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『卑弥ちゃん、会いたかったよ!!』
半年半もの間に、卑弥ちゃんに会えなくて、寂しかった。心細かった。
だから、やっと会えた事が嬉しくて、抱きつく。
『……美桜さん、ずっと1人にして、ごめんなさい』
卑弥ちゃんとはいつもテレパシーで話す。
『私が陰陽師の側にいるから、除霊されるかもしれないから、出てこれなかったんだよね!!』
『 ………… 』
卑弥ちゃんが困った表情を浮かべる。
『卑弥呼さん、安心して下さい、除霊しないので』
晴翔くんが、私と卑弥ちゃんのテレパシーでの会話に入ってくる。
『卑弥呼さん、北条政子の姿が老婆になっている理由とずっと姿を眩ませていた理由を教えてくれませんか?貴方は美桜の親友、だから信用しています』
晴翔くんに言われ、卑弥ちゃんは重い口を開く。
北条政子の姿が老体化した理由は、悪に心を染め、恨み嫉みなどの負の感情からなる呪力を体内に吸収し、その力を使っているから。
特殊能力のパワーは陰陽力と呪力の2つ。
陰陽力は消えてなくなる魂のパワーが術師の体内に取り込まれて溜まったもので、呪力とは反対で永遠の若さを保つ事ができる。
神通力を持つ者はその取り込み量が他の術師より多く、死後霊体として存在している今も生前と同じ量を吸収しているから、卑弥ちゃんの体内には莫大な陰陽力が蓄積されてる。
『美桜さんの側にいたら、……私は北条政子に吸収されてしまう。そして、彼女は力を全回復させて、世界が破滅に向かってしまう』
卑弥ちゃんが、予知した未来を、私と晴翔くんの脳内に映し見せる。
卑弥ちゃんの無限の陰陽力を吸収した北条政子は、世界中の地縛霊と浮遊霊を呼び寄せA級怨霊にし、私達に襲いかかる。
十二神将が憑いている晴翔くんも長引く怨霊討伐に陰陽力を使い切り、追い詰められた私と晴翔くんは最後、北条政子と源頼朝に身体を乗っ取られてしまう。
『北条政子の力は神通力ではありません。陰陽力でもなく呪力です。私以外に神通力が使えたのは安倍晴明と美桜さんだけです』
人や動物などが発する怨念を身体に吸収してしまう体質の北条政子は、その力を使って、生前から怨霊を支配し、呪術で源頼朝をサポートしていた。
『……北条政子と源頼朝の目的は、美桜さんと晴翔さんの身体を乗っ取り、世界征服する事。北条政子に取り込まれるぐらいなら、私は美桜さんに取り込まれたい』
卑弥ちゃんが私の身体をぎゅっと抱きしめ返し、目を瞑る。
私の体内に、卑弥ちゃんの温かい陰陽力が入ってくる。
『……卑弥ちゃん、消え、ないよね?』
『 ………… 』
卑弥ちゃんの身体が透き通ってきて、だんだんと見えなくなる。
『 ……大丈夫。また、きっと、会えるから!!』
卑弥ちゃんの力を吸収し、私は体から溢れ出るぐらいの無限の陰陽力を手にした。
「卑弥ちゃんの霊魂、……消滅したの?」
「……違うと思う。眠りについたんだと思う」
晴翔くんが座り込み涙を流している私の右肩にそっと手を置く。
「……卑弥ちゃん、陰陽力回復したら、戻ってくる?」
「必ず戻ってくる」
卑弥ちゃんとの楽しかった日々を思い出し、涙が止まらない。
源頼朝と北条政子を祓い平和を取り戻し、卑弥ちゃんとまた、カフェでアフタヌーンティーを楽しみたい。
半年半もの間に、卑弥ちゃんに会えなくて、寂しかった。心細かった。
だから、やっと会えた事が嬉しくて、抱きつく。
『……美桜さん、ずっと1人にして、ごめんなさい』
卑弥ちゃんとはいつもテレパシーで話す。
『私が陰陽師の側にいるから、除霊されるかもしれないから、出てこれなかったんだよね!!』
『 ………… 』
卑弥ちゃんが困った表情を浮かべる。
『卑弥呼さん、安心して下さい、除霊しないので』
晴翔くんが、私と卑弥ちゃんのテレパシーでの会話に入ってくる。
『卑弥呼さん、北条政子の姿が老婆になっている理由とずっと姿を眩ませていた理由を教えてくれませんか?貴方は美桜の親友、だから信用しています』
晴翔くんに言われ、卑弥ちゃんは重い口を開く。
北条政子の姿が老体化した理由は、悪に心を染め、恨み嫉みなどの負の感情からなる呪力を体内に吸収し、その力を使っているから。
特殊能力のパワーは陰陽力と呪力の2つ。
陰陽力は消えてなくなる魂のパワーが術師の体内に取り込まれて溜まったもので、呪力とは反対で永遠の若さを保つ事ができる。
神通力を持つ者はその取り込み量が他の術師より多く、死後霊体として存在している今も生前と同じ量を吸収しているから、卑弥ちゃんの体内には莫大な陰陽力が蓄積されてる。
『美桜さんの側にいたら、……私は北条政子に吸収されてしまう。そして、彼女は力を全回復させて、世界が破滅に向かってしまう』
卑弥ちゃんが、予知した未来を、私と晴翔くんの脳内に映し見せる。
卑弥ちゃんの無限の陰陽力を吸収した北条政子は、世界中の地縛霊と浮遊霊を呼び寄せA級怨霊にし、私達に襲いかかる。
十二神将が憑いている晴翔くんも長引く怨霊討伐に陰陽力を使い切り、追い詰められた私と晴翔くんは最後、北条政子と源頼朝に身体を乗っ取られてしまう。
『北条政子の力は神通力ではありません。陰陽力でもなく呪力です。私以外に神通力が使えたのは安倍晴明と美桜さんだけです』
人や動物などが発する怨念を身体に吸収してしまう体質の北条政子は、その力を使って、生前から怨霊を支配し、呪術で源頼朝をサポートしていた。
『……北条政子と源頼朝の目的は、美桜さんと晴翔さんの身体を乗っ取り、世界征服する事。北条政子に取り込まれるぐらいなら、私は美桜さんに取り込まれたい』
卑弥ちゃんが私の身体をぎゅっと抱きしめ返し、目を瞑る。
私の体内に、卑弥ちゃんの温かい陰陽力が入ってくる。
『……卑弥ちゃん、消え、ないよね?』
『 ………… 』
卑弥ちゃんの身体が透き通ってきて、だんだんと見えなくなる。
『 ……大丈夫。また、きっと、会えるから!!』
卑弥ちゃんの力を吸収し、私は体から溢れ出るぐらいの無限の陰陽力を手にした。
「卑弥ちゃんの霊魂、……消滅したの?」
「……違うと思う。眠りについたんだと思う」
晴翔くんが座り込み涙を流している私の右肩にそっと手を置く。
「……卑弥ちゃん、陰陽力回復したら、戻ってくる?」
「必ず戻ってくる」
卑弥ちゃんとの楽しかった日々を思い出し、涙が止まらない。
源頼朝と北条政子を祓い平和を取り戻し、卑弥ちゃんとまた、カフェでアフタヌーンティーを楽しみたい。
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