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家族になっていく

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朔弥は、毎週末、我が家で過ごすようになった。
律樹が懐いていて喜ぶから『来ないで』とは言えず、来ても律樹の部屋で一緒にゲームをしたり、図鑑を見たり、ブロックで一緒に遊んでたから、わたしは家の掃除をしてリビングでのんびり過ごしてた。

『母さん、お昼ご飯はまだ?』

夜ご飯を毎回朔弥にご馳走になるから、お昼ご飯はわたしが作って、家ご飯にするようにした。

3人で食卓テーブルを囲み食事をする。

「結衣が作る親子丼は最高だよな」

親子丼と味噌汁のお手軽ランチを朔弥は誉めてくれた。
ライブアメバに勤めてた時、週末に休みが取れる日に、朔弥の家で手料理を作ってた。

「律樹、ご飯を食べながら寝ちゃったな。満腹になると寝るところを見ると大人びてても3歳児だな」

親子丼と味噌汁を完食し、机に伏せるように寝てる律樹。

朔弥が律樹の手と口をウェイトティッシュで軽く拭いて、抱き上げた。

「律樹、いつもどこで寝かせてるの?」

遊ぶのは自分の部屋だけど、眠るのはまだわたしと一緒な律樹。
朔弥をわたしの部屋に案内し、ベッドに律樹を寝かせて貰った。

「結衣、律樹は寝た事だし、今後について話し合おうか」

律樹がお昼寝をしちゃうと、朔弥はわたしを口説き始める。

朔弥が週末に我が家に通うようになり、朔弥を愛していた自分に戻っていってる事に気づいてるわたし。

「食器の片付けがあるから……」

と逃げようとするわたしの手を掴み、朔弥がわたしをソファーに座らせる。

「結衣、そろそろ、俺を受け入れてくれないか。律樹も可愛いけど、俺、結衣が欲しい。結衣、キスしていい?」

わたしをソファーに押し倒し、上から見上げた姿勢で、哀愁漂う瞳でわたしを見てくる。
思わず、首を縦に振ってしまったわたしの反応を見て、朔弥はわたしの唇に唇を重ね、そして、舌を入れわたしの舌と絡め合わせる。

「結衣、最後までしていい?」

妖麗な表情で朔弥に言われ、キスでわたしの身体も4年ぶりの逢瀬を期待し、わたしはまた頷いた。

朔弥はわたしのシャツをたくり、胸に口づけをし、上半身にに赤い花を咲かせていく。

そして、太ももを触り、もう充分潤った敏感なところに指を入れた。

我慢の限界なのかわたしの中に逸物を挿れ、わたしの中で激しく動き、わたしは快感の渦にのまれてしまった。
そして、久しぶりの行為にわたしは意識を飛ばしてしまった。

目覚めたら、わたしもいつのまにかベッドに運ばれてた。
律樹を真ん中に朔弥とわたしが同じベッドで川の字になって眠ってた。

わたしが起き上がったのに気づき朔弥も目を覚ました。

「結衣、月曜日に有給とるから、役所に婚姻届を出しに行こう。結衣に東京に来て欲しいけど、結衣がここから離れたくないなら俺が仕事辞めて茨城で仕事を探す」

NTNデータの出世コースを進んでる朔弥が仕事を辞めるのは勿体ない。

「わたしが仕事を辞めて、律樹と朔弥の所に行く」

結婚することを拒んでたわたしだったけれど、身体を繋いだからなのか、朔弥を受け入れてた。

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