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3.グレイグ・リヒテル・ド・ドーシア
教えてやろう
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婚約者の真の顔を知ったグレイグは、衝撃のあまり帰宅と同時に倒れ込み、熱を出して数日寝込んだ。
グレイグ好みの淑女と思っていたのは、すべて見せかけだった。
だがどれほど腹立たしかろうと、それを理由に「あんな女と結婚したくない」などと言い出そうものなら、責められるのは自分のほうだということもわかっている。
イルギアス国では男も女も性行為に対し開放的な考えが多数派で、
(あんな破廉恥な女だったとは! これだから他国から、「イルギアス人は享楽的」と白い目で見られるんだ!)
なんて腹を立てるグレイグのほうが少数派なのだから。
特に貴族は、親が決めた結婚に従うことが多いため、アレクサンドラが言っていた通り、跡継ぎを確保する義務を果たしたあとは互いに愛人をつくるのも珍しくない。
もちろん互いに一途な仲睦まじい夫婦も、浮気を許さず修羅場になる夫婦もいるけれど。
アレクサンドラはなぜか、グレイグも「愛人容認派」と考えているようだった。
(どうしてこうなった)
熱にうなされながら何度も考えた。
数日前まで、前途洋洋。自分の人生には一点の曇りも無いと信じていたのに。
もうアレクサンドラとは会いたくない。
できることなら婚約も解消したい。
――だが最も憎たらしいのは。
シュナイゼ、レダリオ、そしてリーリウス王子。
ヤリチン代表の彼らのせいで、グレイグはひどい屈辱を味わわされている。
寝台の天蓋を睨みながら、グレイグはひとりメラメラと怒りを燃やしていた。
☆ ★ ☆
「――で、我らが悪い、と?」
「その通りです!」
リーリウスが手渡したハンカチを引ったくって鼻をかみながら、グレイグが眦を吊り上げる。
(つまり……ただの八つ当たり)
レダリオに噛みついたのも同じ理由だろう。
あまりの単純明快っぷりに思わず吹き出しかけたが、怒らせる前に咳払いでごまかした。
それからグレイグの両肩に手を置き、真剣な表情で語りかける。
「グレイグ。そなたは自身のことをまるでわかっていない」
「え?」
「そなたの怒りの一番の要因は、そなた自身だ」
「……はああ!?」
今まで泣いていたくせに、一瞬で怒りの導火線に火がついた。
「ひらき直りですか!?」
リーリウスは「やれやれ」と肩をすくめる。
「いちいち腹を立てずによくお聞き。よいか。まずそなたが寝込むほどショックを受けたのは、婚約者が原因だ」
「……あんな破廉恥女と知らずに騙されたのは、確かにショックでした」
「と言うより、本当にショックだったのは、彼女が性経験豊富な事実であろう」
途端、ひくっとグレイグの口元が歪んだが、本人は平静を装って「同じことでしょう」と語気を強める。
リーリウスはチチチと人差し指を振った。
「まったく違う。そなたは性経験の無い相手を望んでいたのだ。それなら自分の性技の未熟さを知られず済むだろうからね。つまりそなたは、童貞であろう」
ボッと火を噴く音が聞こえそうなほど、グレイグの顔が真っ赤になった。
急に汗をかいて、肩に乗せられたリーリウスの手を振り払う。
「そっ、そんなわけないでしょう! 男も女も群がってくる、この僕が!」
「見栄っ張りな上に弱みを見せたくない性格が仇となり、初体験の機会を逸したまま今に至るというところか」
「違うというのに!」
バレバレの否定を主張し騒いでいるが、苦笑したリーリウスが
「いま認めないと、この先ずっと、しんどいぞ」
静かに言うと、うっと口をつぐんだ。
その白金の髪をサラサラ梳いてやる。
実のところグレイグは、リーリウスの『運命の人』とよく似たところもある。
このサラサラした髪質とか、身長とか。
だが話を聞く前から、別人とわかっていた。
わかっていたが、会っておく必要があった。
「婚約者にヘタクソだと思われて、それを言いふらされでもしたら立ち直れない。だから婚約解消して逃げたいが、それは難しい。焦燥が募って、怒りの原因を他人に転嫁したのだろう。しかし、それでは何の解決にもならぬぞ」
悔しそうにうつむいた青年に、「なぜ娼館を利用しないのだ」と尋ねた。
「高級娼館なら秘密厳守で、喜んで手取り足取り教えてくれたろうに」
「……娼婦など僕に相応しくない! 恥を知るべきだ!」
これにはさすがにリーリウスも呆れたが、この偏狭な考え方は父親に刷り込まれたせいなのだと思えば、憐れでもある。
(ここらで、別の扉もひらかせておくほうが良いだろう)
リーリウスは内心にんまり笑いつつ、表情には怒りと侮蔑をにじませた。
「恥ずかしいのは、そなたのほうであろう」
「な、なぜです!」
「そなた、ここへ来た目的を忘れているな」
「あ」
「謝罪ひとつまともにできない自分を、まず恥じなさい」
「くっ……」
唇を噛みしめながらも、優しく接していたリーリウスを再び怒らせた自覚はあるようで、今度は素直に頭を下げた。
「……申しわけありません」
「よし。では、そこに跪きなさい」
「はあーっ!?」
グレイグがガバッと顔を上げる。
リーリウスは執務机に腰かけ、脚を組んで、「『はあーっ!?』とはなんだ」とため息をついた。
「謝罪の仕方はまだまだだけれど、本心を打ち明けてくれたことを愛でて、今のそなたに一番必要なことを教えてやろうというのに」
「ひ、必要なこと、って……」
「決まっておろう。セックスだ」
「セッ!」
グレイグの青い目が、限界までひらかれた。
「なっ、何言っ、ふ、ふざけ」
「断るのはそなたの自由。またひとりで悶々と悩むが良い」
「ほ……本当に、噂通り破廉恥な方ですね!」
林檎みたいに真っ赤になって肩を怒らせるが、無言で見つめると、視線を泳がせ静かになった。その頬に手を当てて、こちらを向かせる。
「教わりたいと望むなら、素直な生徒になる証に、そこに跪いて教えを請いなさい」
グレイグはきつい目つきで震えていたが、やがてよろめくように跪いた。
「教えて……ください」
「何を」
「……セックス……を」
「よろしい。では、今すぐ裸になりなさい」
「いっ、今すぐーっ!?」
グレイグ好みの淑女と思っていたのは、すべて見せかけだった。
だがどれほど腹立たしかろうと、それを理由に「あんな女と結婚したくない」などと言い出そうものなら、責められるのは自分のほうだということもわかっている。
イルギアス国では男も女も性行為に対し開放的な考えが多数派で、
(あんな破廉恥な女だったとは! これだから他国から、「イルギアス人は享楽的」と白い目で見られるんだ!)
なんて腹を立てるグレイグのほうが少数派なのだから。
特に貴族は、親が決めた結婚に従うことが多いため、アレクサンドラが言っていた通り、跡継ぎを確保する義務を果たしたあとは互いに愛人をつくるのも珍しくない。
もちろん互いに一途な仲睦まじい夫婦も、浮気を許さず修羅場になる夫婦もいるけれど。
アレクサンドラはなぜか、グレイグも「愛人容認派」と考えているようだった。
(どうしてこうなった)
熱にうなされながら何度も考えた。
数日前まで、前途洋洋。自分の人生には一点の曇りも無いと信じていたのに。
もうアレクサンドラとは会いたくない。
できることなら婚約も解消したい。
――だが最も憎たらしいのは。
シュナイゼ、レダリオ、そしてリーリウス王子。
ヤリチン代表の彼らのせいで、グレイグはひどい屈辱を味わわされている。
寝台の天蓋を睨みながら、グレイグはひとりメラメラと怒りを燃やしていた。
☆ ★ ☆
「――で、我らが悪い、と?」
「その通りです!」
リーリウスが手渡したハンカチを引ったくって鼻をかみながら、グレイグが眦を吊り上げる。
(つまり……ただの八つ当たり)
レダリオに噛みついたのも同じ理由だろう。
あまりの単純明快っぷりに思わず吹き出しかけたが、怒らせる前に咳払いでごまかした。
それからグレイグの両肩に手を置き、真剣な表情で語りかける。
「グレイグ。そなたは自身のことをまるでわかっていない」
「え?」
「そなたの怒りの一番の要因は、そなた自身だ」
「……はああ!?」
今まで泣いていたくせに、一瞬で怒りの導火線に火がついた。
「ひらき直りですか!?」
リーリウスは「やれやれ」と肩をすくめる。
「いちいち腹を立てずによくお聞き。よいか。まずそなたが寝込むほどショックを受けたのは、婚約者が原因だ」
「……あんな破廉恥女と知らずに騙されたのは、確かにショックでした」
「と言うより、本当にショックだったのは、彼女が性経験豊富な事実であろう」
途端、ひくっとグレイグの口元が歪んだが、本人は平静を装って「同じことでしょう」と語気を強める。
リーリウスはチチチと人差し指を振った。
「まったく違う。そなたは性経験の無い相手を望んでいたのだ。それなら自分の性技の未熟さを知られず済むだろうからね。つまりそなたは、童貞であろう」
ボッと火を噴く音が聞こえそうなほど、グレイグの顔が真っ赤になった。
急に汗をかいて、肩に乗せられたリーリウスの手を振り払う。
「そっ、そんなわけないでしょう! 男も女も群がってくる、この僕が!」
「見栄っ張りな上に弱みを見せたくない性格が仇となり、初体験の機会を逸したまま今に至るというところか」
「違うというのに!」
バレバレの否定を主張し騒いでいるが、苦笑したリーリウスが
「いま認めないと、この先ずっと、しんどいぞ」
静かに言うと、うっと口をつぐんだ。
その白金の髪をサラサラ梳いてやる。
実のところグレイグは、リーリウスの『運命の人』とよく似たところもある。
このサラサラした髪質とか、身長とか。
だが話を聞く前から、別人とわかっていた。
わかっていたが、会っておく必要があった。
「婚約者にヘタクソだと思われて、それを言いふらされでもしたら立ち直れない。だから婚約解消して逃げたいが、それは難しい。焦燥が募って、怒りの原因を他人に転嫁したのだろう。しかし、それでは何の解決にもならぬぞ」
悔しそうにうつむいた青年に、「なぜ娼館を利用しないのだ」と尋ねた。
「高級娼館なら秘密厳守で、喜んで手取り足取り教えてくれたろうに」
「……娼婦など僕に相応しくない! 恥を知るべきだ!」
これにはさすがにリーリウスも呆れたが、この偏狭な考え方は父親に刷り込まれたせいなのだと思えば、憐れでもある。
(ここらで、別の扉もひらかせておくほうが良いだろう)
リーリウスは内心にんまり笑いつつ、表情には怒りと侮蔑をにじませた。
「恥ずかしいのは、そなたのほうであろう」
「な、なぜです!」
「そなた、ここへ来た目的を忘れているな」
「あ」
「謝罪ひとつまともにできない自分を、まず恥じなさい」
「くっ……」
唇を噛みしめながらも、優しく接していたリーリウスを再び怒らせた自覚はあるようで、今度は素直に頭を下げた。
「……申しわけありません」
「よし。では、そこに跪きなさい」
「はあーっ!?」
グレイグがガバッと顔を上げる。
リーリウスは執務机に腰かけ、脚を組んで、「『はあーっ!?』とはなんだ」とため息をついた。
「謝罪の仕方はまだまだだけれど、本心を打ち明けてくれたことを愛でて、今のそなたに一番必要なことを教えてやろうというのに」
「ひ、必要なこと、って……」
「決まっておろう。セックスだ」
「セッ!」
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林檎みたいに真っ赤になって肩を怒らせるが、無言で見つめると、視線を泳がせ静かになった。その頬に手を当てて、こちらを向かせる。
「教わりたいと望むなら、素直な生徒になる証に、そこに跪いて教えを請いなさい」
グレイグはきつい目つきで震えていたが、やがてよろめくように跪いた。
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