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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百二十三話 先代魔王と邪神の眼
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英雄だともてはやされ、凱旋も一緒にと請われたが、何度も調査があるからと辞退した。本当は竜の森にはタロとケントが向かっているため、行く必要はないと思うものの、そうでも言わなければ凱旋、後、宴会と続きそうで困る。
《バル、本当に竜の森へ行くつもりですか?》
《いや……きっとタロとケントが居るから大丈夫だとは思う》
《ですが、二人は竜がここまで来たことを知りませんわよ? どうにかして伝えた方が良いのでは?》
《それは分かっている。落ち着いたら、『念話』で呼び掛けるつもりだ》
騎士達に見送られて、竜の森の方へと向かう俺達は、とりあえず先程もらった情報を整理することにする。
《『宵闇の一日』より前に、何者かが竜の森を行き来していたという情報はあったんだよな》
《えぇ、ですが、竜の森に隣接した村では、特にその人物について追及することはなかったと》
《特徴は黒いローブのみ。顔すら不明、か》
《現在はルトに潜伏している可能性が高く、騎士達が調べているそうですね》
とりあえず、ここまでは特に問題はない。想定の範囲内の情報だ。しかし……。
《連続失踪事件、か……》
《騎士達も関連があると見ている事件ですね》
《今でもそれが続いているというのがネックだな》
《もし、『邪神の眼』を生み出すのに生け贄が必要ならば……失踪した人達は、生け贄にされているのかもしれませんしね》
《となると、『邪神の眼』が増える可能性がある》
そう考えながら、ふと、俺は瘴気の存在を思い出す。
「なぁ、ラーミア、先代魔王がファルシスの瘴気を浄化したというのは覚えているよな?」
「えぇ、覚えていますが……まさか、それも『邪神の眼』の影響だと?」
何もかもが謎に包まれた先代魔王。しかし、その功績くらいは覚えている。先代魔王がファルシス魔国を治めていた時代、ファルシスには瘴気が漂い、次々に魔族の命を奪っていった。そして、それを憂えた魔王は、瘴気の浄化に踏み切り、見事、それを成し遂げたとされている。
騎士達の姿が見えなくなり、会話が聞かれる心配がなくなった俺達は、互いに言葉に出して意見を言い合う。
「……では、ファルシス魔国がことの発端だと、バルは睨んでいるのですか?」
「あぁ、それと、今思い出したが、先代魔王の最後の功績が、瘴気の浄化だった。だから、もしかしたら、浄化したことによって、先代魔王の身に何かあったのかもしれない」
先代魔王とは、俺達自身、何度か対峙しているものの、その様子は尋常じゃなかった。顔面に現れた紋様は、何者かに操られていて出る紋様だと思っていたが、前にマギウスに聞いたところ、『操術』使いで紋様を出してしまうような未熟な術者に、先代魔王が操られるわけがないし、実際、紋様の形もそれとは違うとのことだった。
「そもそも、『邪神の眼』は普通では封じられないものなんだろう? そうなると、先代魔王はどうやって浄化を果たしたんだ?」
自分で疑問を出しながらも、嫌な予感がひしひしとする。
もしかしたら、先代魔王は自らを犠牲に、『邪神の眼』を封じたのではないのか、と。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみません、また、プロットが詰まってきたので、三日ほど更新を停止します。
先代魔王の謎に迫っているところで申し訳ないですが、少しばかりお待ちください。
それでは、また!
《バル、本当に竜の森へ行くつもりですか?》
《いや……きっとタロとケントが居るから大丈夫だとは思う》
《ですが、二人は竜がここまで来たことを知りませんわよ? どうにかして伝えた方が良いのでは?》
《それは分かっている。落ち着いたら、『念話』で呼び掛けるつもりだ》
騎士達に見送られて、竜の森の方へと向かう俺達は、とりあえず先程もらった情報を整理することにする。
《『宵闇の一日』より前に、何者かが竜の森を行き来していたという情報はあったんだよな》
《えぇ、ですが、竜の森に隣接した村では、特にその人物について追及することはなかったと》
《特徴は黒いローブのみ。顔すら不明、か》
《現在はルトに潜伏している可能性が高く、騎士達が調べているそうですね》
とりあえず、ここまでは特に問題はない。想定の範囲内の情報だ。しかし……。
《連続失踪事件、か……》
《騎士達も関連があると見ている事件ですね》
《今でもそれが続いているというのがネックだな》
《もし、『邪神の眼』を生み出すのに生け贄が必要ならば……失踪した人達は、生け贄にされているのかもしれませんしね》
《となると、『邪神の眼』が増える可能性がある》
そう考えながら、ふと、俺は瘴気の存在を思い出す。
「なぁ、ラーミア、先代魔王がファルシスの瘴気を浄化したというのは覚えているよな?」
「えぇ、覚えていますが……まさか、それも『邪神の眼』の影響だと?」
何もかもが謎に包まれた先代魔王。しかし、その功績くらいは覚えている。先代魔王がファルシス魔国を治めていた時代、ファルシスには瘴気が漂い、次々に魔族の命を奪っていった。そして、それを憂えた魔王は、瘴気の浄化に踏み切り、見事、それを成し遂げたとされている。
騎士達の姿が見えなくなり、会話が聞かれる心配がなくなった俺達は、互いに言葉に出して意見を言い合う。
「……では、ファルシス魔国がことの発端だと、バルは睨んでいるのですか?」
「あぁ、それと、今思い出したが、先代魔王の最後の功績が、瘴気の浄化だった。だから、もしかしたら、浄化したことによって、先代魔王の身に何かあったのかもしれない」
先代魔王とは、俺達自身、何度か対峙しているものの、その様子は尋常じゃなかった。顔面に現れた紋様は、何者かに操られていて出る紋様だと思っていたが、前にマギウスに聞いたところ、『操術』使いで紋様を出してしまうような未熟な術者に、先代魔王が操られるわけがないし、実際、紋様の形もそれとは違うとのことだった。
「そもそも、『邪神の眼』は普通では封じられないものなんだろう? そうなると、先代魔王はどうやって浄化を果たしたんだ?」
自分で疑問を出しながらも、嫌な予感がひしひしとする。
もしかしたら、先代魔王は自らを犠牲に、『邪神の眼』を封じたのではないのか、と。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
すみません、また、プロットが詰まってきたので、三日ほど更新を停止します。
先代魔王の謎に迫っているところで申し訳ないですが、少しばかりお待ちください。
それでは、また!
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