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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百八十三話 捕縛された者の言い分
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「それで、なぜこのようなことをした?」
全員を捕縛し、とりあえず彼らを床に座らせると、ルーデルは苦しげな表情でバルトとザルトへと問いかける。
我輩は、ショックが抜け切らない様子のフルルに、元の姿でスリスリとすり寄って慰める。
「お逃げくださいっ、父上っ、ミアト!」
「そのフルルという者は、ファルシス魔国の間者である可能性が高いっ!」
バルトとザルトの叫びに、我輩、フルルがさらに泣きそうになるのを見て、スリスリ攻撃を強化する。
ふむ……どういうことなのだ?
とりあえず、我輩、耳だけは話に集中することにする。
「……それは、どこからの情報だ?」
一瞬、動揺を見せたルーデルは、それでもすぐに、必要な情報を得ようと問いただした。
「今はそのようなことを問答している暇はありませんっ! 早くお逃げくださいっ! いや、勇者殿っ、どうか、そのフルルという者を捕らえてくださいっ!」
矛先が飼い主に向かい、我輩、飼い主の答えが予想できるだけに、バルトが哀れになる。
「ふむ、断るのだっ!」
ニヤリと笑う飼い主は、直後、我輩へと視線を向ける。
「タロ、ここに、ちょうど良く王太子と第三王子が居るのだ。……もちろん、解析するであろう?」
「にゃっ(もちろんなのだっ)」
記憶を取り戻してしまえば、フルルが敵ではないことが分かるはずなのだ。飼い主は頭が良いのだっ。
「だが、まぁ、確かに、そんな偽の情報を渡した相手は気になるところなのだ。ルーデル、王妃達の様子を確認した方が良いやもしれないぞ?」
「それは……はっ! 確かにっ、すぐに確認の遣いを出さねばっ」
飼い主の言葉に怪訝そうにしたルーデルだったが、何かに思い至ったらしく、すぐさま指示を出そうと動き出す。具体的には、部屋の片隅に置かれていたオブジェだと思っていた球体に手を置き、誰かと『念話』を始める。
「『偽の情報』……? どう、いうことですか? 勇者殿?」
それまで必死に拘束から逃れようとしていたザルトすらも静かになって、飼い主へと視線を注ぐ。
「ふむ、事情の説明の前に、私にはやるべきことがあるのだ。私の予想が当たっていれば、そろそろ……」
その瞬間だった。あまりにも不快な、何かが軋むような音が城中の至るところで響き始めたのは……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は、フルルにかけられた疑惑がチラッと出てきましたけど……どうやら事態はより深刻になりつつある模様。
次回は音の正体と絶望が待っているかも?
それでは、また!
全員を捕縛し、とりあえず彼らを床に座らせると、ルーデルは苦しげな表情でバルトとザルトへと問いかける。
我輩は、ショックが抜け切らない様子のフルルに、元の姿でスリスリとすり寄って慰める。
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バルトとザルトの叫びに、我輩、フルルがさらに泣きそうになるのを見て、スリスリ攻撃を強化する。
ふむ……どういうことなのだ?
とりあえず、我輩、耳だけは話に集中することにする。
「……それは、どこからの情報だ?」
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「ふむ、断るのだっ!」
ニヤリと笑う飼い主は、直後、我輩へと視線を向ける。
「タロ、ここに、ちょうど良く王太子と第三王子が居るのだ。……もちろん、解析するであろう?」
「にゃっ(もちろんなのだっ)」
記憶を取り戻してしまえば、フルルが敵ではないことが分かるはずなのだ。飼い主は頭が良いのだっ。
「だが、まぁ、確かに、そんな偽の情報を渡した相手は気になるところなのだ。ルーデル、王妃達の様子を確認した方が良いやもしれないぞ?」
「それは……はっ! 確かにっ、すぐに確認の遣いを出さねばっ」
飼い主の言葉に怪訝そうにしたルーデルだったが、何かに思い至ったらしく、すぐさま指示を出そうと動き出す。具体的には、部屋の片隅に置かれていたオブジェだと思っていた球体に手を置き、誰かと『念話』を始める。
「『偽の情報』……? どう、いうことですか? 勇者殿?」
それまで必死に拘束から逃れようとしていたザルトすらも静かになって、飼い主へと視線を注ぐ。
「ふむ、事情の説明の前に、私にはやるべきことがあるのだ。私の予想が当たっていれば、そろそろ……」
その瞬間だった。あまりにも不快な、何かが軋むような音が城中の至るところで響き始めたのは……。
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今回は、フルルにかけられた疑惑がチラッと出てきましたけど……どうやら事態はより深刻になりつつある模様。
次回は音の正体と絶望が待っているかも?
それでは、また!
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