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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第五百三十一話 駆け引き
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タロはいったい何をしでかしたのかと、内心頭を抱えていると、ハーレは『すまない』と謝罪してくる。
「こんなこと言って、巻き込むべきではないよな」
そう言うハーレは、随分とタロのことを気にかけてくれていたらしく、タロが少なくともあの激流で怪我をしていないと分かった途端に気が緩んだそうだ。
「後は、我々の仕事だ。協力、感謝する」
深々と頭を下げたハーレ。しかし、俺としてはここで引き下がるつもりは毛頭ない。
「……自分で言うのも何だが、俺は強い。他に協力できることがあるなら、手伝いくらいはするぞ?」
「いや、一般人にそこまでしてもらうわけにはいかない。気遣い、感謝する」
しかし、やはりというか何というか、その申し出は受け入れてもらえない。
まぁ、初対面の相手を信用するわけがないよな。
俺だったら、そんな申し出をされれば、十中八九、裏があると考える。ハーレはそこまで考えていないのか、純粋に受け止めているようだったが、彼女の元来の気質なのか、自身が守る相手に助けを乞うという選択肢はないようだった。
「なら、また何か分かれば教える。何だったら、その生き物を見つけたら連れていってやるよ」
「そうか、それはありがたいが……いや、できれば、連れてくるのは止めてくれ。敵の目に触れるとそいつが危ない」
「あ、あぁ、確かにそうか」
実際は、勇者という立場で、魔王の俺よりも万能なタロが簡単に傷つくことはない。しかし、そんなこと、ハーレは知らないわけで、命を狙われているタロは、自動的にか弱い小動物という括りに入れられる。
「分かった、なら、見つけたり、そのまま保護できたりした場合は、連絡しよう」
「ありがたい。ご協力、感謝する。連絡は、第五隊舎の受付で、ハーレ・クートの名前を出せば大丈夫だ」
「第五隊舎……」
「あそこの黄色い瓦屋根の建物がそれだ」
そう言われて、少し浮かんで見れば、確かにそんな色の瓦の建物があった。
「分かった」
タロが戻ってきたら、事情を説明して保護したことにして、彼女達から情報を引き出そうと決意する。
「それでは、私はこれで失礼する」
そうして、タロの捜索に戻った彼女を見送り、俺はディアム達の元へと戻るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一応、物騒なことにはならずにすんだ模様。
この後は……また、タロ達のお話に戻る、かなぁ?
それでは、また!
「こんなこと言って、巻き込むべきではないよな」
そう言うハーレは、随分とタロのことを気にかけてくれていたらしく、タロが少なくともあの激流で怪我をしていないと分かった途端に気が緩んだそうだ。
「後は、我々の仕事だ。協力、感謝する」
深々と頭を下げたハーレ。しかし、俺としてはここで引き下がるつもりは毛頭ない。
「……自分で言うのも何だが、俺は強い。他に協力できることがあるなら、手伝いくらいはするぞ?」
「いや、一般人にそこまでしてもらうわけにはいかない。気遣い、感謝する」
しかし、やはりというか何というか、その申し出は受け入れてもらえない。
まぁ、初対面の相手を信用するわけがないよな。
俺だったら、そんな申し出をされれば、十中八九、裏があると考える。ハーレはそこまで考えていないのか、純粋に受け止めているようだったが、彼女の元来の気質なのか、自身が守る相手に助けを乞うという選択肢はないようだった。
「なら、また何か分かれば教える。何だったら、その生き物を見つけたら連れていってやるよ」
「そうか、それはありがたいが……いや、できれば、連れてくるのは止めてくれ。敵の目に触れるとそいつが危ない」
「あ、あぁ、確かにそうか」
実際は、勇者という立場で、魔王の俺よりも万能なタロが簡単に傷つくことはない。しかし、そんなこと、ハーレは知らないわけで、命を狙われているタロは、自動的にか弱い小動物という括りに入れられる。
「分かった、なら、見つけたり、そのまま保護できたりした場合は、連絡しよう」
「ありがたい。ご協力、感謝する。連絡は、第五隊舎の受付で、ハーレ・クートの名前を出せば大丈夫だ」
「第五隊舎……」
「あそこの黄色い瓦屋根の建物がそれだ」
そう言われて、少し浮かんで見れば、確かにそんな色の瓦の建物があった。
「分かった」
タロが戻ってきたら、事情を説明して保護したことにして、彼女達から情報を引き出そうと決意する。
「それでは、私はこれで失礼する」
そうして、タロの捜索に戻った彼女を見送り、俺はディアム達の元へと戻るのだった。
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一応、物騒なことにはならずにすんだ模様。
この後は……また、タロ達のお話に戻る、かなぁ?
それでは、また!
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