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福井県おおい町名田庄納田終(のたおい)にある陰陽師ゆかりの里。
天社土御門神道本庁に陰陽術の使い手を育てる寮がある。
現在、5人、生徒がここで修行をしている。
「晴翔さん、お帰りなさい」
安倍晴明の血を引く一族六家の中で特殊能力を引き継いだ子は、中学進学の年にここに預けられ、中学卒業後から陰陽師として、全国各地、任務で回ってる。
安倍晴明と血を引く、木(雷)の力を持つ天光(あまみつ)家、火の力を持つ火燈(ひとぼし)家、土の力を持つ土井家、金(風)の力を持つ風間(かざま)家、水の力を持つ速水家に、そして月(心)の力を持つ正室の弟の家系、安倍家。
能力者は一家系に1~2人しか産まれず、現在は家系関係なしに霊感があり超能力がある子供達がスカウトされ、教育している。
本家の土御門家は子宝に恵まれず途絶えてしまい、晴翔くんは遠い血縁の家出身で高い能力を持ってる事から養子に迎え入れられたらしい。
「ーーこの子が神通力を持つ佐倉美桜さんだね。庁長を任されている藤堂総司です」
晴翔くんの次に強いらしい陰陽師の藤堂庁長が土御門神道本庁にある道場に入ってきた。
特S級武将怨霊を祓うための作戦会議で、陰陽六行のリーダーとその他の異能の怪力、念動力、獣人化能力、などの使い手のリーダーが、天社土御門神道本庁に集められた。
天社土御門神道本庁には何度か預けられた事がある。
だけど、A級怨霊を祓える術師は限られていて、庁長の藤堂庁長も除霊するために全国を駆けずり回っていて、お目にかかる事がなかった。
「晴翔、彼女をS級ランクまでよく育て上げた。千年に一度現れるか現れないかの特殊能力、神通力を持つ者」
この力は日本の歴史上で持ってたのは、卑弥ちゃんと北条政子だけ。
陰陽道の歴史や学術論に関して、ごっつい百科事典30冊分、晴翔くんに丸暗記で覚えさせられたから、私のこの力が特別だという事を知ってる。
予知の力と治癒の能力、他人の感情や考えを読み取るマインドリーディングの力は神通力がないとできない。
そして、能力が高い事から、陰陽術や異能力も訓練で身につきやすく、北条政子は狐の化身といわれるほどの力を持っていた。
卑弥ちゃんの事を怨霊と疑っても仕方がないかもしれない。
「美桜に陰陽六行の術と最低限の異能、九星九宮召喚は身に付けさせたが、神通力の力は鍛えようがないから現時点では使い物にならないぐらいに弱い。とっさに出るもんだから鍛えられるもんじゃないから仕方がないが」
「予知能力は使うと未来が変わる。治癒の力も本来助からない命を救う事になる。自然に反する事を行うから、その代償に寿命が縮まると言われている。だから、無闇にさせてはいけない」
予知能力を使う事にリスクがある事を私は知らなかった。
上手く能力が使えないのと、たいてい卑弥ちゃんが予知して私に教えてくれてたから、使う事必要もなかった。
「美桜さん、神通力は使わないように。予知能力で日本を治めたとされている卑弥呼は歴史上では80歳ぐらいまで生きたとされているが、実際は3年も生きられなかったとここに記されている。死期を迎える直前に100年先までの未来を予知し記録してから亡くなり、影武者がその後、代わりを務め、国を治めていたとされてる」
藤堂庁長が私が読んでいない陰陽道の表紙に赤く極秘と書かれている歴史書を出してきて、ページを開き、読みあげる。
『卑弥ちゃん、そうなの?』
いつもみたい卑弥ちゃんの姿をイメージし、内なる声で呼びかけるも、卑弥ちゃんは出てこない。
「卑弥呼は予知能力が寿命を自身の縮めると悟るも、愛する人のためと予知能力を使い続けた。それだけではない。愛する人が亡くなる日まで天下統一できるよう、未来を変える力まで使ったとされている」
人間不信のある私にとって、卑弥ちゃんは無二の親友。
いつも呼べば出てきてくれて、私の話し相手をしてくれて、時に助けてくれた。
「卑弥ちゃんは、源頼朝の怨霊と違って、何も悪い事、してないっ!!」
「確かにしてはいない。だが成仏せずに霊体としてこの世に留まっている理由がわからない。卑弥呼が出てきてくれて、この世の中に危害を与える気は無いと宣言してくれたら信用できる」
卑弥ちゃんがここに現れて、怨霊ではないと証明してくれたらいいのに。
卑弥ちゃんは、私の近くに陰陽師が誰もいない時にしか現れない。
除霊させられるかもしれないと、警戒して、出てこない。
「源頼朝は北条政子が操っている。そして、怨霊として生き続ける事に飽き、美桜さんの体をのっとり現代人として生きようとしてるのではと私達は推測している。卑弥呼も同じように、美桜さんの体を狙っているのではないか?」
武装怨霊についての記録は書に記されていたから読んだ。
源頼朝は北条政子が神通力を使って天下統一させた。
なのに、源頼朝は浮気を繰り返し、彼女を悲しませた。
それだけで終わらず、北条政子の妹にまでに手を出した源頼朝は、嫉妬深い彼女は完全に怒らせてしまい、呪いで落馬死し、怨霊となり、彼女に支配されていると記されていた。
「ーー卑弥ちゃんは北条政子とは違う。卑弥ちゃんは、……私の親友だから!!」
天社土御門神道本庁に陰陽術の使い手を育てる寮がある。
現在、5人、生徒がここで修行をしている。
「晴翔さん、お帰りなさい」
安倍晴明の血を引く一族六家の中で特殊能力を引き継いだ子は、中学進学の年にここに預けられ、中学卒業後から陰陽師として、全国各地、任務で回ってる。
安倍晴明と血を引く、木(雷)の力を持つ天光(あまみつ)家、火の力を持つ火燈(ひとぼし)家、土の力を持つ土井家、金(風)の力を持つ風間(かざま)家、水の力を持つ速水家に、そして月(心)の力を持つ正室の弟の家系、安倍家。
能力者は一家系に1~2人しか産まれず、現在は家系関係なしに霊感があり超能力がある子供達がスカウトされ、教育している。
本家の土御門家は子宝に恵まれず途絶えてしまい、晴翔くんは遠い血縁の家出身で高い能力を持ってる事から養子に迎え入れられたらしい。
「ーーこの子が神通力を持つ佐倉美桜さんだね。庁長を任されている藤堂総司です」
晴翔くんの次に強いらしい陰陽師の藤堂庁長が土御門神道本庁にある道場に入ってきた。
特S級武将怨霊を祓うための作戦会議で、陰陽六行のリーダーとその他の異能の怪力、念動力、獣人化能力、などの使い手のリーダーが、天社土御門神道本庁に集められた。
天社土御門神道本庁には何度か預けられた事がある。
だけど、A級怨霊を祓える術師は限られていて、庁長の藤堂庁長も除霊するために全国を駆けずり回っていて、お目にかかる事がなかった。
「晴翔、彼女をS級ランクまでよく育て上げた。千年に一度現れるか現れないかの特殊能力、神通力を持つ者」
この力は日本の歴史上で持ってたのは、卑弥ちゃんと北条政子だけ。
陰陽道の歴史や学術論に関して、ごっつい百科事典30冊分、晴翔くんに丸暗記で覚えさせられたから、私のこの力が特別だという事を知ってる。
予知の力と治癒の能力、他人の感情や考えを読み取るマインドリーディングの力は神通力がないとできない。
そして、能力が高い事から、陰陽術や異能力も訓練で身につきやすく、北条政子は狐の化身といわれるほどの力を持っていた。
卑弥ちゃんの事を怨霊と疑っても仕方がないかもしれない。
「美桜に陰陽六行の術と最低限の異能、九星九宮召喚は身に付けさせたが、神通力の力は鍛えようがないから現時点では使い物にならないぐらいに弱い。とっさに出るもんだから鍛えられるもんじゃないから仕方がないが」
「予知能力は使うと未来が変わる。治癒の力も本来助からない命を救う事になる。自然に反する事を行うから、その代償に寿命が縮まると言われている。だから、無闇にさせてはいけない」
予知能力を使う事にリスクがある事を私は知らなかった。
上手く能力が使えないのと、たいてい卑弥ちゃんが予知して私に教えてくれてたから、使う事必要もなかった。
「美桜さん、神通力は使わないように。予知能力で日本を治めたとされている卑弥呼は歴史上では80歳ぐらいまで生きたとされているが、実際は3年も生きられなかったとここに記されている。死期を迎える直前に100年先までの未来を予知し記録してから亡くなり、影武者がその後、代わりを務め、国を治めていたとされてる」
藤堂庁長が私が読んでいない陰陽道の表紙に赤く極秘と書かれている歴史書を出してきて、ページを開き、読みあげる。
『卑弥ちゃん、そうなの?』
いつもみたい卑弥ちゃんの姿をイメージし、内なる声で呼びかけるも、卑弥ちゃんは出てこない。
「卑弥呼は予知能力が寿命を自身の縮めると悟るも、愛する人のためと予知能力を使い続けた。それだけではない。愛する人が亡くなる日まで天下統一できるよう、未来を変える力まで使ったとされている」
人間不信のある私にとって、卑弥ちゃんは無二の親友。
いつも呼べば出てきてくれて、私の話し相手をしてくれて、時に助けてくれた。
「卑弥ちゃんは、源頼朝の怨霊と違って、何も悪い事、してないっ!!」
「確かにしてはいない。だが成仏せずに霊体としてこの世に留まっている理由がわからない。卑弥呼が出てきてくれて、この世の中に危害を与える気は無いと宣言してくれたら信用できる」
卑弥ちゃんがここに現れて、怨霊ではないと証明してくれたらいいのに。
卑弥ちゃんは、私の近くに陰陽師が誰もいない時にしか現れない。
除霊させられるかもしれないと、警戒して、出てこない。
「源頼朝は北条政子が操っている。そして、怨霊として生き続ける事に飽き、美桜さんの体をのっとり現代人として生きようとしてるのではと私達は推測している。卑弥呼も同じように、美桜さんの体を狙っているのではないか?」
武装怨霊についての記録は書に記されていたから読んだ。
源頼朝は北条政子が神通力を使って天下統一させた。
なのに、源頼朝は浮気を繰り返し、彼女を悲しませた。
それだけで終わらず、北条政子の妹にまでに手を出した源頼朝は、嫉妬深い彼女は完全に怒らせてしまい、呪いで落馬死し、怨霊となり、彼女に支配されていると記されていた。
「ーー卑弥ちゃんは北条政子とは違う。卑弥ちゃんは、……私の親友だから!!」
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