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第二章 反撃のサナフ教国
第百五十七話 クーデター当日(四)
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バルディス達が我輩を除け者にした話し合いから帰ってきてすぐ、我輩、作戦のため、ディアムとともに騎士達の詰め所の近くへと潜むこととなっていた。ちなみに、我輩、ここに来る前に、なぜかバルディスから『余計なことはするなよ? 絶対、絶対だぞ?』と強く、強く念を押されていた。
……我輩、そんなに信用がないのであろうか?
あまりにも必死なバルディスの様子に不満を覚えつつも、我輩、今は目の前のことに集中しなければと思考を切り替える。今回の作戦は、一発勝負だ。失敗は許されない。
騎士達の巡回をやり過ごし、我輩達は、この辺りでは少し拓けた場所へと移動する。ディアムの話では、そこは騎士達の訓練に使われる訓練場のような場所らしかったが、今回はここが我輩達にとって都合の良い場所となる。
ポンポンと我輩の背を叩くディアムの合図で、我輩はその場所へと、何度も練習した一つの巨大な幻影を生み出す。
漆黒の鱗に包まれた災厄の竜。赤い瞳を煌めかせた巨体の竜。いつだったか、飼い主に見せてもらった『あにめ』とやらに出てきたものの中で、最も厳つく、格好いいと思えた竜を、我輩、再現する。
《『サポートシステム』起動します。これより、音魔法による『音波攻撃(咆哮)』を出力三百パーセントで行います。また、結界魔法による『防音結界』の同時展開も行います。サポートは必要ですか?
はい/いいえ 》
『はい』なのだっ!
あらかじめそう準備をしていたサポートシステムの言葉に対して、心の中で答え、我輩は、その幻影を作り出すと同時に『音波攻撃(咆哮)』と『防音結界』の魔法を使う。そして……。
「グォオォォォォオンッ!!!」
夜闇を切り裂く咆哮が上がった。
「にゃおぉっ(み、耳がぁっ)」
全く聞こえないのも問題だということで、『防音結界』を少し弱めたのは不味かったかもしれない。我輩、自分でやっておきながら、その『音波攻撃(咆哮)』に目を回す。ただ、我輩の生み出した幻影の効果は抜群だった。
静かだったはずの詰め所は、すぐさま蜂の巣をつついたような騒ぎに包まれる。ただ、我輩が生み出した竜の幻影を見てしまった者達だけは、言葉を失い、震えていたが……。
我輩、竜の幻影を守るようにして結界を張ると、次は合図のためにもう一度『音波攻撃(咆哮)』を使う。
「ギュオォォォォオッ!!」
その直後、レジスタンス、及び、セイクリア教国からの聖騎士達が奇襲をかけるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっと、襲撃の裏側を書けました。
これで、あともうちょっとでこの『反撃のサナフ教国』は終わりになる……はず?
次のタイトルは、ちょっとまだ迷っていますので、お楽しみにということでっ。
それでは、また!
……我輩、そんなに信用がないのであろうか?
あまりにも必死なバルディスの様子に不満を覚えつつも、我輩、今は目の前のことに集中しなければと思考を切り替える。今回の作戦は、一発勝負だ。失敗は許されない。
騎士達の巡回をやり過ごし、我輩達は、この辺りでは少し拓けた場所へと移動する。ディアムの話では、そこは騎士達の訓練に使われる訓練場のような場所らしかったが、今回はここが我輩達にとって都合の良い場所となる。
ポンポンと我輩の背を叩くディアムの合図で、我輩はその場所へと、何度も練習した一つの巨大な幻影を生み出す。
漆黒の鱗に包まれた災厄の竜。赤い瞳を煌めかせた巨体の竜。いつだったか、飼い主に見せてもらった『あにめ』とやらに出てきたものの中で、最も厳つく、格好いいと思えた竜を、我輩、再現する。
《『サポートシステム』起動します。これより、音魔法による『音波攻撃(咆哮)』を出力三百パーセントで行います。また、結界魔法による『防音結界』の同時展開も行います。サポートは必要ですか?
はい/いいえ 》
『はい』なのだっ!
あらかじめそう準備をしていたサポートシステムの言葉に対して、心の中で答え、我輩は、その幻影を作り出すと同時に『音波攻撃(咆哮)』と『防音結界』の魔法を使う。そして……。
「グォオォォォォオンッ!!!」
夜闇を切り裂く咆哮が上がった。
「にゃおぉっ(み、耳がぁっ)」
全く聞こえないのも問題だということで、『防音結界』を少し弱めたのは不味かったかもしれない。我輩、自分でやっておきながら、その『音波攻撃(咆哮)』に目を回す。ただ、我輩の生み出した幻影の効果は抜群だった。
静かだったはずの詰め所は、すぐさま蜂の巣をつついたような騒ぎに包まれる。ただ、我輩が生み出した竜の幻影を見てしまった者達だけは、言葉を失い、震えていたが……。
我輩、竜の幻影を守るようにして結界を張ると、次は合図のためにもう一度『音波攻撃(咆哮)』を使う。
「ギュオォォォォオッ!!」
その直後、レジスタンス、及び、セイクリア教国からの聖騎士達が奇襲をかけるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっと、襲撃の裏側を書けました。
これで、あともうちょっとでこの『反撃のサナフ教国』は終わりになる……はず?
次のタイトルは、ちょっとまだ迷っていますので、お楽しみにということでっ。
それでは、また!
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