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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百十六話 竜の脅威

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「絶対に街に入れるなーっ。打てーっ!!」


 騎士達が集まり、一頭の茶色の竜相手に無数の矢を放つ。しかし、竜相手にただの弓矢は心許なかった。


「ギャオォオッ」


 竜が一声鳴いた直後、弓矢は竜に届く前に弾かれる。


「なるほど、魔法が使える亜種か……」

「厄介ですね」


 南門まで辿り着いていた俺は、途中で合流したラーミアとともに、騎士達から隠れ、木の影からその様子を観察する。


「なっ!? まさか、亜種だと!? ならば、魔法部隊っ! 打てーっ!」


 弓矢は通じないと即座に判断した指揮官は、魔法へと希望を託す。しかし……。


「ギュオォオッ」


 やはり、それも竜の声とともに弾かれてしまう。


「っ、打てっ! とにかく撹乱して、進路を逸らすぞっ!」


 討伐は、恐らく不可能。そのため、騎士達は悲壮な表情で、それでも背後にある街を守るために奮闘する。


「手助けは……悪目立ちのもとか」

「ですが、このままでは竜の侵入を許すことになりかねませんわよ?」


 できることなら、目立ちたくはない。目立って行動しづらくなるのは避けたい。しかし、ラーミアが言うことももっともだった。あの騎士達だけでは、竜を抑えることなどできそうにない。


「仕方ない。正体を隠して乱入するぞ」

「御意」


 俺は黒、ラーミアは白の狐の面を『収納』から取り出すと、それを被って、ついでにフードも被り、髪の色すらも隠す。


「助太刀するっ」


 そう声を張り上げると、気づいた騎士達の何人かはギョッとした表情になる。明らかに、騎士団に所属していない者で、しかも不審な格好をしている二人組がこの緊急時に現れたのだ。その表情になるのも無理はない。


「『爆蝶ばくちょう』」


 蝶に見える形の火の玉をいくつも形成した俺は、見た目とは違って高威力を誇るそれを、暴れる竜へと差し向ける。


「グギャアァァァアッ!!」

「では、『睡蓮すいれん』」


 『爆蝶』のすさまじい威力に悲鳴を上げた竜。そして、その竜に対して、ラーミアはこれまた、ある意味威力の高い魔法を試す。
 ラーミアが発動した魔法は、植物の睡蓮を象った水をいくつも産み出し……ラーミアの指示で、一気に竜へと寄生する。


「ガギャッ」


 先程の『爆蝶』の影響か、全く魔法を弾く様子を見せなかった竜は、睡蓮型の水に襲われて……すぐに、動きを止めた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


戦闘シーンの続きは、また明日書きますね。

それでは、また!
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