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第一章 穴
穴① 自覚
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私がそれに興奮したのは小2の夏休みだった。
夏休みの夜。確か夜中の1時頃。
私は田舎のおばあちゃん家にお泊まりに来ていた。
いつもは夜更かし厳禁の夜9時に消灯だが、
夏休みは特別だった。
隣の布団でおばあちゃんが眠るの中、私は1人テレビをつけてひっそりと見ていた。
真っ暗な部屋。テレビの明かり。
物音一つない静かな畳の寝室。
音を出すとおばあちゃんを起こしてしまうので、
消音モードにして。
普段だったら絶対お母さんに怒られる。
なんだが悪いことをしているような、心臓がドキドキと波打ち、でも楽しいようなスリルがあった。
テレビは深夜のバラエティ番組がやっていた。
お笑い芸人と、あまり売れていない駆け出しの
アイドルとのコラボ番組だった。
あ!このお笑い芸人知ってる。
パンツ一丁になって開脚をして、カエルのマネ~が持ち前のギャグの人だ。
クラスの男子がモノマネをして、お母さん達からモノマネ禁止令も出たっけ。
下品な人が出ている、お母さんに見ている事がバレたらきっと怒られるだろう。
私は息を潜め静かに見ていた。
深夜のバラエティ番組は、今回はドッキリを放送していた。
内容は売れていないアイドルのお姉さんが、ゾンビに追いかけられるというものだった。
そして、逃げた先に透明の壁があり、お姉さんは気が付かずにぶつかる、までがセット。
しかし、お姉さんは明らかに後ろから追いかけてくるゾンビが本物じゃないって事をわかっているし、大袈裟に手を振りながら、胸も上下に揺らし、ぶりっ子走りをしている。
ドッキリなんてくだらない。
何が面白いのだろう、ちょっとませた気になって冷めた目で見ていた。
しかし次の瞬間――
ドン!!!!お姉さんの顔が壁にぶつかった。
お姉さんの綺麗な高い鼻が、壁にぶつかった衝撃で豚鼻になり広がって丸見えになっていた。
なんて痛々しい表情と、間抜けな姿なんだろう。
だけど私はその時、とてつもなく興奮した。
なんで……鼻の穴が丸見えなのに、下品な姿なのに。私だったらあんな姿大勢の人に見られたくない。泣いてしまう。だけど、綺麗な鼻が崩れて広がった鼻の穴と、間抜けな姿を人前で見られる事に、私は全身の血が沸騰したかのように体が熱くなった。
そしてさらに、テレビの中のお姉さんは、ネタばらしに来たパンツ一丁の下品なお笑い芸人に鼻の穴の中に指を突っ込まれた。お姉さんの小さな鼻の穴の中に、指毛の生えたゴツイ人差し指と中指が入る。
「痛い……!!!ちょっと、ちょっ、やめてください!!!」
お姉さんは鼻にぶつかった痛みと、鼻の穴に指を入れられている不快感から目に大量の涙が流れる。
痛そう。きっとこの表情は演技じゃない。
指の異物感と不快感が凄い事だろう。
だけど、私は猛烈に真似してみたくなった。
鼻の穴に指を突っ込んで、豚鼻になる。
下品だ。汚い。あまり良くないことだ。
お母さんに女の子がやめなさい!って怒られる。
でも、もう欲求と小さな探究心は抑えられない。
自分の鼻の穴に指を突っ込んだ。
あぁ、気持ち悪い。今すぐ外さなきゃ。
鼻水で少し湿っているし、汚い。
だけど……だけど息を吸う自由を奪われたこの感覚と、汚い下品なことをしている背徳感。
テレビのお姉さんと同じ涙が出てくる。
そう、私はこの時覚えたのだ。鼻の穴がわたしのフェチズムであると。
夏休みの夜。確か夜中の1時頃。
私は田舎のおばあちゃん家にお泊まりに来ていた。
いつもは夜更かし厳禁の夜9時に消灯だが、
夏休みは特別だった。
隣の布団でおばあちゃんが眠るの中、私は1人テレビをつけてひっそりと見ていた。
真っ暗な部屋。テレビの明かり。
物音一つない静かな畳の寝室。
音を出すとおばあちゃんを起こしてしまうので、
消音モードにして。
普段だったら絶対お母さんに怒られる。
なんだが悪いことをしているような、心臓がドキドキと波打ち、でも楽しいようなスリルがあった。
テレビは深夜のバラエティ番組がやっていた。
お笑い芸人と、あまり売れていない駆け出しの
アイドルとのコラボ番組だった。
あ!このお笑い芸人知ってる。
パンツ一丁になって開脚をして、カエルのマネ~が持ち前のギャグの人だ。
クラスの男子がモノマネをして、お母さん達からモノマネ禁止令も出たっけ。
下品な人が出ている、お母さんに見ている事がバレたらきっと怒られるだろう。
私は息を潜め静かに見ていた。
深夜のバラエティ番組は、今回はドッキリを放送していた。
内容は売れていないアイドルのお姉さんが、ゾンビに追いかけられるというものだった。
そして、逃げた先に透明の壁があり、お姉さんは気が付かずにぶつかる、までがセット。
しかし、お姉さんは明らかに後ろから追いかけてくるゾンビが本物じゃないって事をわかっているし、大袈裟に手を振りながら、胸も上下に揺らし、ぶりっ子走りをしている。
ドッキリなんてくだらない。
何が面白いのだろう、ちょっとませた気になって冷めた目で見ていた。
しかし次の瞬間――
ドン!!!!お姉さんの顔が壁にぶつかった。
お姉さんの綺麗な高い鼻が、壁にぶつかった衝撃で豚鼻になり広がって丸見えになっていた。
なんて痛々しい表情と、間抜けな姿なんだろう。
だけど私はその時、とてつもなく興奮した。
なんで……鼻の穴が丸見えなのに、下品な姿なのに。私だったらあんな姿大勢の人に見られたくない。泣いてしまう。だけど、綺麗な鼻が崩れて広がった鼻の穴と、間抜けな姿を人前で見られる事に、私は全身の血が沸騰したかのように体が熱くなった。
そしてさらに、テレビの中のお姉さんは、ネタばらしに来たパンツ一丁の下品なお笑い芸人に鼻の穴の中に指を突っ込まれた。お姉さんの小さな鼻の穴の中に、指毛の生えたゴツイ人差し指と中指が入る。
「痛い……!!!ちょっと、ちょっ、やめてください!!!」
お姉さんは鼻にぶつかった痛みと、鼻の穴に指を入れられている不快感から目に大量の涙が流れる。
痛そう。きっとこの表情は演技じゃない。
指の異物感と不快感が凄い事だろう。
だけど、私は猛烈に真似してみたくなった。
鼻の穴に指を突っ込んで、豚鼻になる。
下品だ。汚い。あまり良くないことだ。
お母さんに女の子がやめなさい!って怒られる。
でも、もう欲求と小さな探究心は抑えられない。
自分の鼻の穴に指を突っ込んだ。
あぁ、気持ち悪い。今すぐ外さなきゃ。
鼻水で少し湿っているし、汚い。
だけど……だけど息を吸う自由を奪われたこの感覚と、汚い下品なことをしている背徳感。
テレビのお姉さんと同じ涙が出てくる。
そう、私はこの時覚えたのだ。鼻の穴がわたしのフェチズムであると。
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