天敵同期からの最低なプロポーズ

鳴宮鶉子

文字の大きさ
4 / 8

妊婦健診についてくるな

しおりを挟む
妊婦健診の日の半休申請を上司の成宮に提出しないといけない。
だから、成宮はわたしの通院日を把握する事ができるため、

「車を出す。来い」

わたしの妊婦健診に自分も午後休をとってついてこようとする。

チームリーダーなのにわたしの通院のために午後休を取っていいのか?

妊娠6ヶ月目に入り、わたしのお腹が見た目で膨らんでるのがわかるようになり、妊婦さんらしくなった。

ロボット開発部第1システム課のメンバーは、わたしの身体を気遣う成宮の異常なほどまでの過保護さに、わたしが成宮の子を妊娠してるという事を悟ってる。
結婚はしてなく名字で呼び合い、恋人同士の甘い空気などは一切ない。
なのに、結婚秒読みだと思われてる。

わたしは成宮と結婚する気はない。

成宮が勝手にわたしの体調管理をしてるだけ……。


わたしが成宮を無視していたら手を掴まれ、オフィスビルを出て、近くのコインパーキングに連れて行かれ、黒いレクサスの助手席に座らされた。

「予約の時間は?で、病院はどこ?

「……14時で、藤坂産婦人科」

車のナビ検索で藤坂産婦人科を検索し場所を把握した成宮が車を発進させる。

「近いな。ひとまず昼メシを食いに行こう」

無農薬野菜の定食屋か健康志向の高い定食屋、どちらかに連れて行かれるとわたしは思った。


連れてこられたのは銀座の回らないお寿司屋さん。

「妊娠中期後半からDHAを取った方が頭が良い子が産まれるらしい。水銀が多いマグロと金目鯛は食べたらダメだ」

成宮に言われ、DHAが多そうなイワシ、アジサバ、サンマ、ブリと大好きなサーモンを2巻ずつ板前さんに注文したわたし。

本当は大トロが食べたいのに、中の人に悪いと聞いて我慢したのに成宮は大トロばかり注文してる。

デリカシーのかけらも無い……。


食事を終え、成宮が車を走らせて着いたのが港区役所。

「……天沢、嫌かもしれないがお腹の子のためだ、俺と結婚してくれ」

役所の窓口で言われても困ります。
婚姻届は事前に貰っていて、わたしが記入する欄以外は記入されてた。

わたしの戸籍謄本を得て、わたしに婚姻届にサインさせようと、成宮が窓口の前で交渉してくる……。

「いい加減にして、わたしは成宮と結婚する気はない。子供は1人で産んで育てます!!」

「俺がお前の身体に植えつけた種だ。一緒に育てさせろ!!」

結婚とは愛する男女がするもので、子供を作るためにするもんじゃない。

「……産婦人科の予約時間に間に合わなくなるな。絶対に子供が産まれる前に結婚するからな」

時計を見たら13時半を過ぎていた。
成宮が窓口の女性スタッフに頭を下げわたしの手を引いて区役所を出る。
そして、わたしを助手席に乗せ、産婦人科医院に向かった。

お産がなくスムーズに診察が進んでいて時間通りに呼ばれ、看護師さんに「俺の子なんです!!」と力説し、診察室まで入ってきた成宮、

「性別知りたい?」

と女医の藤坂先生に聞かれ、

「聞きたい」

と答えた……。

「男の子だね……ついてるから」

中の人は超音波経腹プローブエコーで藤坂先生に恥ずかしいエコー写真を撮られた。
毎日元気にお腹の中で暴れてるから男の子かなっと予想はしてた。

15時前に診察が終わり、産婦人科医院を出た。

「男の子か……、よし、時間あるしベビー用品を買いに行くか!!」

家まで送り届けてくれると思ってたのに、成宮がiPhoneでネット検索をし、ミキハウスとラルフローレンと……後有名どころを3件連れ回され、ベビーベッドとベビーカーと抱っこ紐と買いすぎなぐらいベビー服を購入した。

ゴールドカードで次々に買っていく成宮。
養育費の代わりにベビー用品買わせとこっと放置した。

「俺の家に置いとくから」

「えっ!!」

「俺のマンションで親子3人で暮らす。amazonで赤ちゃんのおもちゃとか取り寄せてるから。後……電磁波の影響で女の子だと思ったから女の子用のメゾピアノの服とか取り寄せてた。
2人目は女の子がいいな……」

わたしと手を繋ぎ、仲が良さそうな夫婦のふりしてベビー用品を買い漁ってたわたしと成宮。

夫婦になる気無いです……。
18時前に買い物を終え、無農薬野菜のバイキングのお店で夕食をとり、わたしの住むマンションに送り届けて貰った。

「何かあった時のために俺のマンションにこないか?」

「嫌です……」

わたしのお腹の中の人は成宮の子ですが、成宮とわたしは夫婦になる気は無いです。

子供ができたからと成宮と夫婦になるなんてありえない。

成宮とわたしは恋人同士ではないです。
子供のために結婚なんてしたくない。
父親としては認めても夫婦にはなりたくない。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

溺愛婚〜スパダリな彼との甘い夫婦生活〜

鳴宮鶉子
恋愛
頭脳明晰で才徳兼備な眉目秀麗な彼から告白されスピード結婚します。彼を狙ってた子達から嫌がらせされても助けてくれる彼が好き

身体の関係からGet back together

鳴宮鶉子
恋愛
3年前に別れた元彼がわたしの前に現れた。共通の友人と縁を切り、住み慣れた土地を捨てて移住したのに。

溺愛社長の欲求からは逃れられない

鳴宮鶉子
恋愛
溺愛社長の欲求からは逃れられない

月明かりの下で泣いてる君に恋した

鳴宮鶉子
恋愛
満月の深夜にいつも目黒川の川沿いで月を眺めながら泣いてる君。そんな君に私は声をかけた。

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い

森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。 14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。 やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。 女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー ★短編ですが長編に変更可能です。

天才棋士からの渾身の溺愛一手

鳴宮鶉子
恋愛
天才棋士からの渾身の溺愛一手

イケメンイクメン溺愛旦那様❤︎

鳴宮鶉子
恋愛
イケメンイクメン溺愛旦那様。毎日、家事に育児を率先してやってくれて、夜はわたしをいっぱい愛してくれる最高な旦那様❤︎

処理中です...