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第一章 平民ライフ突入編
15.彼女は労働しようと思う。
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(side リディア)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
陛下への謁見も果たした。
無事、平民としての国民登録もできた。
バカ王子から解放されて、それなりにゆっくりできたと思う。
だから、そろそろ始めようかと思うのよね。
ラディはどうかしら?
「ラディ、そろそろね、労働っぽいことを始めようと思うんだけど」
「うん。リディのおかげでゆっくり休めたしね、俺もしっかり働くよ。俺にできることはあるかな?できる限り協力する。何でも言って」
「手伝ってくれるの?いいの?」
「もちろん」
ラディがとっても労働に前向き。
やっぱりワーカホリックなのかもしれない。
でも、手伝ってもらえるならば、正直ものすごくありがたい。
負担が少なくなるように、魔法を併用するつもりだし。
精霊たちにも手伝ってもらう予定だ。
だから、ふたりでできればそこまで重労働にはならないと思うのだ。
レンダル時代の働きづめ生活再来にはならないはず。
「ありがとう!あのね、まずは、定番の野菜とハーブを育てたいの」
「ん?」
「じゃが芋とか玉ねぎとか人参とか。葉野菜やキュウリやトマトもあったほうがいいわよね?他には何がいいかな?ラディは何か育てたいものある?」
「ちょっと待って。ごめん。リディ、何の話してるの?」
「え?畑に植えるものを決めようと思って」
「………もしかして、労働って畑のこと?」
「そうよ?畑仕事って結構体を動かすから、労働っぽいと思うんだけど」
あら?わたし、おかしなこと言ったかしら。
でも、個人的に畑は外せない案件なのよね。
グリーンフィールは精霊のおかげで作物の育ちがいいと聞いている。
おまけに、前世みたいに季節を問わず――この世界にも季節があって、場所によって気候も違う――、いろいろな野菜を育てられるらしいのだ。
これは畑をやるしかないと思う。
わたしは自家製の美味しい野菜を食べたい。
それに、流通していなくて手に入りづらいものが多いという裏事情もある。
この世界では大蒜や生姜といった裏方食材があまり売られていない。
スパイスやハーブだって種類が少ない。
ないわけではないのだけど、食材として使う発想がないみたいなのだ。
売ってないなら作るしかないし。
レンダル時代、料理長や商会の伝手を最大限に利用して、何ならダズルも巻き込んで、いろいろな食材を探した。そのおかげで料理の幅が広がったのだ。
それらの種や実はこちらに持ち込んで、いつでも作れる状態にしてある。
だから、わたしには畑をやらないという選択肢はないんだけど。
あ、そうか。ラディは元貴族だものね。
いくら平民になったからって、やっぱり農作業には抵抗があるのかな?
「あの、やっぱり畑仕事は嫌だった?」
「あ、いや、そんなこと、ないよ?うん、畑ね、畑。もちろん手伝う」
「無理しなくてもいいのよ?」
「無理なんかしてないよ。うん、そうだよね、畑あったら便利だよね」
やっぱりラディが戸惑っている。
うーん、これは。反対ではなさそうだけど、乗り気でもない感じ?
「あの、本当に嫌なら、」
「嫌じゃない。本当に。ちゃんと手伝う。畑、いいと思う。賛成」
今度は、前のめりで肯定。そして、何となくカタコト。
え、わたし、本当に強制するつもりはないのよ?
ラディの言葉を素直に受けていいのか、どうしたものか。
そう考えながら思わずラディをじっと見つめてしまったら、本当に嫌じゃないから、と何度も言ってくれたから、素直にお言葉に甘えてみようと思う。
手伝ってもらえてうれしいのは本当だし。
「ありがとう。じゃあ、よろしくね」
「うん。俺は料理に詳しくないから、植えるものはリディに任せるよ」
「わかったわ。とりあえずは、やっぱり、さっき言った定番野菜とハーブを育てようと思うの。あとは、レンダルから持ち込んだ種とかも植えるつもり」
「え、レンダルからわざわざ?種を?」
「レンダル産だけじゃないんだけど、公爵家で珍しい食材を集めてたの。そういう食材がないと、異世界料理が再現できないのよ」
「そうなのか?じゃあ、その珍しいのを優先で!」
強めにそう言われて、ちょっと笑ってしまったわ。
ラディは随分と異世界料理が気に入っているみたいだ。
「うふふ。わかった。ちゃんと植えるわ」
「そっか、そういう食材がないとあの料理ができないのか」
「全部が全部そういうわけでもないし、手作りは難しくて買うものも多いんだけどね。異世界料理と言えば、本当は、お米も育てたいのよ」
そうなんだよね。
できれば、田んぼも作りたい。
レンダルはパンが主食で洋食文化だったから。
この世界で料理を始めた頃は、前世の洋食料理を作ることが多かった。
でも、今では和食もよく作っている。
日本人だった記憶があるから、どうしたって和食が恋しくなるのだ。
だから、今でさえ、お米は常備しているけれど。
幼い頃、レンダルでは白米を食べないと知ったときは信じたくなかった。
食べないどころか、米すらないと知ったときは絶望したものだ。だから。
スパイスや裏方食材同様に、必死にお米を探した。
それはもう、馬鹿みたいに、必死でお米を探した。
結果、グリーンフィールの東側の島国は米食文化だということがわかった。
おまけに、その島国、ジング王国にはお味噌やお醤油もあったのだ。
これはもう日本なんじゃないかと思って――そんなわけはなかったけど――、更に情報を集めて、米酢、米酒、みりんまで見つけたわたしは偉いと思う。
我ながらよくやった。
ただ、レンダルは、米食が根付いていない上に内陸国。
島国ジングとの貿易は難しいと言われてしまった。
国として大した量の取引でもなく、輸送も大変となればしょうがないのだけど。
だからってここまできて諦められるわけもなく。
わたしは、お父様とお母様に頼み込んで、直接買い付けられるように手を回してもらったのだ。娘からのお願いとはいえ、よくわからない食材のために、かなりの労力とお金をかけてくれた両親には本当に感謝している。
両親のおかげで、何とか公爵家とジングで直接取引ができるようになって。
実際に和食を作って食べてもらったら、公爵家では、両親をはじめ使用人にも大好評で、定番メニューになるほどに受け入れられた。
そのため、今では、毎年かなりの量を取引している。レシピ交換をしたりして、ジングとも仲良くしているくらいだ。
当然、今回この国に来るときにお米も調味料も持ってきている。
でも、公爵家から離れた今、これからは、入手も大変になると思う。
だから、田んぼも作ってみたいのだ。
種籾も入手はしているのだけど。
「お米って、あの白い粒々だよね?」
「そうよ」
「海の向こうから輸入しているんだっけ?ここでも作れるの?」
「結構特殊な育て方なのよね。精霊パワーで何とかしたい感じ」
「え、それって、なかなか難しいってことじゃない?」
「うん。だから、畑に慣れてからにしようかな、って思ってる」
「そっか。そうだね。定番野菜や珍しい食材もあるし、最初から一気に何でもできないか」
本当にそうだ。最初から何でもかんでもできるわけがない。
いくら精霊たちがいるからと言っても、わたしたちは素人なんだし。
まずは、定番野菜とハーブと持ってきた種たちを。
田んぼはその後ね。
お米や調味料のストックはまだあるから急がなくても大丈夫なはず。
あ、田んぼが失敗する可能性もあるし、調味料はどうしたって輸入だ。
グリーンフィールで輸入しているかどうかもチェックしておかないと。
そんなことを考えていたら、ラディがすっかりやる気になっていた。
「まずは何からやればいいかな?ごめん、俺、畑は全然わからない」
「わたしだって素人よ」
「そうなの?てっきり前世知識があるのかと」
「ないこともないんだけど、ざっくりとしたことしか知らないの。あとは、魔法と精霊に頼れば何とかなるんじゃないかという希望的観測」
「え、それで大丈夫なの?」
「何も考えてないわけじゃないのよ?」
「ほんとに?」
ラディの懐疑的な目がなかなか刺さるわね。
でも、負けないわ。
「まず、土魔法で土壌を整える。精霊にも調整してもらうつもりよ」
「うん」
「次に、種や苗を買ってくる。このときに育て方をちゃんと聞いてくるわ」
「ああ、専門家にも聞く予定だったのか。って、種はあるんじゃないの?」
「この国にあるものは、地の物のほうがいいと思って」
「そういうもんなのか」
「だと思うの。で、あとは、聞いた通りに植えて、精霊たちにも協力してもらえれば何とかならないかしら?」
「うーん。本当にざっくりしてるけど。何とかなりそうな気もする、かな?」
「でしょう?」
ほら!わたし、やればできる子。
だいたいね、さすがにすべてを完璧に覚えているわけじゃないから。
魔道具だって、結構な勢いで精霊や技術者を頼ってるもの。
「まあ、時間はあるし、少しずつ調べてがんばっていこうか」
「うん。美味しいごはんのためにがんばるわ」
「美味い飯のためだと言われると余計に気合が入るな。でも、ごめん。俺、土魔法は使えないんだよね。その間に、俺ができることある?」
いえ、そこは魔法バカのわたしに任せてください。
わたしが全力でやります。
ラディは休んでてもらって全然大丈夫なのだけど。
あ!そうだ。
「じゃあ、土を作っている間にやってほしいことがあります!」
「うん。何をすればいい?」
「鶏小屋を作ってほしいの」
「は?……畑の話じゃなかったの?鶏、どこから出てきたの?」
「卵もうちで収穫できたほうがよくない?」
「それはそうだけど……。リディ、今日はちょっと話が雑すぎないかな?随分と思いついたままに言葉にしてるよね?少し落ち着こうか」
あら?わたしとしたことが、畑にテンションあがっちゃってたのかしら。
でも、これで野菜と卵の入手が楽になるはず。
ラディには迷惑をかけちゃったけど、お料理がんばるから許してね。
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陛下への謁見も果たした。
無事、平民としての国民登録もできた。
バカ王子から解放されて、それなりにゆっくりできたと思う。
だから、そろそろ始めようかと思うのよね。
ラディはどうかしら?
「ラディ、そろそろね、労働っぽいことを始めようと思うんだけど」
「うん。リディのおかげでゆっくり休めたしね、俺もしっかり働くよ。俺にできることはあるかな?できる限り協力する。何でも言って」
「手伝ってくれるの?いいの?」
「もちろん」
ラディがとっても労働に前向き。
やっぱりワーカホリックなのかもしれない。
でも、手伝ってもらえるならば、正直ものすごくありがたい。
負担が少なくなるように、魔法を併用するつもりだし。
精霊たちにも手伝ってもらう予定だ。
だから、ふたりでできればそこまで重労働にはならないと思うのだ。
レンダル時代の働きづめ生活再来にはならないはず。
「ありがとう!あのね、まずは、定番の野菜とハーブを育てたいの」
「ん?」
「じゃが芋とか玉ねぎとか人参とか。葉野菜やキュウリやトマトもあったほうがいいわよね?他には何がいいかな?ラディは何か育てたいものある?」
「ちょっと待って。ごめん。リディ、何の話してるの?」
「え?畑に植えるものを決めようと思って」
「………もしかして、労働って畑のこと?」
「そうよ?畑仕事って結構体を動かすから、労働っぽいと思うんだけど」
あら?わたし、おかしなこと言ったかしら。
でも、個人的に畑は外せない案件なのよね。
グリーンフィールは精霊のおかげで作物の育ちがいいと聞いている。
おまけに、前世みたいに季節を問わず――この世界にも季節があって、場所によって気候も違う――、いろいろな野菜を育てられるらしいのだ。
これは畑をやるしかないと思う。
わたしは自家製の美味しい野菜を食べたい。
それに、流通していなくて手に入りづらいものが多いという裏事情もある。
この世界では大蒜や生姜といった裏方食材があまり売られていない。
スパイスやハーブだって種類が少ない。
ないわけではないのだけど、食材として使う発想がないみたいなのだ。
売ってないなら作るしかないし。
レンダル時代、料理長や商会の伝手を最大限に利用して、何ならダズルも巻き込んで、いろいろな食材を探した。そのおかげで料理の幅が広がったのだ。
それらの種や実はこちらに持ち込んで、いつでも作れる状態にしてある。
だから、わたしには畑をやらないという選択肢はないんだけど。
あ、そうか。ラディは元貴族だものね。
いくら平民になったからって、やっぱり農作業には抵抗があるのかな?
「あの、やっぱり畑仕事は嫌だった?」
「あ、いや、そんなこと、ないよ?うん、畑ね、畑。もちろん手伝う」
「無理しなくてもいいのよ?」
「無理なんかしてないよ。うん、そうだよね、畑あったら便利だよね」
やっぱりラディが戸惑っている。
うーん、これは。反対ではなさそうだけど、乗り気でもない感じ?
「あの、本当に嫌なら、」
「嫌じゃない。本当に。ちゃんと手伝う。畑、いいと思う。賛成」
今度は、前のめりで肯定。そして、何となくカタコト。
え、わたし、本当に強制するつもりはないのよ?
ラディの言葉を素直に受けていいのか、どうしたものか。
そう考えながら思わずラディをじっと見つめてしまったら、本当に嫌じゃないから、と何度も言ってくれたから、素直にお言葉に甘えてみようと思う。
手伝ってもらえてうれしいのは本当だし。
「ありがとう。じゃあ、よろしくね」
「うん。俺は料理に詳しくないから、植えるものはリディに任せるよ」
「わかったわ。とりあえずは、やっぱり、さっき言った定番野菜とハーブを育てようと思うの。あとは、レンダルから持ち込んだ種とかも植えるつもり」
「え、レンダルからわざわざ?種を?」
「レンダル産だけじゃないんだけど、公爵家で珍しい食材を集めてたの。そういう食材がないと、異世界料理が再現できないのよ」
「そうなのか?じゃあ、その珍しいのを優先で!」
強めにそう言われて、ちょっと笑ってしまったわ。
ラディは随分と異世界料理が気に入っているみたいだ。
「うふふ。わかった。ちゃんと植えるわ」
「そっか、そういう食材がないとあの料理ができないのか」
「全部が全部そういうわけでもないし、手作りは難しくて買うものも多いんだけどね。異世界料理と言えば、本当は、お米も育てたいのよ」
そうなんだよね。
できれば、田んぼも作りたい。
レンダルはパンが主食で洋食文化だったから。
この世界で料理を始めた頃は、前世の洋食料理を作ることが多かった。
でも、今では和食もよく作っている。
日本人だった記憶があるから、どうしたって和食が恋しくなるのだ。
だから、今でさえ、お米は常備しているけれど。
幼い頃、レンダルでは白米を食べないと知ったときは信じたくなかった。
食べないどころか、米すらないと知ったときは絶望したものだ。だから。
スパイスや裏方食材同様に、必死にお米を探した。
それはもう、馬鹿みたいに、必死でお米を探した。
結果、グリーンフィールの東側の島国は米食文化だということがわかった。
おまけに、その島国、ジング王国にはお味噌やお醤油もあったのだ。
これはもう日本なんじゃないかと思って――そんなわけはなかったけど――、更に情報を集めて、米酢、米酒、みりんまで見つけたわたしは偉いと思う。
我ながらよくやった。
ただ、レンダルは、米食が根付いていない上に内陸国。
島国ジングとの貿易は難しいと言われてしまった。
国として大した量の取引でもなく、輸送も大変となればしょうがないのだけど。
だからってここまできて諦められるわけもなく。
わたしは、お父様とお母様に頼み込んで、直接買い付けられるように手を回してもらったのだ。娘からのお願いとはいえ、よくわからない食材のために、かなりの労力とお金をかけてくれた両親には本当に感謝している。
両親のおかげで、何とか公爵家とジングで直接取引ができるようになって。
実際に和食を作って食べてもらったら、公爵家では、両親をはじめ使用人にも大好評で、定番メニューになるほどに受け入れられた。
そのため、今では、毎年かなりの量を取引している。レシピ交換をしたりして、ジングとも仲良くしているくらいだ。
当然、今回この国に来るときにお米も調味料も持ってきている。
でも、公爵家から離れた今、これからは、入手も大変になると思う。
だから、田んぼも作ってみたいのだ。
種籾も入手はしているのだけど。
「お米って、あの白い粒々だよね?」
「そうよ」
「海の向こうから輸入しているんだっけ?ここでも作れるの?」
「結構特殊な育て方なのよね。精霊パワーで何とかしたい感じ」
「え、それって、なかなか難しいってことじゃない?」
「うん。だから、畑に慣れてからにしようかな、って思ってる」
「そっか。そうだね。定番野菜や珍しい食材もあるし、最初から一気に何でもできないか」
本当にそうだ。最初から何でもかんでもできるわけがない。
いくら精霊たちがいるからと言っても、わたしたちは素人なんだし。
まずは、定番野菜とハーブと持ってきた種たちを。
田んぼはその後ね。
お米や調味料のストックはまだあるから急がなくても大丈夫なはず。
あ、田んぼが失敗する可能性もあるし、調味料はどうしたって輸入だ。
グリーンフィールで輸入しているかどうかもチェックしておかないと。
そんなことを考えていたら、ラディがすっかりやる気になっていた。
「まずは何からやればいいかな?ごめん、俺、畑は全然わからない」
「わたしだって素人よ」
「そうなの?てっきり前世知識があるのかと」
「ないこともないんだけど、ざっくりとしたことしか知らないの。あとは、魔法と精霊に頼れば何とかなるんじゃないかという希望的観測」
「え、それで大丈夫なの?」
「何も考えてないわけじゃないのよ?」
「ほんとに?」
ラディの懐疑的な目がなかなか刺さるわね。
でも、負けないわ。
「まず、土魔法で土壌を整える。精霊にも調整してもらうつもりよ」
「うん」
「次に、種や苗を買ってくる。このときに育て方をちゃんと聞いてくるわ」
「ああ、専門家にも聞く予定だったのか。って、種はあるんじゃないの?」
「この国にあるものは、地の物のほうがいいと思って」
「そういうもんなのか」
「だと思うの。で、あとは、聞いた通りに植えて、精霊たちにも協力してもらえれば何とかならないかしら?」
「うーん。本当にざっくりしてるけど。何とかなりそうな気もする、かな?」
「でしょう?」
ほら!わたし、やればできる子。
だいたいね、さすがにすべてを完璧に覚えているわけじゃないから。
魔道具だって、結構な勢いで精霊や技術者を頼ってるもの。
「まあ、時間はあるし、少しずつ調べてがんばっていこうか」
「うん。美味しいごはんのためにがんばるわ」
「美味い飯のためだと言われると余計に気合が入るな。でも、ごめん。俺、土魔法は使えないんだよね。その間に、俺ができることある?」
いえ、そこは魔法バカのわたしに任せてください。
わたしが全力でやります。
ラディは休んでてもらって全然大丈夫なのだけど。
あ!そうだ。
「じゃあ、土を作っている間にやってほしいことがあります!」
「うん。何をすればいい?」
「鶏小屋を作ってほしいの」
「は?……畑の話じゃなかったの?鶏、どこから出てきたの?」
「卵もうちで収穫できたほうがよくない?」
「それはそうだけど……。リディ、今日はちょっと話が雑すぎないかな?随分と思いついたままに言葉にしてるよね?少し落ち着こうか」
あら?わたしとしたことが、畑にテンションあがっちゃってたのかしら。
でも、これで野菜と卵の入手が楽になるはず。
ラディには迷惑をかけちゃったけど、お料理がんばるから許してね。
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