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第一章 アルトルム王国の病
第五十六話 セルバス
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服を着た不思議な猫に導かれて連れてこられたのは、王城の一室だった。普段は客間として使われているその部屋に入った瞬間、後ろで扉が閉まる音が聞こえる。
「なっ、やはり罠かっ! 陛下、こちらへっ」
扉が開かないことを確認すると護衛騎士の騎士長が私を囲むように騎士を配置する。
「にゃあ? (バルディス、警戒されているぞ?)」
「あぁ、怪しい者ではない……というには説得力がなさすぎるか」
そして猫が一つ鳴くと、どこに隠れていたのか、二人の真っ黒なフードをかぶった不審者が現れる。
「貴様っ、何者だっ」
素早く剣を向ける護衛騎士達に、不審者二人は顔を見合わせてため息を吐く。
「俺達は、ただ王と姫を助けに来ただけだ」
「私とサリアーシャを? どういう意味だ?」
不審者の不可解な弁明に、私は低い声で問い詰める。
「言葉の通りだ。俺達は、俺達にかけられた冤罪を晴らすためにも、あんたらを助けようとしてるんだ。薬の件に関しても、その一環だ」
『薬の件』と聞き、私は内心、余計に警戒を強める。しかし、ふと、思い出すことがあった。それは……。
「確か、薬師は猫に導かれたと言っていたが、お前達の仕業だったのか?」
「陛下?」
神の遣いである猫に導かれて、薬を手に入れたと聞いた時は、何を馬鹿なと思ったものの、この状況を鑑みればありえないことではないと分かる。それに何よりも、あの猫は、見覚えがある。そう、あの失敗だったとされた勇者召喚の儀で出てきた猫が、あの服を着た白猫ではないだろうか。
「話を聞こう」
「陛下っ!? 危険ですっ」
「ありがたい。それと、俺達は危害を加えるつもりはないと言っておこう」
「っ、賊の言うことなど信じられるかっ」
「信じろとは言わない。剣を向けたままでも構わない。ただ、俺達は俺達のやりたいことを優先するだけだしな」
護衛騎士達と不審者の間では険悪な空気が流れる。しかし、私としては、サリアーシャに危険が迫っているという内容の言葉が聞き捨てならない。もし、その危険というのが本物であるなら、何としてでも対策をしなければならない。
「まずは、この度の病の件……どこまで把握しているか知らないが、ミルテナ帝国による毒の混入が原因だ」
そう言われて、私は思わず息を呑む。毒草に関してはすでに特定を済ませ、騎士達にそれを除去するよう命令を下しているものの、誰が、何のために埋めた毒草なのかまでは判明していなかった。
彼らは、他にも、ミルテナ帝国の作戦が長期に渡るもので、薬となるパクの花が自生しているエルブ山脈に騎士を配していたことや、その中に操られた魔族がおり、ファルシス魔国に冤罪をかけようとしていること。エルブ山脈で我が国の騎士達を撃退した者を退けたことなどを話してくれる。
そして、次に聞かされた内容に、私は心臓が止まる思いをすることになった。
「ミルテナ帝国の目的は、このアルトルム王国を支配すること。そして、今、ミルテナ帝国の間者がこの城で、サリアーシャ姫を唆し、王を殺させようとしている」
私はその話を聞き、彼らがそれを止めようと動いていることを知り、決断する。
「分かった。では、協力を願う。魔族達よ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
セルバス視点、いかがでしたでしょうか?
案外話の分かる王様で、バルディス達もきっとホッとしていることでしょう(笑)
そして……ううむ、やっぱり、中々ファンタジー小説大賞の順位が伸びない。
まだまだ実力不足ですかね。
ともあれ、今後も頑張って書いていきますね。
それでは、また!
「なっ、やはり罠かっ! 陛下、こちらへっ」
扉が開かないことを確認すると護衛騎士の騎士長が私を囲むように騎士を配置する。
「にゃあ? (バルディス、警戒されているぞ?)」
「あぁ、怪しい者ではない……というには説得力がなさすぎるか」
そして猫が一つ鳴くと、どこに隠れていたのか、二人の真っ黒なフードをかぶった不審者が現れる。
「貴様っ、何者だっ」
素早く剣を向ける護衛騎士達に、不審者二人は顔を見合わせてため息を吐く。
「俺達は、ただ王と姫を助けに来ただけだ」
「私とサリアーシャを? どういう意味だ?」
不審者の不可解な弁明に、私は低い声で問い詰める。
「言葉の通りだ。俺達は、俺達にかけられた冤罪を晴らすためにも、あんたらを助けようとしてるんだ。薬の件に関しても、その一環だ」
『薬の件』と聞き、私は内心、余計に警戒を強める。しかし、ふと、思い出すことがあった。それは……。
「確か、薬師は猫に導かれたと言っていたが、お前達の仕業だったのか?」
「陛下?」
神の遣いである猫に導かれて、薬を手に入れたと聞いた時は、何を馬鹿なと思ったものの、この状況を鑑みればありえないことではないと分かる。それに何よりも、あの猫は、見覚えがある。そう、あの失敗だったとされた勇者召喚の儀で出てきた猫が、あの服を着た白猫ではないだろうか。
「話を聞こう」
「陛下っ!? 危険ですっ」
「ありがたい。それと、俺達は危害を加えるつもりはないと言っておこう」
「っ、賊の言うことなど信じられるかっ」
「信じろとは言わない。剣を向けたままでも構わない。ただ、俺達は俺達のやりたいことを優先するだけだしな」
護衛騎士達と不審者の間では険悪な空気が流れる。しかし、私としては、サリアーシャに危険が迫っているという内容の言葉が聞き捨てならない。もし、その危険というのが本物であるなら、何としてでも対策をしなければならない。
「まずは、この度の病の件……どこまで把握しているか知らないが、ミルテナ帝国による毒の混入が原因だ」
そう言われて、私は思わず息を呑む。毒草に関してはすでに特定を済ませ、騎士達にそれを除去するよう命令を下しているものの、誰が、何のために埋めた毒草なのかまでは判明していなかった。
彼らは、他にも、ミルテナ帝国の作戦が長期に渡るもので、薬となるパクの花が自生しているエルブ山脈に騎士を配していたことや、その中に操られた魔族がおり、ファルシス魔国に冤罪をかけようとしていること。エルブ山脈で我が国の騎士達を撃退した者を退けたことなどを話してくれる。
そして、次に聞かされた内容に、私は心臓が止まる思いをすることになった。
「ミルテナ帝国の目的は、このアルトルム王国を支配すること。そして、今、ミルテナ帝国の間者がこの城で、サリアーシャ姫を唆し、王を殺させようとしている」
私はその話を聞き、彼らがそれを止めようと動いていることを知り、決断する。
「分かった。では、協力を願う。魔族達よ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
セルバス視点、いかがでしたでしょうか?
案外話の分かる王様で、バルディス達もきっとホッとしていることでしょう(笑)
そして……ううむ、やっぱり、中々ファンタジー小説大賞の順位が伸びない。
まだまだ実力不足ですかね。
ともあれ、今後も頑張って書いていきますね。
それでは、また!
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