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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百九十三話 心当たり
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ケントやタロが城で様々な話をしている頃、俺は、ラーミア達と宿屋で合流して、情報の整理を行っていた。
「つまり、この国ではその『心術』使いを捕らえるなり殺すなりすることが優先になる、ということでしょうか?」
「あぁ、そうなるな。それで、誰か何でも良いから心当たりはないか? ここまで広範囲に『心術』をかけられるような者はそうそう居ないだろうからな」
「『心術』……特に心当たり、ない」
「私もありませんわね」
「僕も、そんな『心術』使いは知らないかなぁ」
「ぬぅ……俺は、少し心当たりがある」
それぞれに心当たりを聞けば、一人だけ、ロギーが反応をする。俺達は一斉にロギーを見て、詳しい話を聞こうとしたが、ロギーはそんな俺達を見て、眉間に深いしわを刻む。
「そこまで詳しい情報は持っておらぬぞ?」
「それでも良い。今は、少しでも情報がほしい」
俺が促せば、ロギーは重々しくうなずいて話し出す。
「俺が聞いたのは、ミルテナ帝国に、人を操るのに長けた者が居るということだ」
「『操る』、なら、もしかしたら、僕のことだったんじゃ……」
「いいや、違う。そいつは、『メモリークラッシャー』と呼ばれる女らしい」
「うーん、なら、僕のことじゃなさそうだね。それで?」
マギウスがロギーの隣でフムフムとうなずいて、続きを尋ねる。
「それだけだ」
「……それだけ、か?」
「うむ」
どうやら、ロギーは本当にそれ以上の情報を持っていないらしく、はっきりとうなずいてくる。
「ミルテナ帝国に、『メモリークラッシャー』で女性、ですか……正直、これだけの情報では、ほとんど何も分かっていないのと同じですね」
「すまぬ」
「いや、全く情報がないよりマシだ。とりあえず、ケントに『心術』対策を施してもらった後にでも、詳しく調べることとしよう」
「それもそうですね。もし、勘づかれて記憶を操作されたらたまらないですし」
「御意」
「分かったよ」
今後の予定を決めると、後はやることがなくなる。ケントとタロが帰ってくるのはもう少し先になるだろう。
「……俺は少し、ギルドの方によってみようと思うが、誰か、一緒に来るか?」
旅の人数が増えたおかげで、路銀が心許ないと考えた俺は、とりあえず、そんな提案をしてみる。
「ディアム。まずはバルの監視が優先のようですね」
「確かに」
「おい? なぜ、監視なんてことになる?」
聞き捨てならないラーミアの言葉に、一応の反論は試みるものの、ラーミアはそんな俺を無視して、監視のために着いていくと宣言してくれる。
「じゃあ、僕達はタロとケントをここで待てば良いのかな?」
「それでよろしくお願いしますわ」
「うむ」
そうして、マギウスとロギーを残して、俺達は冒険者ギルドへと向かうこととなった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
せっかく冒険者ギルドに加入したんですから、たまには冒険させないと、ですよね?
もちろん、冒険にはトラブルがつきものですが……。
それでは、また!
「つまり、この国ではその『心術』使いを捕らえるなり殺すなりすることが優先になる、ということでしょうか?」
「あぁ、そうなるな。それで、誰か何でも良いから心当たりはないか? ここまで広範囲に『心術』をかけられるような者はそうそう居ないだろうからな」
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「私もありませんわね」
「僕も、そんな『心術』使いは知らないかなぁ」
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それぞれに心当たりを聞けば、一人だけ、ロギーが反応をする。俺達は一斉にロギーを見て、詳しい話を聞こうとしたが、ロギーはそんな俺達を見て、眉間に深いしわを刻む。
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「それでも良い。今は、少しでも情報がほしい」
俺が促せば、ロギーは重々しくうなずいて話し出す。
「俺が聞いたのは、ミルテナ帝国に、人を操るのに長けた者が居るということだ」
「『操る』、なら、もしかしたら、僕のことだったんじゃ……」
「いいや、違う。そいつは、『メモリークラッシャー』と呼ばれる女らしい」
「うーん、なら、僕のことじゃなさそうだね。それで?」
マギウスがロギーの隣でフムフムとうなずいて、続きを尋ねる。
「それだけだ」
「……それだけ、か?」
「うむ」
どうやら、ロギーは本当にそれ以上の情報を持っていないらしく、はっきりとうなずいてくる。
「ミルテナ帝国に、『メモリークラッシャー』で女性、ですか……正直、これだけの情報では、ほとんど何も分かっていないのと同じですね」
「すまぬ」
「いや、全く情報がないよりマシだ。とりあえず、ケントに『心術』対策を施してもらった後にでも、詳しく調べることとしよう」
「それもそうですね。もし、勘づかれて記憶を操作されたらたまらないですし」
「御意」
「分かったよ」
今後の予定を決めると、後はやることがなくなる。ケントとタロが帰ってくるのはもう少し先になるだろう。
「……俺は少し、ギルドの方によってみようと思うが、誰か、一緒に来るか?」
旅の人数が増えたおかげで、路銀が心許ないと考えた俺は、とりあえず、そんな提案をしてみる。
「ディアム。まずはバルの監視が優先のようですね」
「確かに」
「おい? なぜ、監視なんてことになる?」
聞き捨てならないラーミアの言葉に、一応の反論は試みるものの、ラーミアはそんな俺を無視して、監視のために着いていくと宣言してくれる。
「じゃあ、僕達はタロとケントをここで待てば良いのかな?」
「それでよろしくお願いしますわ」
「うむ」
そうして、マギウスとロギーを残して、俺達は冒険者ギルドへと向かうこととなった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
せっかく冒険者ギルドに加入したんですから、たまには冒険させないと、ですよね?
もちろん、冒険にはトラブルがつきものですが……。
それでは、また!
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