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第二章 反撃のサナフ教国
第百五十二話 クーデター前日(一)
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あの異常な場所に関する調査は、結局、我輩が見たもの以上のことは分からず、迎えに来てくれたディアムとともに帰って、終わりとなった。ディアムとバルディスの見解では、何かを喚び出そうとしているのではないかということではあったが、それが何かは分からなかった。
それに、あの場所にあった良くないものの気配の正体も分からず仕舞いである。何かが居るような気配はしていたのだが、どんなに探しても生きているものは何も居なかった。もしや、怨念が漂っていたのであろうかとも思ったものの、我輩、何も見えなかった。だから、きっと、本当に何も居なかったのだとは思うのだが、どうにも引っ掛かって仕方なかった。
「にゃー(うむむ)」
「そんなに唸ってどうした? タロ? またあの場所のことか?」
「にゃっ。にゃあ(そうなのだっ。どうしても、あの気配が気になるのだ)」
異常な場所から帰ってきて、すでに二日が経っている。つまり、ラーミアとリリナがここを発って一週間が経った計算になる。そんな今、我輩はバルディスとともにルーグ砂漠を歩いていた。
「とはいってもな。ディアムも確認して何も居なかったとなると、本当に何もないとしか言いようがないぞ?」
「にゃあ……(それは分かってはいるのだが……)」
どうしても、腑に落ちない。しかし、このことばかりを考えてもいられなかった。
「バルディスっ。ちょうど良かった! これから話し合いを行うそうなんで、一緒に行きましょう」
「あぁ、良いぞ」
周辺の警備を行っていたはずのジルクが駆け寄ってそう言うと、バルディスは快く返事をする。
ふむ、話し合いなら我輩も一緒に行かなければならないのだろうか?
ひとまずは、邪険にされることもないだろうと、我輩、二人の後を着いていく。幻術で隠されていたドーム群が見えてきて、ここでの生活に慣れてきたレジスタンスの面々をチラホラと見かけるようになってくる。
「ロッダ様。バルディスとタロを連れてきましたよ」
「あぁ、入れ」
ドームの入り口で丁寧に声をかけたジルクは、ロッダの答えに応じて入室する。そして、どうやら、我輩も呼ばれていたのだということが分かり、少しだけホッとする。人間の話は分かりづらいが、それでも除け者にされるのは嫌なのだ。
「呼び出してすまない」
「いや、俺達もちょうど戻るところだったからな」
「にゃー(獲物はしっかり狩ってきたのだ)」
我輩の異空間の中には、今日狩ったばかりのジャイアントスコーピオンが入っている。我輩達は、このレジスタンスの食料調達をしていたというわけだ。
ロッダとノルディが椅子に腰掛けている様子に、バルディスとジルクも同様に席に着き、話し合いが始まる。
「それで、決まったのか?」
「……あぁ」
否。話し合いではなかった。それは……。
「明日、クーデターを決行する」
決定事項の通達だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
セイクリア教国からの援軍を待たずしての決行。
はてさて、クーデターは上手くいくのでしょうかね?
そして、すみませんが、明日は更新できそうにないので、次の更新は明後日となります。
それでは、また!
それに、あの場所にあった良くないものの気配の正体も分からず仕舞いである。何かが居るような気配はしていたのだが、どんなに探しても生きているものは何も居なかった。もしや、怨念が漂っていたのであろうかとも思ったものの、我輩、何も見えなかった。だから、きっと、本当に何も居なかったのだとは思うのだが、どうにも引っ掛かって仕方なかった。
「にゃー(うむむ)」
「そんなに唸ってどうした? タロ? またあの場所のことか?」
「にゃっ。にゃあ(そうなのだっ。どうしても、あの気配が気になるのだ)」
異常な場所から帰ってきて、すでに二日が経っている。つまり、ラーミアとリリナがここを発って一週間が経った計算になる。そんな今、我輩はバルディスとともにルーグ砂漠を歩いていた。
「とはいってもな。ディアムも確認して何も居なかったとなると、本当に何もないとしか言いようがないぞ?」
「にゃあ……(それは分かってはいるのだが……)」
どうしても、腑に落ちない。しかし、このことばかりを考えてもいられなかった。
「バルディスっ。ちょうど良かった! これから話し合いを行うそうなんで、一緒に行きましょう」
「あぁ、良いぞ」
周辺の警備を行っていたはずのジルクが駆け寄ってそう言うと、バルディスは快く返事をする。
ふむ、話し合いなら我輩も一緒に行かなければならないのだろうか?
ひとまずは、邪険にされることもないだろうと、我輩、二人の後を着いていく。幻術で隠されていたドーム群が見えてきて、ここでの生活に慣れてきたレジスタンスの面々をチラホラと見かけるようになってくる。
「ロッダ様。バルディスとタロを連れてきましたよ」
「あぁ、入れ」
ドームの入り口で丁寧に声をかけたジルクは、ロッダの答えに応じて入室する。そして、どうやら、我輩も呼ばれていたのだということが分かり、少しだけホッとする。人間の話は分かりづらいが、それでも除け者にされるのは嫌なのだ。
「呼び出してすまない」
「いや、俺達もちょうど戻るところだったからな」
「にゃー(獲物はしっかり狩ってきたのだ)」
我輩の異空間の中には、今日狩ったばかりのジャイアントスコーピオンが入っている。我輩達は、このレジスタンスの食料調達をしていたというわけだ。
ロッダとノルディが椅子に腰掛けている様子に、バルディスとジルクも同様に席に着き、話し合いが始まる。
「それで、決まったのか?」
「……あぁ」
否。話し合いではなかった。それは……。
「明日、クーデターを決行する」
決定事項の通達だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
セイクリア教国からの援軍を待たずしての決行。
はてさて、クーデターは上手くいくのでしょうかね?
そして、すみませんが、明日は更新できそうにないので、次の更新は明後日となります。
それでは、また!
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