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第2話 王子の好感度を下げる簡単なお仕事(のはず)
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翌朝。
豪華な天蓋付きベッドの中で、私は最高の目覚めを迎えていた。
(ああ……最高。満員電車がない。無能な上司からの『至急確認』という名のゴミチャットも飛んでこない)
窓から差し込む朝日は、前世のワンルームマンションで見ていた「絶望の光」とは質が違う。
これが異世界の公爵家クオリティか。
「お嬢様、お目覚めですか? お着替えの準備ができております」
扉の向こうから、ソフィの控えめな声が聞こえる。
「ええ、入ってちょうだい」
私は「微笑みの聖女」モードの仮面を被り、ベッドから体を起こした。
鏡に映る自分は、今日も今日とて神々しいまでに美しい。
だが、この美貌は「王家の看板娘」という激務に私を縛り付けるための呪いでもある。
(早く……早くこの看板を下ろして、田舎で魔法通信三昧の配当生活を送りたい)
着替えをしながら、私はソフィにそれとなく探りを入れた。
「ねえ、ソフィ。私……最近、自分が王妃という重責に耐えられるか不安なの」
「何を仰るのですか、お嬢様! 昨日の凛としたお姿、王太子殿下もいたく感動しておられましたよ!」
(だろうね。それが計算ミスだったんだっての)
「私、もっと『自分に素直に』生きてみようと思うの。例えば、欲しいものを欲しいと言い、嫌なものは嫌と言う。そんな風にね」
「まあ! 素晴らしいですわ! 本音で生きるお嬢様、きっと素敵です!」
ソフィのキラキラした瞳。 純粋無垢な応援。
(よし、メイドの理解は得られた。今日から本格的に『嫌われ作戦』を開始するわよ)
◇
その日の午後。
私は王宮の広大な庭園にいた。
向かいには、今日も黄金のオーラを振りまいている王太子アルフォンス。
「リゼット、体調はもう良いのかい? 無理をさせていないかな」
「ええ、殿下。むしろ気分は爽快ですわ」
(これからお前の好感度をボロ雑巾のように空売りすると思うと、ワクワクして止まらないわ)
私たちは色とりどりの花が咲き誇る庭園を歩く。
アルフォンスが足を止めたのは、庭園の象徴とも言える巨大な噴水の前だった。
曾祖父が作らせたというその噴水は、精緻な彫刻が施され、太陽の光を受けて宝石のように輝いている。
「見てくれ、リゼット。この噴水の彫刻は、この国の平和を象徴しているんだ。美しいだろう?」
キタ。
絶好の「嫌われチャンス」だ。
私は翡翠色の瞳を細め、噴水をじろじろと品定めするように見つめた。
そして、わざとらしく深いため息をつく。
「……殿下。美しさは認めますが、あまりにも非効率的(コスパ最悪)ですわね」
「……え?」
アルフォンスの動きが止まる。
よし、いい反応だ。ここから畳み掛ける。
「この噴水、稼働させるための維持費に年間どれほどかかっていますの? 彫刻の清掃費、水質の管理費。減価償却費を考えても、この国政におけるROI(投資収益率)はマイナスですわ」
「アール、オー……なんだい?」
「要するに、金の無駄ですわ。こんな見栄のためだけの施設、すぐにでも壊して、もっと利回りの良い事業に回すべきです」
私は、冷徹な女投資家の顔で言い放った。
(どうだ! 夢のない女だろ? 先祖の遺産を『金の無駄』とか言っちゃう最低な女だろ? さあ、ドン引きして婚約解消の準備を始めろ!)
だが、数秒の沈黙の後。
アルフォンスの瞳が、なぜか潤み始めた。
「リゼット……! 君という人は……!」
「……はい?」
「君は、そんなにも国の財政を心配してくれていたのか! 確かにこの噴水は、民の税によって維持されている。君は、その重みを誰よりも理解しているんだね」
(は……? いや、ただの資産管理の話なんだけど)
「曾祖父の遺産という『情』に流されず、未来の国益という『理』を優先する。……ああ、なんという慈悲深さ。君のような王妃がいれば、この国の財政は安泰だよ!」
「………………は?」
アルフォンスが私の手を取り、熱っぽく握りしめる。
(おい、お前の脳内フィルター、不純物取り除きすぎて機能してないんじゃないの? どこをどう読んだら『慈悲深い』になるわけ?)
期待値、大幅上昇。 嫌われ作戦、大失敗。
◇
ティータイムに移っても、私の不運は続いた。
高級な茶葉の香りが漂う中、私は最後のカードを切ることにした。
「守銭奴(金の亡者)」アピールだ。
私はバッグから、自作の「計算盤(アバカス的な魔法具)」を取り出した。
「殿下、ティータイムも結構ですが、私は今、エルデンバッハ商会の株価チェックで忙しいんですの。ふふふ、また一〇%も値上がりしていますわ。笑いが止まりませんこと」
「……株価、かい?」
「ええ。資産が増える数字を見るのが、私の唯一の快楽なんです。殿下との会話よりも、この複利計算の推移を見ている方が、ずっと『期待値』が高いですわ」
(よし。これだ。「男より金」という最低な女の典型。これで完璧に嫌われるはず)
私は計算盤の数字を見つめ、あえてゲスい笑みを浮かべてみせた。
しかし、アルフォンスの背後に控えていた侍従たちが、ざわざわと囁き始める。
「聞いたか? リゼット様はエルデンバッハ商会の経営にも関わっておられるのか……」
「あの商会、最近の流通改革で急成長している。あれはリゼット様の知略だったのか!」
「王太子妃が経済に明るいとは、なんと心強い……」
(違う! 違うの! 私はただ、自分の懐を温めたいだけの強欲女なのよ!)
アルフォンスに至っては、もはや崇拝に近い眼差しで私を見つめている。
「リゼット……君は、私と結婚した後も、王家の家計を支えてくれるつもりなんだね。私のような無学な男を助け、共に国を豊かにしようという、君の献身……。私は、なんて幸せ者なんだ」
(〇ね! 誰が献身だ! 複利の奴隷って呼べよ!)
「ああ、そうだ。この後、陛下に君の素晴らしい経済感覚について報告してくるよ。きっと父上も喜ばれる!」
「待って! 殿下! それは……!」
私の制止も虚しく、王子はキラキラした笑顔で去っていった。
(終わった……。エグジット戦略が、一転して合併(M&A)の強化案件に変わっちゃった……)
◇
夕暮れ時。
自室に戻った私は、魂が抜けたようにソファに沈んでいた。
「……ソフィ」
「はい、お嬢様! 今日のデートも大成功だったようですね! 王宮中の噂になっておりますわよ。リゼット様こそが『王国の救世主』であると!」
「…………もういいわ、寝かせて。私のメンタルがロスカット基準を超えたわ」
(なんで……なんでこうなるの。前世でもそうだった)
(有能なふりをしてる無能をバカにしたら、『君はストイックで素晴らしい!』と評価され、余計な仕事を押し付けられた)
(結局、異世界に行っても私は『有能の呪い』から逃げられないわけ?)
その時。
激しく扉が叩かれた。
「リゼット嬢! 失礼する!」
現れたのは、王室の使者だ。
その顔は、いつになく緊張に満ちている。
「リゼット様、国王陛下がお呼びです」
(……国王? 王子じゃなくて?)
「陛下は仰いました。『我が国の財政難を解決する光が、エルデンバッハ家に見つかった。今すぐ経済顧問として参内せよ』と!」
私は、手に持っていた高級茶器を落としそうになった。
(顧問……? 仕事……?)
(不労所得どこいったあああああああ!!)
私の脳内計算機が、激しく警告音を鳴らす。
【警告:責任の増大を検知】
【分析:自由時間の消失確率……九八%】
【期待値:絶望】
「リゼット様、お急ぎを!」
私は、ひきつった「微笑みの聖女」の顔で立ち上がった。
(ああ……計算ミス。またしても、致命的な計算ミスですわ……!)
不労所得で生きたいネットワーカー、リゼット。
婚約破棄を狙ったはずが、国家の「頭脳」として外堀を埋められ始める。
隠居への道は、さらに一万キロ遠ざかった。
次回予告
「リゼット嬢、君にこの国の財務状況をすべて開示しよう。好きに改革してくれ」
「(……めんどくせぇ。マジで帰りてぇ)」
「おそれながら……関税を一律五%引き下げれば、消費が促進され……(あ、これ前世の教科書のパクリだわ)」
「「「「おおおおお!! 賢者様だ!!」」」」
次回、第3話「前世スキルが裏目に出る件」
だから、私はただダラダラしたいだけなんですってば!
豪華な天蓋付きベッドの中で、私は最高の目覚めを迎えていた。
(ああ……最高。満員電車がない。無能な上司からの『至急確認』という名のゴミチャットも飛んでこない)
窓から差し込む朝日は、前世のワンルームマンションで見ていた「絶望の光」とは質が違う。
これが異世界の公爵家クオリティか。
「お嬢様、お目覚めですか? お着替えの準備ができております」
扉の向こうから、ソフィの控えめな声が聞こえる。
「ええ、入ってちょうだい」
私は「微笑みの聖女」モードの仮面を被り、ベッドから体を起こした。
鏡に映る自分は、今日も今日とて神々しいまでに美しい。
だが、この美貌は「王家の看板娘」という激務に私を縛り付けるための呪いでもある。
(早く……早くこの看板を下ろして、田舎で魔法通信三昧の配当生活を送りたい)
着替えをしながら、私はソフィにそれとなく探りを入れた。
「ねえ、ソフィ。私……最近、自分が王妃という重責に耐えられるか不安なの」
「何を仰るのですか、お嬢様! 昨日の凛としたお姿、王太子殿下もいたく感動しておられましたよ!」
(だろうね。それが計算ミスだったんだっての)
「私、もっと『自分に素直に』生きてみようと思うの。例えば、欲しいものを欲しいと言い、嫌なものは嫌と言う。そんな風にね」
「まあ! 素晴らしいですわ! 本音で生きるお嬢様、きっと素敵です!」
ソフィのキラキラした瞳。 純粋無垢な応援。
(よし、メイドの理解は得られた。今日から本格的に『嫌われ作戦』を開始するわよ)
◇
その日の午後。
私は王宮の広大な庭園にいた。
向かいには、今日も黄金のオーラを振りまいている王太子アルフォンス。
「リゼット、体調はもう良いのかい? 無理をさせていないかな」
「ええ、殿下。むしろ気分は爽快ですわ」
(これからお前の好感度をボロ雑巾のように空売りすると思うと、ワクワクして止まらないわ)
私たちは色とりどりの花が咲き誇る庭園を歩く。
アルフォンスが足を止めたのは、庭園の象徴とも言える巨大な噴水の前だった。
曾祖父が作らせたというその噴水は、精緻な彫刻が施され、太陽の光を受けて宝石のように輝いている。
「見てくれ、リゼット。この噴水の彫刻は、この国の平和を象徴しているんだ。美しいだろう?」
キタ。
絶好の「嫌われチャンス」だ。
私は翡翠色の瞳を細め、噴水をじろじろと品定めするように見つめた。
そして、わざとらしく深いため息をつく。
「……殿下。美しさは認めますが、あまりにも非効率的(コスパ最悪)ですわね」
「……え?」
アルフォンスの動きが止まる。
よし、いい反応だ。ここから畳み掛ける。
「この噴水、稼働させるための維持費に年間どれほどかかっていますの? 彫刻の清掃費、水質の管理費。減価償却費を考えても、この国政におけるROI(投資収益率)はマイナスですわ」
「アール、オー……なんだい?」
「要するに、金の無駄ですわ。こんな見栄のためだけの施設、すぐにでも壊して、もっと利回りの良い事業に回すべきです」
私は、冷徹な女投資家の顔で言い放った。
(どうだ! 夢のない女だろ? 先祖の遺産を『金の無駄』とか言っちゃう最低な女だろ? さあ、ドン引きして婚約解消の準備を始めろ!)
だが、数秒の沈黙の後。
アルフォンスの瞳が、なぜか潤み始めた。
「リゼット……! 君という人は……!」
「……はい?」
「君は、そんなにも国の財政を心配してくれていたのか! 確かにこの噴水は、民の税によって維持されている。君は、その重みを誰よりも理解しているんだね」
(は……? いや、ただの資産管理の話なんだけど)
「曾祖父の遺産という『情』に流されず、未来の国益という『理』を優先する。……ああ、なんという慈悲深さ。君のような王妃がいれば、この国の財政は安泰だよ!」
「………………は?」
アルフォンスが私の手を取り、熱っぽく握りしめる。
(おい、お前の脳内フィルター、不純物取り除きすぎて機能してないんじゃないの? どこをどう読んだら『慈悲深い』になるわけ?)
期待値、大幅上昇。 嫌われ作戦、大失敗。
◇
ティータイムに移っても、私の不運は続いた。
高級な茶葉の香りが漂う中、私は最後のカードを切ることにした。
「守銭奴(金の亡者)」アピールだ。
私はバッグから、自作の「計算盤(アバカス的な魔法具)」を取り出した。
「殿下、ティータイムも結構ですが、私は今、エルデンバッハ商会の株価チェックで忙しいんですの。ふふふ、また一〇%も値上がりしていますわ。笑いが止まりませんこと」
「……株価、かい?」
「ええ。資産が増える数字を見るのが、私の唯一の快楽なんです。殿下との会話よりも、この複利計算の推移を見ている方が、ずっと『期待値』が高いですわ」
(よし。これだ。「男より金」という最低な女の典型。これで完璧に嫌われるはず)
私は計算盤の数字を見つめ、あえてゲスい笑みを浮かべてみせた。
しかし、アルフォンスの背後に控えていた侍従たちが、ざわざわと囁き始める。
「聞いたか? リゼット様はエルデンバッハ商会の経営にも関わっておられるのか……」
「あの商会、最近の流通改革で急成長している。あれはリゼット様の知略だったのか!」
「王太子妃が経済に明るいとは、なんと心強い……」
(違う! 違うの! 私はただ、自分の懐を温めたいだけの強欲女なのよ!)
アルフォンスに至っては、もはや崇拝に近い眼差しで私を見つめている。
「リゼット……君は、私と結婚した後も、王家の家計を支えてくれるつもりなんだね。私のような無学な男を助け、共に国を豊かにしようという、君の献身……。私は、なんて幸せ者なんだ」
(〇ね! 誰が献身だ! 複利の奴隷って呼べよ!)
「ああ、そうだ。この後、陛下に君の素晴らしい経済感覚について報告してくるよ。きっと父上も喜ばれる!」
「待って! 殿下! それは……!」
私の制止も虚しく、王子はキラキラした笑顔で去っていった。
(終わった……。エグジット戦略が、一転して合併(M&A)の強化案件に変わっちゃった……)
◇
夕暮れ時。
自室に戻った私は、魂が抜けたようにソファに沈んでいた。
「……ソフィ」
「はい、お嬢様! 今日のデートも大成功だったようですね! 王宮中の噂になっておりますわよ。リゼット様こそが『王国の救世主』であると!」
「…………もういいわ、寝かせて。私のメンタルがロスカット基準を超えたわ」
(なんで……なんでこうなるの。前世でもそうだった)
(有能なふりをしてる無能をバカにしたら、『君はストイックで素晴らしい!』と評価され、余計な仕事を押し付けられた)
(結局、異世界に行っても私は『有能の呪い』から逃げられないわけ?)
その時。
激しく扉が叩かれた。
「リゼット嬢! 失礼する!」
現れたのは、王室の使者だ。
その顔は、いつになく緊張に満ちている。
「リゼット様、国王陛下がお呼びです」
(……国王? 王子じゃなくて?)
「陛下は仰いました。『我が国の財政難を解決する光が、エルデンバッハ家に見つかった。今すぐ経済顧問として参内せよ』と!」
私は、手に持っていた高級茶器を落としそうになった。
(顧問……? 仕事……?)
(不労所得どこいったあああああああ!!)
私の脳内計算機が、激しく警告音を鳴らす。
【警告:責任の増大を検知】
【分析:自由時間の消失確率……九八%】
【期待値:絶望】
「リゼット様、お急ぎを!」
私は、ひきつった「微笑みの聖女」の顔で立ち上がった。
(ああ……計算ミス。またしても、致命的な計算ミスですわ……!)
不労所得で生きたいネットワーカー、リゼット。
婚約破棄を狙ったはずが、国家の「頭脳」として外堀を埋められ始める。
隠居への道は、さらに一万キロ遠ざかった。
次回予告
「リゼット嬢、君にこの国の財務状況をすべて開示しよう。好きに改革してくれ」
「(……めんどくせぇ。マジで帰りてぇ)」
「おそれながら……関税を一律五%引き下げれば、消費が促進され……(あ、これ前世の教科書のパクリだわ)」
「「「「おおおおお!! 賢者様だ!!」」」」
次回、第3話「前世スキルが裏目に出る件」
だから、私はただダラダラしたいだけなんですってば!
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