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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百二十二話 邪神信仰
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「ここでは、邪神様の信仰を行っています」
「邪神様への供物の調達が我々の任務」
「邪神様に現世へと降臨していただくことこそが我らの本懐」
そんな男達の言葉を整理すると、どうやら、ケントが言っていた『邪神の眼』を生み出したのはこいつらで間違いないらしい。ただし、男達の邪神に対する認識は奇妙だった。
「邪神様は、ありとあらゆる病から人々を救済してくださる」
「邪神様が降臨なされれば、その時、この地には真の平和が訪れる」
「邪神様は、全ての人々を慈しんでくださる」
口々に語られる邪神像は、とてもではないが言い伝えられているものと同一とは思えない。邪神といえば、死と破壊の権化。生きとし生ける者を苦しめ、殺戮の限りを尽くす存在。それが、世界で知られている邪神だ。
「マギウス、彼らは真実を、話してる?」
「う、うん。『操術』はしっかりかかってるから、本気でそう思ってることは確かだよ」
あまりにもおかしな信仰に、俺は『邪神』という名の他の神なのではないかと思ってみたものの、それもどうやら違うらしい。曰く、世界の人々こそが、邪神を誤解しているのだとか。
「……邪神の供物、何?」
「邪神様は、命を求めております。ゆえに、人族や亜人、動物にいたるまで、全ての命を捧げております」
「捧げた命は、邪神様の糧になり、いずれ、世界の平穏へと繋がるのです」
そんな矛盾だらけの内容に、俺は頭が痛くなりそうだった。どう考えても、この男達は普段関わり合いになるべきではない人種だ。今までも狂信者と呼ばれる者を見たことはあったものの、この三人もそれと同類なのだろう。
「ディアムさん、僕、こんな狂信者を操らないといけない、んだよね」
「バレたら困る」
「……うん」
狂信者達を操っているマギウスも、何となく嫌そうに男達を見る。ただ、こいつらを解放するわけにもいかないため、マギウスには頑張ってもらうほかない。
「『邪神の眼』、作ったのは、お前達で間違いない?」
「あぁぁ、間違いありません。我々の第一歩があそこにあったのです」
「各地に散った仲間達も、今頃は成功していることでしょう」
「然り、然り」
「『各地に散った仲間』?」
『邪神の眼』をどうやって作ったのかを聞こうとしていた俺達は、そんな男の言葉にギョッとする。それではまるで、まだまだあの瘴気を吹き出す不穏な場所がいくつもあるようではないか。
「竜の森以外、『邪神の眼』が作られた場所、どこ?」
とにかく、それを知らなければ意味がない。そう思って尋ねた直後、俺達は絶句することになるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回は、バルディスかタロ視点に戻そうかと考え中ー。
今回は答えを引き延ばす形にしようかなと。
それでは、また!
「邪神様への供物の調達が我々の任務」
「邪神様に現世へと降臨していただくことこそが我らの本懐」
そんな男達の言葉を整理すると、どうやら、ケントが言っていた『邪神の眼』を生み出したのはこいつらで間違いないらしい。ただし、男達の邪神に対する認識は奇妙だった。
「邪神様は、ありとあらゆる病から人々を救済してくださる」
「邪神様が降臨なされれば、その時、この地には真の平和が訪れる」
「邪神様は、全ての人々を慈しんでくださる」
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「マギウス、彼らは真実を、話してる?」
「う、うん。『操術』はしっかりかかってるから、本気でそう思ってることは確かだよ」
あまりにもおかしな信仰に、俺は『邪神』という名の他の神なのではないかと思ってみたものの、それもどうやら違うらしい。曰く、世界の人々こそが、邪神を誤解しているのだとか。
「……邪神の供物、何?」
「邪神様は、命を求めております。ゆえに、人族や亜人、動物にいたるまで、全ての命を捧げております」
「捧げた命は、邪神様の糧になり、いずれ、世界の平穏へと繋がるのです」
そんな矛盾だらけの内容に、俺は頭が痛くなりそうだった。どう考えても、この男達は普段関わり合いになるべきではない人種だ。今までも狂信者と呼ばれる者を見たことはあったものの、この三人もそれと同類なのだろう。
「ディアムさん、僕、こんな狂信者を操らないといけない、んだよね」
「バレたら困る」
「……うん」
狂信者達を操っているマギウスも、何となく嫌そうに男達を見る。ただ、こいつらを解放するわけにもいかないため、マギウスには頑張ってもらうほかない。
「『邪神の眼』、作ったのは、お前達で間違いない?」
「あぁぁ、間違いありません。我々の第一歩があそこにあったのです」
「各地に散った仲間達も、今頃は成功していることでしょう」
「然り、然り」
「『各地に散った仲間』?」
『邪神の眼』をどうやって作ったのかを聞こうとしていた俺達は、そんな男の言葉にギョッとする。それではまるで、まだまだあの瘴気を吹き出す不穏な場所がいくつもあるようではないか。
「竜の森以外、『邪神の眼』が作られた場所、どこ?」
とにかく、それを知らなければ意味がない。そう思って尋ねた直後、俺達は絶句することになるのだった。
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次回は、バルディスかタロ視点に戻そうかと考え中ー。
今回は答えを引き延ばす形にしようかなと。
それでは、また!
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