政略的結婚、したらいけないですか?

鳴宮鶉子

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納期半年、トミタとデンタの意地

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「納期半年は難しいな」

「天才発明家からの挑戦、受けて立ちましょう!!」

設計図を渡されたのがGW前だったのもあり、実家に帰省し、父と和雄おじさんに葛城先輩が作成したナノ3以下半導体の設計図を見せ、製造を依頼した。

デンタでも5年前から微細化半導体研究開発を行なっている。
ナノ7車載用半導体開発を行なっていて、製造設備は試作工場にある。

半導体製造には前工程・後工程・検査管理工程がある。
前工程はウェハー上にLSIチップを作る工程で前半部分は基板工程、後半部分は配線工程を行う。
後工程とは、LSIチップをパッケージ化する工程。

半導体デバイスは製造開始から完成までに最低1年はかかる。

「大学からの研究費は200万か」

「プロセス3nm以下半導体製造ができるようになったら儲けもんじゃないか。開発費投資する価値がある」

和雄おじさんは葛城先輩の依頼を請け負う気満々。

デンタの取締役でもある和雄おじさん。
父よりも役職は上で、デンタの社長よりも発言力がある。

「デンタの半導体研究開発センターとトミタからも半導体研究開発に強いメンバーを派遣する。休み明けから取り掛かろう!!」

研究開発センターと試作工場に何度か視察に同行した事がある。
設備が充実していて、ナノ7半導体を生産する装置は完成していた。
微細化トランジスタなどの電子部品も開発製造していて、現時点でナノ5までは実装可能。

「ここまで細かく丁寧に仕上げられた設計図、見た事がないな。分かりやすい」

ベテランの研究者が仕上げたのより葛城先輩が作成した設計図の方が完成度が高い。
かなり細かなところや製造方法まで備考欄に記入してあった。


****

「委託研究契約書、サイン貰ってきたよ。で、デンタの半導体研究開発センターとトミタの半導体研究開発に強いメンバーで開発製造にあたるって」

「あっ、そう。10月の終わりまでに完成させてくれたらいいよ」

GW明けに葛城先輩に報告すると冷たくあしらわれた。
ノートパソコンにAI半導体チップの中に入れるプログラムを鬼入力していて、それどころではないらしい。

「伽凛に手伝わそうと思ったら、あいつ、4月の終わりから年末までアメリカ留学でApploとGoogloとNVIDIOに研修へ行っていないんだ」

殺気立つ葛城先輩に杉瀬先輩は苦笑いする。
発明家チーム葛城のプログラム担当は伽凛ちゃんだった。

「葛城、しばらくの間、あんな感じなんだろうな……。ナノ3半導体の開発製造については俺がデンタと対応する」

葛城先輩が作成した設計図で、ナノ3半導体量産化は滞りなく行われるだろう。

「夏休みに1度、デンタの研究センターと試作工場に視察に来てください。微細化トランジスタとAIチップ、その他部品と生産設備を確認して下さい」

「わかった」

葛城先輩の不機嫌な日々は続く。
ゼミメンバー全員、彼に近づかないようにし、研究室内で気配を消していた。

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