我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第二章 反撃のサナフ教国

第百十五話 捜索

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 リリナに着いていっている途中、我輩、ディアムの姿を見かけて少しだけ、リリナから離れたのだったが……。


「にゃあ(リリナが見つからないのだ)」

「……すまない。猫の言葉、分からない」


 ちなみに、現在、我輩はディアムと一緒に居る。会話が通じないのでどうにもならないが、我輩が誰かを探していることだけは手振り身振りで分かってもらえた……はずだ。いっそのこと、我輩、また『人化』を使おうかとも思ったのだが、何やらここは人間が多いので、やるとしても人気のない場所でしかできそうになかった。


 むむむ、どうしたものか……。


 リリナの姿を捜しながら悩んでいると、ふいに、バルディスから念話が入る。


《タロ。ディアムから通訳を頼まれたんだが、何かあったのか?》


 そうか、その手があったのだっ!


 念話でバルディスに通訳してもらうという手段が使えることを知った我輩は、急いで今の状況を伝える。


《にゃにゃあ(リリナとはぐれてしまって、今捜しているのだっ)》

《……タロ、お前、またマウマウを倒してたとかじゃないだろうな?》

《にゃあっ。にゃーにゃ……にゃあ(違うのだっ。今回は、ディアムを見かけて追いかけたら、はぐれていたのだ……すまないのだ)》


 あらぬ疑いをかけられて反論する我輩だったが、よくよく考えれば結局自分から離れたことに変わりはない。ここは、謝らねばならなかったのだと、我輩、反省して耳を横にして謝る。


《あぁ。とりあえず、ディアムと手分けしてリリナを捜せ。見つけたら俺に連絡してくれれば良いから》

《にゃっ(分かったのだっ)》


 ここでメソメソしてはいられない。我輩、ちゃんと責任を持ってリリナを見つけなければならないのだ。


「俺、捜しに行く。連絡、バルを通じて、頼む」

「にゃっ(分かったのだっ)」


 事情が伝わったらしいディアムにそう告げられ、我輩、ディアムを見送る。そうして、我輩はディアムが去った反対方向に走り出すのだった。







 リリナを捜し始めて十数分。我輩、大変なことに気づいたのだ。

 ………………『探知サーチ』を使えばすぐにリリナを見つけられたのだ。

 そう思って、我輩、早速『探知サーチ』でリリナを捜し、居場所を特定する。


「にゃ(ここから近いのだ)」


 我輩は、素早くリリナの元へと駆ける。早く自分の名誉挽回を行うべく、走る。まさか、そこがミルテナ帝国の騎士達が滞在する詰め所だとは思わないまま……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


リリナを助けに向かった勇者タロ

果たして、間に合うのでしょうか?

また次回もタロ視点でお送りします。

それでは、また!
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