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父と子
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朔弥が会社に来た週の土曜日
朝起きて、洗濯を干し終えて朝ごはんの支度をしようとしたらiPhoneから着メロが鳴る。
通話ボタンを押し出ると、相手は朔弥だった。
「結衣、今、おまえの勤め先の前に居るんだけど出てきてくれない?俺、おまえと昔、真剣に付き合ってたし、律樹くんが俺の子とわかった今、おまえとやり直したいと思ってる。電話で話す内容じゃないし、来て欲しい」
こんなにも早くに朔弥が動き出すとは思ってなくて戸惑う。
「律樹がまだ寝てるし、律樹を1人にして出ていけないよ」
「じゃ、おまえのうちに行くからいい。5分後に行くから逃げるなよ」
わたしが律樹を理由にして朔弥と会うのを断ろうとしてるのがわかったのか、朔弥が直接、うちに来ると言い出し慌てる。
わたしのうちを突き止めたって、どうやってっと思ってたらインターフォンが鳴った。
居留守を使おうかと思ってたら、律樹が玄関を開けた。
「母さん、NTNデータの神崎さんが来たよ」
律樹に呼ばれて、仕方がなく、玄関に向かった。
「神崎さん、ありがとう。母さん、ケチだから新作のゼルダのソフト買ってくれないから嬉しい!!ヤッター」
律樹は朔弥に抱きついてた。
「律樹にゲームのソフトを買い与えるの辞めて下さい」
「いいだろ、これぐらい。3歳でゼルダをやるって律樹くんは賢いな」
律樹の頭を撫でる朔弥。律樹はわたしにゲームのソフトを取り上げられまいと自室にソフトを持って走って行き部屋にこもった。
「結衣、入っていい?玄関で立ち話で終わる話じゃないし」
仕方がなく、わたしは朔弥を家にあげてリビングに案内した。
リビングに飾ってある律樹の赤ちゃんの時から撮りためた写真を朔弥は目を細めて見てた。
コーヒーをいれたカップをリビングのソファーの前の机の上に置いたら、朔弥が写真を見るのを辞めてわたしの方に来た。
「律樹、俺にそっくりだな。見た目もだけどゲームが好きなところとか」
ソファーに座り、コーヒーのカップに口をつけ朔弥は話し出した。
「俺、結衣がアメバドアを辞めることを知らなかった。9月に入って結衣が辞めた事を知った。で、週末におまえの家に行ったらおまえは出て行った後で、俺、ショックで仕事に追われておまえを失った後悔からアメバドアを辞めてた」
朔弥がアメバドアを辞めてNTNデータにいるのが不思議だった。
朔弥がわたしが居なくなったショックでアメバドアを辞めた……。
「アメバドアを辞めて3ヶ月ぐらい腐ってたけど、いつかおまえに会った時に別れた事を後悔させたいと思うようになって、アメバドアより大手のNTNデータに再就職した。
だから結衣と仕事絡みで再会できて、木阿弥通りに事が運んで腹の底で笑ってた。
再会した日、結衣がシングルマザーをしてると聞いて、俺を棄てて他の男と付き合って他の男の子供を産んだと思って腹を立ててた。
それが、まさか俺の子を妊娠して産んで育ててくれてるとは思わなかった」
朔弥がわたしの方を見ながら、真剣な表情で語る……。
「アメバドアの時は仕事がハードで結衣に愛してるという気持ちを伝えきれてなくて、それで結衣は子供を産む事を反対されると思って俺から離れたんだろ。俺、結衣と本気で付き合ってたから、結婚して一緒に子供を育ててた。
結衣、俺と結婚してくれ」
朔弥からプロポーズされるも朔弥と離れてた期間が長く好きだった気持ちは薄れてた。
そして、律樹と2人で暮らしてきたから今の生活を壊したくないと言う思いもあり、朔弥のプロポーズを受ける気にはなれず、なんて断ればいいか悩んでしまった。
「母さん、お腹すいた」
起きてからずっと自室にこもって朔弥から貰った新作のゼルダのソフトをやり続けてた律樹が出てきた。
「ご飯を食べに行こう」
気づいたら時計の針を見たら11時を過ぎていた。
律樹が出てきたからプロポーズの返事は保留になり、朔弥の提案で外にご飯を食べに行く事にした。
朔弥は車で来ていて、律樹を助手席に座らせ、事前に調べてきてたらしいキッズルームがあるレストランに連れて行ってくれた。
お子様ランチは嫌いでキッズルームで子供らしく遊ばない3歳児の律樹。
親子丼をがっつき食事が済んだら帰りたいとごね始める……。
それをなだめてる朔弥の姿は父親そのものだった。
朝起きて、洗濯を干し終えて朝ごはんの支度をしようとしたらiPhoneから着メロが鳴る。
通話ボタンを押し出ると、相手は朔弥だった。
「結衣、今、おまえの勤め先の前に居るんだけど出てきてくれない?俺、おまえと昔、真剣に付き合ってたし、律樹くんが俺の子とわかった今、おまえとやり直したいと思ってる。電話で話す内容じゃないし、来て欲しい」
こんなにも早くに朔弥が動き出すとは思ってなくて戸惑う。
「律樹がまだ寝てるし、律樹を1人にして出ていけないよ」
「じゃ、おまえのうちに行くからいい。5分後に行くから逃げるなよ」
わたしが律樹を理由にして朔弥と会うのを断ろうとしてるのがわかったのか、朔弥が直接、うちに来ると言い出し慌てる。
わたしのうちを突き止めたって、どうやってっと思ってたらインターフォンが鳴った。
居留守を使おうかと思ってたら、律樹が玄関を開けた。
「母さん、NTNデータの神崎さんが来たよ」
律樹に呼ばれて、仕方がなく、玄関に向かった。
「神崎さん、ありがとう。母さん、ケチだから新作のゼルダのソフト買ってくれないから嬉しい!!ヤッター」
律樹は朔弥に抱きついてた。
「律樹にゲームのソフトを買い与えるの辞めて下さい」
「いいだろ、これぐらい。3歳でゼルダをやるって律樹くんは賢いな」
律樹の頭を撫でる朔弥。律樹はわたしにゲームのソフトを取り上げられまいと自室にソフトを持って走って行き部屋にこもった。
「結衣、入っていい?玄関で立ち話で終わる話じゃないし」
仕方がなく、わたしは朔弥を家にあげてリビングに案内した。
リビングに飾ってある律樹の赤ちゃんの時から撮りためた写真を朔弥は目を細めて見てた。
コーヒーをいれたカップをリビングのソファーの前の机の上に置いたら、朔弥が写真を見るのを辞めてわたしの方に来た。
「律樹、俺にそっくりだな。見た目もだけどゲームが好きなところとか」
ソファーに座り、コーヒーのカップに口をつけ朔弥は話し出した。
「俺、結衣がアメバドアを辞めることを知らなかった。9月に入って結衣が辞めた事を知った。で、週末におまえの家に行ったらおまえは出て行った後で、俺、ショックで仕事に追われておまえを失った後悔からアメバドアを辞めてた」
朔弥がアメバドアを辞めてNTNデータにいるのが不思議だった。
朔弥がわたしが居なくなったショックでアメバドアを辞めた……。
「アメバドアを辞めて3ヶ月ぐらい腐ってたけど、いつかおまえに会った時に別れた事を後悔させたいと思うようになって、アメバドアより大手のNTNデータに再就職した。
だから結衣と仕事絡みで再会できて、木阿弥通りに事が運んで腹の底で笑ってた。
再会した日、結衣がシングルマザーをしてると聞いて、俺を棄てて他の男と付き合って他の男の子供を産んだと思って腹を立ててた。
それが、まさか俺の子を妊娠して産んで育ててくれてるとは思わなかった」
朔弥がわたしの方を見ながら、真剣な表情で語る……。
「アメバドアの時は仕事がハードで結衣に愛してるという気持ちを伝えきれてなくて、それで結衣は子供を産む事を反対されると思って俺から離れたんだろ。俺、結衣と本気で付き合ってたから、結婚して一緒に子供を育ててた。
結衣、俺と結婚してくれ」
朔弥からプロポーズされるも朔弥と離れてた期間が長く好きだった気持ちは薄れてた。
そして、律樹と2人で暮らしてきたから今の生活を壊したくないと言う思いもあり、朔弥のプロポーズを受ける気にはなれず、なんて断ればいいか悩んでしまった。
「母さん、お腹すいた」
起きてからずっと自室にこもって朔弥から貰った新作のゼルダのソフトをやり続けてた律樹が出てきた。
「ご飯を食べに行こう」
気づいたら時計の針を見たら11時を過ぎていた。
律樹が出てきたからプロポーズの返事は保留になり、朔弥の提案で外にご飯を食べに行く事にした。
朔弥は車で来ていて、律樹を助手席に座らせ、事前に調べてきてたらしいキッズルームがあるレストランに連れて行ってくれた。
お子様ランチは嫌いでキッズルームで子供らしく遊ばない3歳児の律樹。
親子丼をがっつき食事が済んだら帰りたいとごね始める……。
それをなだめてる朔弥の姿は父親そのものだった。
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