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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百六十四話 情報屋
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なぜかヨナの父親に会うこととなった僕は、バルディス達によって服装を整えられ、ヨナとともに馬車へと押し込まれる。
「マギウス。お前の役目はただ一つ。ヨナの父親を説得することだ。まぁ、俺達としてはヨナが居ても居なくても構わないから、気楽にやると良い」
最後にそんな言葉を受けて、僕達が乗る馬車は走り出す。
「……私は、皆さんの迷惑になっているのでしょうか?」
お互いが対面する形で座って、とりあえず窓の外に視線を向けていれば、ヨナからそんな言葉が飛び出す。それは明らかに、バルディスが最後に言った言葉が原因と思われた。
「うーん、僕達は目的を持って動いてるわけだけど……その目的のついでにヨナを助けられそうだと思ったから手を差し伸べただけなんだ。だから、何がなんでも助けたいってわけじゃないんだ。あまりに面倒になってしまえば、僕達も手を引くだろうね」
取り繕っても仕方ないとばかりに、僕は真実を話す。実際、このヨナの父親の説得が上手くいかなくても、僕達には何の影響もない。そもそも、ヨナが欠片の持ち主でなければ、声をかけることさえしなかっただろう。
「そう、ですか。でも、確かにそうですよね。誰かにものを頼む時は、報酬なりなんなりを用意して交渉しなきゃいけないって言われてるのに、私、何一つしてない……」
そう言うヨナは、一人、落ち込んだ様子だった。ただ、ヨナが言っていることはもっともなことなので、僕も口出しすることはなかった。
そうしてしばらく馬車に揺られながら、僕は外の景色をぼんやりと眺める。
「……よしっ、分かりました。それじゃあマギウスさん。私と交渉しましょうっ」
「へっ?」
ぼんやりしていたせいで、ヨナが何を言ったのか、僕は一瞬理解できずに間抜けな声を上げる。
「交渉内容はこうです。まず、マギウスさん達は、父を説得して、私をボスティア海国に送り届けてもらいます。対して、私はその対価として、望む情報を渡しましょう」
「望む情報?」
「はい。これでも、私は凄腕の情報屋なんですっ」
そんな言葉に、僕は胡散臭いものを見る目を向ける。何せ、この国で見つけた情報屋というのは、どれもこれも役立たずだったのだ。だから、情報の集まりが悪いというのもある。
「なら、私からその裏付けの情報をば。あなた方は、カレッタ小王国で勇者様とともに行動をして、国を救った影の英雄、でしょう? それに、バルディスという名前は、今代の魔王の名前でもありますよね? あぁ、あと、マギウスさんは元四天王かも?」
「っ」
そんなあまりにも的確な情報を前に、僕は必死に表情を取り繕う。
「これだけの情報を三日で集めた私の情報。欲しくありませんか?」
その瞬間、僕は、確実にヨナの父親を説得しなければならないことを確信するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヨナちゃん、案外凄かった。
タロの情報の中にはそんなことは出てませんでしたけど、基本的に、お偉いさんの娘っていう立場が一番強かったため、タロが意識しなければ表示されない情報だったんですよね。
それでは、また!
「マギウス。お前の役目はただ一つ。ヨナの父親を説得することだ。まぁ、俺達としてはヨナが居ても居なくても構わないから、気楽にやると良い」
最後にそんな言葉を受けて、僕達が乗る馬車は走り出す。
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お互いが対面する形で座って、とりあえず窓の外に視線を向けていれば、ヨナからそんな言葉が飛び出す。それは明らかに、バルディスが最後に言った言葉が原因と思われた。
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取り繕っても仕方ないとばかりに、僕は真実を話す。実際、このヨナの父親の説得が上手くいかなくても、僕達には何の影響もない。そもそも、ヨナが欠片の持ち主でなければ、声をかけることさえしなかっただろう。
「そう、ですか。でも、確かにそうですよね。誰かにものを頼む時は、報酬なりなんなりを用意して交渉しなきゃいけないって言われてるのに、私、何一つしてない……」
そう言うヨナは、一人、落ち込んだ様子だった。ただ、ヨナが言っていることはもっともなことなので、僕も口出しすることはなかった。
そうしてしばらく馬車に揺られながら、僕は外の景色をぼんやりと眺める。
「……よしっ、分かりました。それじゃあマギウスさん。私と交渉しましょうっ」
「へっ?」
ぼんやりしていたせいで、ヨナが何を言ったのか、僕は一瞬理解できずに間抜けな声を上げる。
「交渉内容はこうです。まず、マギウスさん達は、父を説得して、私をボスティア海国に送り届けてもらいます。対して、私はその対価として、望む情報を渡しましょう」
「望む情報?」
「はい。これでも、私は凄腕の情報屋なんですっ」
そんな言葉に、僕は胡散臭いものを見る目を向ける。何せ、この国で見つけた情報屋というのは、どれもこれも役立たずだったのだ。だから、情報の集まりが悪いというのもある。
「なら、私からその裏付けの情報をば。あなた方は、カレッタ小王国で勇者様とともに行動をして、国を救った影の英雄、でしょう? それに、バルディスという名前は、今代の魔王の名前でもありますよね? あぁ、あと、マギウスさんは元四天王かも?」
「っ」
そんなあまりにも的確な情報を前に、僕は必死に表情を取り繕う。
「これだけの情報を三日で集めた私の情報。欲しくありませんか?」
その瞬間、僕は、確実にヨナの父親を説得しなければならないことを確信するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヨナちゃん、案外凄かった。
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