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ユリナスたちは森の奥で、瘴気だまりを発見した。濃密な瘴気が渦を巻いている場所だった。
「ここが発生源の一つですね」
ユリナスが確認した。
そして、その奥に瘴気が湧き出している崖の割れ目も発見した。
「あそこから出ているようですね」
クロストロフが指差した。
濃い瘴気でも、ユリナスは問題なく払うことができた。
「一度アルファになれば、同じマナは簡単に制御できるんですよ」
ユリナスが説明したが、クロストロフたちには意味が理解できなかった。
「アルファ?」
「まあ、リーダーのようなものです」
ユリナスが簡単に説明した。
瘴気の流れを追って岩の割れ目に入っていくと、やがてそこは通路のようになっていた。
「これはダンジョンですか?」
ヨルンヘルドが聞いた。
「まあ、そんなものでしょうね」
ユリナスが答えたが、その目には地球で見た研究施設の風景が重なって見えていた。人工的に作られた通路、規則正しく配置された部屋、そして高度な技術で建設された建造物。
やがて、鉄の扉の隙間から瘴気が出てきていることを突き止めた。
「この扉の向こうが本当の発生源のようですね」
ユリナスが扉を調べた。
「開けられますか?」
クロストロフが聞いた。
ユリナスは扉の横にある模様を触ったり壁を調べたりして扉を開けようとしたが、マナを使っても機能が停止しているのか、まったく反応しない。
「どうやら、システムが停止しているようです」
ユリナスが困った表情で言った。
「扉を開けることはできませんか?」
「この扉を壊して開けることはできるかもしれません」
ヨルンヘルドが剣に手をかけた。
「待ってください」
ユリナスが止めた。
「僕らが壊しちゃったら解決できなくなる可能性があります。できれば、最後は元の姿に戻して解決したいと思います」
「そうですね」
クロストロフが頷いた。
「では、どうしましょう?」
「一度、皆の待つ場所に戻りましょう」
ユリナスが決断した。
「今日は十分な調査ができました。でも、その前に……」
ユリナスはカバンからスマホを取り出すと、扉周辺の写真を何枚か撮った。その後、三人は洞窟から出て、使節団の待つ場所に戻った。
「どうでしたか?」
田中が心配そうに聞いた。
「瘴気の発生源を特定しました」
ユリナスが報告した。
「古代の施設の一部が破損し、マナが漏れ出しているようです」
「古代の施設ですか。それで、修復は可能ですか?」
山本が質問した。
「例えばガス管のようなものの破損でしたら可能だと思いますが、扉があってそこまで確認できていません。どちらにせよ慎重に行う必要があります。それに、地球式の工具がいるかもしれません」
ユリナスが答えた。
「今日は一旦森の外に出て、対策を考えましょう」
「わかりました」
田中が同意した。
一行は森を出て、野営地に戻った。兵士たちは使節団の無事な帰還に安堵していた。
「お疲れさまでした」
ガルヴィン大尉が迎えた。
「何か発見はありましたか?」
「はい、瘴気だまりを発見しました」
ユリナスが答えた。
「明日、詳しい計画を立てて、本格的な調査に入ります」
その夜、使節団はテントの中で対策を練った。
「施設を修復するには、どのような準備が必要でしょうか?」
田中が聞いた。
「まず、施設の構造を詳しく調べる必要があります」
ユリナスが説明した。
「それから、修復に必要な材料や道具も準備しなければなりません」
「時間はどのくらいかかりそうですか?」
佐藤が心配そうに聞いた。
「まず原因を掴まないとなんとも……でも、最悪の場合でも、根本的な解決にはなりませんが、部屋ごと密閉することでよければ数日で修復できると思います。それでも、少しくらいはマナの漏れを和らげることができるでしょう」
ユリナスが答えた。
「ただし、予期しない問題が発生する可能性もあるってことよね」
サミアが付け加えた。
「古代の施設ですから、我々も知らない技術が使われているかもしれません」
「わかりました」
田中が頷いた。
「慎重に進めましょう」
夜が更けても、使節団の議論は続いた。瘴気の森の問題を解決することが、ナリア皇国の調査にとっても重要な意味を持つかもしれないからだ。
明日からの本格的な調査に向けて、全員が決意を新たにしていた。
「ここが発生源の一つですね」
ユリナスが確認した。
そして、その奥に瘴気が湧き出している崖の割れ目も発見した。
「あそこから出ているようですね」
クロストロフが指差した。
濃い瘴気でも、ユリナスは問題なく払うことができた。
「一度アルファになれば、同じマナは簡単に制御できるんですよ」
ユリナスが説明したが、クロストロフたちには意味が理解できなかった。
「アルファ?」
「まあ、リーダーのようなものです」
ユリナスが簡単に説明した。
瘴気の流れを追って岩の割れ目に入っていくと、やがてそこは通路のようになっていた。
「これはダンジョンですか?」
ヨルンヘルドが聞いた。
「まあ、そんなものでしょうね」
ユリナスが答えたが、その目には地球で見た研究施設の風景が重なって見えていた。人工的に作られた通路、規則正しく配置された部屋、そして高度な技術で建設された建造物。
やがて、鉄の扉の隙間から瘴気が出てきていることを突き止めた。
「この扉の向こうが本当の発生源のようですね」
ユリナスが扉を調べた。
「開けられますか?」
クロストロフが聞いた。
ユリナスは扉の横にある模様を触ったり壁を調べたりして扉を開けようとしたが、マナを使っても機能が停止しているのか、まったく反応しない。
「どうやら、システムが停止しているようです」
ユリナスが困った表情で言った。
「扉を開けることはできませんか?」
「この扉を壊して開けることはできるかもしれません」
ヨルンヘルドが剣に手をかけた。
「待ってください」
ユリナスが止めた。
「僕らが壊しちゃったら解決できなくなる可能性があります。できれば、最後は元の姿に戻して解決したいと思います」
「そうですね」
クロストロフが頷いた。
「では、どうしましょう?」
「一度、皆の待つ場所に戻りましょう」
ユリナスが決断した。
「今日は十分な調査ができました。でも、その前に……」
ユリナスはカバンからスマホを取り出すと、扉周辺の写真を何枚か撮った。その後、三人は洞窟から出て、使節団の待つ場所に戻った。
「どうでしたか?」
田中が心配そうに聞いた。
「瘴気の発生源を特定しました」
ユリナスが報告した。
「古代の施設の一部が破損し、マナが漏れ出しているようです」
「古代の施設ですか。それで、修復は可能ですか?」
山本が質問した。
「例えばガス管のようなものの破損でしたら可能だと思いますが、扉があってそこまで確認できていません。どちらにせよ慎重に行う必要があります。それに、地球式の工具がいるかもしれません」
ユリナスが答えた。
「今日は一旦森の外に出て、対策を考えましょう」
「わかりました」
田中が同意した。
一行は森を出て、野営地に戻った。兵士たちは使節団の無事な帰還に安堵していた。
「お疲れさまでした」
ガルヴィン大尉が迎えた。
「何か発見はありましたか?」
「はい、瘴気だまりを発見しました」
ユリナスが答えた。
「明日、詳しい計画を立てて、本格的な調査に入ります」
その夜、使節団はテントの中で対策を練った。
「施設を修復するには、どのような準備が必要でしょうか?」
田中が聞いた。
「まず、施設の構造を詳しく調べる必要があります」
ユリナスが説明した。
「それから、修復に必要な材料や道具も準備しなければなりません」
「時間はどのくらいかかりそうですか?」
佐藤が心配そうに聞いた。
「まず原因を掴まないとなんとも……でも、最悪の場合でも、根本的な解決にはなりませんが、部屋ごと密閉することでよければ数日で修復できると思います。それでも、少しくらいはマナの漏れを和らげることができるでしょう」
ユリナスが答えた。
「ただし、予期しない問題が発生する可能性もあるってことよね」
サミアが付け加えた。
「古代の施設ですから、我々も知らない技術が使われているかもしれません」
「わかりました」
田中が頷いた。
「慎重に進めましょう」
夜が更けても、使節団の議論は続いた。瘴気の森の問題を解決することが、ナリア皇国の調査にとっても重要な意味を持つかもしれないからだ。
明日からの本格的な調査に向けて、全員が決意を新たにしていた。
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