を実行してしまうのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみません、グラハムが目覚めるところまで行き着きませんでした。
次回こそは必ずっ!
あっ、そして、明日と明後日は、もしかしたらいつもと違う更新時間になるかもしれません。
できる限りいつもとあまり変わらない時間にしようとは思いますが、ご容赦ください。
それでは、また!
「にゃむ。にゃむ(眠いのだぁ。美味しい夢を見るのだぁ)」
「いやっ、いい加減目を覚ませっ」
ゴツンッ!
「にゃ? (うむ?)」
何か頭に衝撃を受けて、我輩、少しだけ目が覚める。
はて、何があったのだったか?
クァーとあくびをしながら体を起こせば、なぜかバルディスが右手を左手で掴んでうずくまっている。
「にゃあ? (何をしているのだ?)」
「……あまりの石頭加減に手がおかしくなっただけだ」
「にゃ? (うむ?)」
良く分からないが、多分気にする必要もないことであろう。それよりも、我輩、まだまだ眠いのだ。我輩、再びその場で丸くなって一言告げる。
「にゃー(では、おやすみなのだ)」
「あぁ……って、待てっ! 寝るなっ! 寝るならこいつの『操術』を解いてからにしろっ」
「にゃ? (『操術』?)」
バルディスのその言葉に、寝惚けていた意識が少しだけはっきりしてくる。
そういえば、我輩、グラハムを捕まえようとして…………我輩も捕まった?
「にゃー。にゃあ(大変なのだ、バルディス。我輩も炎の縄に捕まったのだ)」
「もうとっくにタロはその拘束から外れてるからなっ!?」
「にゃ? (うむ?)」
言われてみれば、我輩、体を動かすのに何ら支障を感じない。今度こそ、我輩、しっかり目を開けて体を起こす。
「にゃ(ふむ、グラハムは捕まえられたのだな)」
見てみれば、グラハムは炎の縄でグルグル巻きにされており、何となく熱そうだ。バルディスに聞いてみると、この炎の縄は術者に攻撃の意思さえなければただの縄らしいから、気を失っているグラハムは今、本当にただ縛られているようだ。
「あぁ、そうだ。だから、さっさと『操術』を解いてやってくれ」
「にゃっ(分かったのだっ)」
はっきりと状況を思い出した我輩は、すぐさま『サポートシステム』に『操術』の解除を頼む。そう、この時、我輩はまだ少しだけ寝惚けていたのだろう。ラーミアや黒装束だった聖騎士達に施した解除と同時に『操術』を展開する方法ではなく、生け贄にされた人間達に施したのと同じ、完全なる解除を頼んでしまったのだから。
《『操術』の解除を行います。サポートは必要ですか?
はい/いいえ》
「にゃ(『はい』なのだ)」
我輩、その大失敗に気づくことなく、そのまま『操術』の解除を実行してしまうのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみません、グラハムが目覚めるところまで行き着きませんでした。
次回こそは必ずっ!
あっ、そして、明日と明後日は、もしかしたらいつもと違う更新時間になるかもしれません。
できる限りいつもとあまり変わらない時間にしようとは思いますが、ご容赦ください。
それでは、また!
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