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第三章 セイクリア教国の歪み
第二百四十四話 救出(二)
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「ぐっ」
「クククッ、それはオロチの毒液だ。さすがに効くだろう?」
小瓶の中身を煽った直後、首を押さえて苦しみだすラーミアに、マギウスは愉快だとでも言うかのように笑う。
「あぁぁあっ」
「さて、そろそろ行こうか」
ただ、マギウスは完全に油断していた。俺達が、本当に無力化されたのだと思い込んでいた。
ディルクが刃を首元から離すや否や、小さな白い影が飛び出す。
「にゃおーんっ!」
「はっ?」
クルクルと回転してディルクに体当たりする頼もしい仲間を目にした瞬間、俺もラーミアも動き出す。
「ふっ」
伏せた状態から一気にマギウスの目の前まで接近した俺は、その顎に拳をヒットさせる。
「が、ぁっ」
顎への衝撃で少し浮かび上がって、後ろに倒れ込もうとするマギウスに、先程まで苦しんだフリをしていたラーミアが、ニヤリと笑う。
「今度こそ、逃がしませんわ。『水球獄』」
「がぼぼぼぼっ」
水球に閉じ込められて、白目を剥くマギウス。ただ、その水球は、何だか赤い色をしていて…………今回は水球に何を混ぜているのか、聞くのは止めておこう。
「にゃっ。にゃー」
「よしっ、ディルクの『操術』は解けたぞっ」
「タロ、感謝」
そうこうしているうちに、タロが『操術』を解いてくれたと唐突に現れたバルディスが教えてくれる。これで、マギウスは完全に捕らえることができる。
「ラーミア、そいつを尋問する」
「御意」
ナニカが溶かしこまれていたであろう水球から解放されたマギウスは、今やほぼ虫の息で、白目を剥いたまま泡を吹き、ビクビクと痙攣していた。
……大丈夫、なのか?
これは、ちゃんと尋問できる状態なのかと不安に思ったのは、何も俺だけではなかったようで、バルディスも、タロも、マギウスをじっと見つめて少し引きぎみだ。
「ラーミア、大丈夫?」
「えぇ、問題ありませんわ。オロチの毒液程度の毒、私に効くはずもありませんしね」
……そっちの心配はしていない。心配なのは、マギウスの方だ。
そう、言いたくなるものの、何だかそれを言ってしまえば血を見るような気がして黙り込む。
「さて、マギウスの尋問でしたね。それならば、簡単に自白剤でも使いましょうか? 使った後は発狂して廃人になりますが」
「ラーミア、それ、ダメ」
嬉々として何やら恐ろしそうな自白剤の使用をほのめかしたラーミアに、俺は慌てて否定の意見を告げる。
「そうですか……残念ですね」
本気で残念そうなラーミアに戦慄しながらも、俺は、きっとラーミアはマギウスに対して相当恨みを持っているのだと納得する。今は、尋問をしなければならないから生かさざるを得ないが、それが終われば始末する未来しか見えない。
「では、とりあえず起こしましょうか」
しかし、そうラーミアが告げた直後、異変は起こった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっぱり、ラーミアさん、怖いです。
今回、ディアムをしっかり活躍させてあげるつもりだったんですが……なぜか、ラーミアの方が活躍してる形になってしまいました。
……赤い水球、いったい何を溶かしてそうなっているのかの想像は、各自にお任せします。
きっと、どす黒いとか、紫色とかよりはマシだった……はず?
それでは、また!
「クククッ、それはオロチの毒液だ。さすがに効くだろう?」
小瓶の中身を煽った直後、首を押さえて苦しみだすラーミアに、マギウスは愉快だとでも言うかのように笑う。
「あぁぁあっ」
「さて、そろそろ行こうか」
ただ、マギウスは完全に油断していた。俺達が、本当に無力化されたのだと思い込んでいた。
ディルクが刃を首元から離すや否や、小さな白い影が飛び出す。
「にゃおーんっ!」
「はっ?」
クルクルと回転してディルクに体当たりする頼もしい仲間を目にした瞬間、俺もラーミアも動き出す。
「ふっ」
伏せた状態から一気にマギウスの目の前まで接近した俺は、その顎に拳をヒットさせる。
「が、ぁっ」
顎への衝撃で少し浮かび上がって、後ろに倒れ込もうとするマギウスに、先程まで苦しんだフリをしていたラーミアが、ニヤリと笑う。
「今度こそ、逃がしませんわ。『水球獄』」
「がぼぼぼぼっ」
水球に閉じ込められて、白目を剥くマギウス。ただ、その水球は、何だか赤い色をしていて…………今回は水球に何を混ぜているのか、聞くのは止めておこう。
「にゃっ。にゃー」
「よしっ、ディルクの『操術』は解けたぞっ」
「タロ、感謝」
そうこうしているうちに、タロが『操術』を解いてくれたと唐突に現れたバルディスが教えてくれる。これで、マギウスは完全に捕らえることができる。
「ラーミア、そいつを尋問する」
「御意」
ナニカが溶かしこまれていたであろう水球から解放されたマギウスは、今やほぼ虫の息で、白目を剥いたまま泡を吹き、ビクビクと痙攣していた。
……大丈夫、なのか?
これは、ちゃんと尋問できる状態なのかと不安に思ったのは、何も俺だけではなかったようで、バルディスも、タロも、マギウスをじっと見つめて少し引きぎみだ。
「ラーミア、大丈夫?」
「えぇ、問題ありませんわ。オロチの毒液程度の毒、私に効くはずもありませんしね」
……そっちの心配はしていない。心配なのは、マギウスの方だ。
そう、言いたくなるものの、何だかそれを言ってしまえば血を見るような気がして黙り込む。
「さて、マギウスの尋問でしたね。それならば、簡単に自白剤でも使いましょうか? 使った後は発狂して廃人になりますが」
「ラーミア、それ、ダメ」
嬉々として何やら恐ろしそうな自白剤の使用をほのめかしたラーミアに、俺は慌てて否定の意見を告げる。
「そうですか……残念ですね」
本気で残念そうなラーミアに戦慄しながらも、俺は、きっとラーミアはマギウスに対して相当恨みを持っているのだと納得する。今は、尋問をしなければならないから生かさざるを得ないが、それが終われば始末する未来しか見えない。
「では、とりあえず起こしましょうか」
しかし、そうラーミアが告げた直後、異変は起こった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっぱり、ラーミアさん、怖いです。
今回、ディアムをしっかり活躍させてあげるつもりだったんですが……なぜか、ラーミアの方が活躍してる形になってしまいました。
……赤い水球、いったい何を溶かしてそうなっているのかの想像は、各自にお任せします。
きっと、どす黒いとか、紫色とかよりはマシだった……はず?
それでは、また!
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