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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第五百二十四話 巨大魚の腹をぶち破れ(七)
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行き止まり……?
ここまでの道は一本道で、他に分かれるところなどなかった。だから、この道が間違っているとは思えないのだが……。
「タロ、『光源』を強めることはできますか? その行き止まりの壁を照らしてください」
「にゃ(分かったのだ)」
ラーミアの指示に従って、我輩、壁を強く照らしてみる。すると……。
「にゃ……(これは……)」
特に穴があるわけでもないのに、その壁からは、勢い良く瘴気が吹き出していた。
「……あぁ、ありましたわ。やはり、ここが転移陣と繋がっているようですね」
そう言って、ラーミアが指差す場所を見てみれば、なるほど、確かに魔法陣がある。それがきっと、転移陣とやらなのだろう。
「にゃ……にゃあ(どこに繋がっているのであろうか……『探索』なのだ)」
そして、我輩は頭を抱えた。
「? タロ? どうしました?」
《転移陣。
行き先は『邪神の眼』と化した巨大魚の腹。
双方向に発動可能》
そんな情報に、我輩、なぜ、今飼い主が側に居ないのかと、つい嘆いてしまう。
「タロ?」
何度も我輩に呼び掛けてくるラーミアに、我輩、さすがに説明しなければならないと思い、人の姿を取る。
「この転移陣の行き先は、『邪神の眼』となった巨大魚の腹の中なのだ」
そう言えば、全員が息を呑む。
「そりゃあ、俺達、生きて帰れるのか?」
「……不明なのだ」
ビー兄さんの言葉に、そう返すことしかできない自分が歯がゆい。しかし、実際、『邪神の眼』の中で、彼らが無事に脱出できるかどうかは分からなかった。
「……ちょっと待ってください。その前に、ここに転移陣があること自体がおかしな話です。私達は、適当な壁を破壊したというのに……」
と、そこで、ラーミアが難しい顔でそんなことを告げる。言われて見れば、確かにおかしな話だ。適当に壁を壊して、そのまま道が繋がっているなど、普通はあり得ない。
「たまたまじゃないのか?」
ビー兄さんの言葉に、ラーミアはそのまま考え込む。
「分かりませんわ。たまたまなら、良いのですが……」
それは、たまたまではないかもしれないということを感じさせる言葉で、我輩、何だか心配になる。
「ラーミア?」
「……いえ、この話は止めましょう。今はとにかく、ここからの脱出が優先です」
そうして、我輩達は覚悟を決めて、転移陣へと飛び込むのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっと、本当のお腹の中へ突入です。
さぁ、タロ達はいったいどうなるっ!?
それでは、また!
ここまでの道は一本道で、他に分かれるところなどなかった。だから、この道が間違っているとは思えないのだが……。
「タロ、『光源』を強めることはできますか? その行き止まりの壁を照らしてください」
「にゃ(分かったのだ)」
ラーミアの指示に従って、我輩、壁を強く照らしてみる。すると……。
「にゃ……(これは……)」
特に穴があるわけでもないのに、その壁からは、勢い良く瘴気が吹き出していた。
「……あぁ、ありましたわ。やはり、ここが転移陣と繋がっているようですね」
そう言って、ラーミアが指差す場所を見てみれば、なるほど、確かに魔法陣がある。それがきっと、転移陣とやらなのだろう。
「にゃ……にゃあ(どこに繋がっているのであろうか……『探索』なのだ)」
そして、我輩は頭を抱えた。
「? タロ? どうしました?」
《転移陣。
行き先は『邪神の眼』と化した巨大魚の腹。
双方向に発動可能》
そんな情報に、我輩、なぜ、今飼い主が側に居ないのかと、つい嘆いてしまう。
「タロ?」
何度も我輩に呼び掛けてくるラーミアに、我輩、さすがに説明しなければならないと思い、人の姿を取る。
「この転移陣の行き先は、『邪神の眼』となった巨大魚の腹の中なのだ」
そう言えば、全員が息を呑む。
「そりゃあ、俺達、生きて帰れるのか?」
「……不明なのだ」
ビー兄さんの言葉に、そう返すことしかできない自分が歯がゆい。しかし、実際、『邪神の眼』の中で、彼らが無事に脱出できるかどうかは分からなかった。
「……ちょっと待ってください。その前に、ここに転移陣があること自体がおかしな話です。私達は、適当な壁を破壊したというのに……」
と、そこで、ラーミアが難しい顔でそんなことを告げる。言われて見れば、確かにおかしな話だ。適当に壁を壊して、そのまま道が繋がっているなど、普通はあり得ない。
「たまたまじゃないのか?」
ビー兄さんの言葉に、ラーミアはそのまま考え込む。
「分かりませんわ。たまたまなら、良いのですが……」
それは、たまたまではないかもしれないということを感じさせる言葉で、我輩、何だか心配になる。
「ラーミア?」
「……いえ、この話は止めましょう。今はとにかく、ここからの脱出が優先です」
そうして、我輩達は覚悟を決めて、転移陣へと飛び込むのだった。
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やっと、本当のお腹の中へ突入です。
さぁ、タロ達はいったいどうなるっ!?
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