76 / 84
76
しおりを挟む
三日目の朝、一行はついにテンジークの王都に到着した。
「見えた!テンジークの城だ!」
ヨルンヘルムが叫んだ。
遠くに、巨大な城が見える。獣の彫刻で飾られた、威厳のある城だった。
「急げ!」
馬車が最後の力を振り絞って走った。
城門に到着すると、衛兵たちが槍を構えた。
「止まれ!」
「我々はナリアからの使者だ!」
クロストロフが叫んだ。
「緊急の用件がある!王に取り次いでくれ!」
衛兵たちが顔を見合わせた。
その時、城門が開き、黒猫の被り物をした女性が現れた。
「あなたたちを待っていました」
女性が言った。
「ナリアの皇帝陛下からの使者が先に到着しています」
「本当ですか!」
サミアが希望に満ちた声を上げた。
「はい。テンジーク王は、門を開く準備を命じました」
女性が馬車を見た。
「傷ついた方は、こちらに?」
「はい」
久世が頷いた。
「一刻を争います」
「わかりました。すぐに城にお連れします」
女性が先導し、一行は城の中に入った。
城の中は、不思議な雰囲気に包まれていた。壁には古代の壁画が描かれ、エジプトの神々や、西遊記の登場人物に似た姿が見える。
「こちらです」
女性が大きな部屋に案内した。
そこには、ライオンの被り物をした男性が座っていた。テンジーク王だ。
「ようこそ、ナリアの使者たちよ」
王が立ち上がった。
「ナリア皇帝陛下からの手紙は拝見した」
王が手紙を取り出した。
「世界を救った英雄のため、門を開けとな」
「お願いします」
サミアが頭を下げた。
「ユリナスを、兄を救ってください」
「もちろんだ」
王が頷いた。
「アガルタの英雄を見捨てるわけにはいかんだろう」
王が側近に指示を出した。
「技師たちを集めろ。門の起動準備を始めるのだ」
「はい!」
側近が駆け出していった。
「ただし」
王が真剣な表情で言った。
「この門は、おそらく二度と開かない」
「承知しています」
サミアが答えた。
「それでも、開けていただけますか?」
「もちろんだ」
王が頷いた。
「命は、何物にも代えがたい」
「見えた!テンジークの城だ!」
ヨルンヘルムが叫んだ。
遠くに、巨大な城が見える。獣の彫刻で飾られた、威厳のある城だった。
「急げ!」
馬車が最後の力を振り絞って走った。
城門に到着すると、衛兵たちが槍を構えた。
「止まれ!」
「我々はナリアからの使者だ!」
クロストロフが叫んだ。
「緊急の用件がある!王に取り次いでくれ!」
衛兵たちが顔を見合わせた。
その時、城門が開き、黒猫の被り物をした女性が現れた。
「あなたたちを待っていました」
女性が言った。
「ナリアの皇帝陛下からの使者が先に到着しています」
「本当ですか!」
サミアが希望に満ちた声を上げた。
「はい。テンジーク王は、門を開く準備を命じました」
女性が馬車を見た。
「傷ついた方は、こちらに?」
「はい」
久世が頷いた。
「一刻を争います」
「わかりました。すぐに城にお連れします」
女性が先導し、一行は城の中に入った。
城の中は、不思議な雰囲気に包まれていた。壁には古代の壁画が描かれ、エジプトの神々や、西遊記の登場人物に似た姿が見える。
「こちらです」
女性が大きな部屋に案内した。
そこには、ライオンの被り物をした男性が座っていた。テンジーク王だ。
「ようこそ、ナリアの使者たちよ」
王が立ち上がった。
「ナリア皇帝陛下からの手紙は拝見した」
王が手紙を取り出した。
「世界を救った英雄のため、門を開けとな」
「お願いします」
サミアが頭を下げた。
「ユリナスを、兄を救ってください」
「もちろんだ」
王が頷いた。
「アガルタの英雄を見捨てるわけにはいかんだろう」
王が側近に指示を出した。
「技師たちを集めろ。門の起動準備を始めるのだ」
「はい!」
側近が駆け出していった。
「ただし」
王が真剣な表情で言った。
「この門は、おそらく二度と開かない」
「承知しています」
サミアが答えた。
「それでも、開けていただけますか?」
「もちろんだ」
王が頷いた。
「命は、何物にも代えがたい」
16
あなたにおすすめの小説
異世界で農業を -異世界編-
半道海豚
SF
地球温暖化が進んだ近未来のお話しです。世界は食糧難に陥っていますが、日本はどうにか食糧の確保に成功しています。しかし、その裏で、食糧マフィアが暗躍。誰もが食費の高騰に悩み、危機に陥っています。
そんな世界で自給自足で乗り越えようとした男性がいました。彼は農地を作るため、祖先が残した管理されていない荒れた山に戻ります。そして、異世界への通路を発見するのです。異常気象の元世界ではなく、気候が安定した異世界での農業に活路を見出そうとしますが、異世界は理不尽な封建制社会でした。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる