アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ

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 三日目の朝、一行はついにテンジークの王都に到着した。
「見えた!テンジークの城だ!」
 ヨルンヘルムが叫んだ。
 遠くに、巨大な城が見える。獣の彫刻で飾られた、威厳のある城だった。
「急げ!」
 馬車が最後の力を振り絞って走った。

 城門に到着すると、衛兵たちが槍を構えた。
「止まれ!」
「我々はナリアからの使者だ!」
 クロストロフが叫んだ。
「緊急の用件がある!王に取り次いでくれ!」
 衛兵たちが顔を見合わせた。
 その時、城門が開き、黒猫の被り物をした女性が現れた。

「あなたたちを待っていました」
 女性が言った。
「ナリアの皇帝陛下からの使者が先に到着しています」
「本当ですか!」
 サミアが希望に満ちた声を上げた。
「はい。テンジーク王は、門を開く準備を命じました」

 女性が馬車を見た。
「傷ついた方は、こちらに?」
「はい」
 久世が頷いた。
「一刻を争います」
「わかりました。すぐに城にお連れします」
 女性が先導し、一行は城の中に入った。

 城の中は、不思議な雰囲気に包まれていた。壁には古代の壁画が描かれ、エジプトの神々や、西遊記の登場人物に似た姿が見える。

「こちらです」
 女性が大きな部屋に案内した。
 そこには、ライオンの被り物をした男性が座っていた。テンジーク王だ。
「ようこそ、ナリアの使者たちよ」
 王が立ち上がった。
「ナリア皇帝陛下からの手紙は拝見した」
 王が手紙を取り出した。
「世界を救った英雄のため、門を開けとな」
「お願いします」
 サミアが頭を下げた。
「ユリナスを、兄を救ってください」

「もちろんだ」
 王が頷いた。
「アガルタの英雄を見捨てるわけにはいかんだろう」
 王が側近に指示を出した。
「技師たちを集めろ。門の起動準備を始めるのだ」
「はい!」
 側近が駆け出していった。
「ただし」
 王が真剣な表情で言った。
「この門は、おそらく二度と開かない」
「承知しています」
 サミアが答えた。
「それでも、開けていただけますか?」
「もちろんだ」
 王が頷いた。
「命は、何物にも代えがたい」
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