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七之助&栞 編

なんか妖怪 ③

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 そんな俺の反応を見て栞さんまでが、

「わたしも、わたしも見てみたいです。
さくらちゃん、協力してください ! 」

 俺の頭に乗っているサファイアを羨ましそうに見ていた、さくらが

「良いよ、お姉ちゃん ! 」

 と、言いながらよじ登ろうとしたが、

 ズシッ !

 なかなか登れない。
 そう、さくらは重たいのだ。
 猫の時の後ろ姿は座ると洋梨の形ににている。
 猫又に成る前に計った時は、8キロは有ったハズだ。
 間違っても『デブら』などとからかっては、いけない。

 キャット空中三回転キックを喰らっても知らないぞ!

 登れない さくらを抱いて栞さんの頭に乗せると、わずかにフラつきながらも余計なことを言わないあたりはさすがだと思う。

「見えます、わたしにも見えます !
 昔、図鑑で見た座敷わらし より凄く可愛いです 」





 褒められたせいか、座敷わらしも嬉しそうに見える。


「……よう !  お前達、仲良いな ! 」

「わたしの目にくるいは無かったでしょう、遼 ! 」

 いつの間にか、遼さんと香さんが来ていた。

  まあ、ふたりして猫を頭に乗せているんだから仲が悪く見える訳が無いよな。

 あっ、不味いぞ!
 タヌキ娘を見られたら大騒ぎに成ってしまうぞ !
 タヌキ娘に隠れるように言おうとしたら、元の狸の置物に変身していた。
 ……口のまわりに付いているアンコがあるから、間違いなくタヌキ娘が変身……化けたのだろう。
 あれで、バレないと思っているのだろうか ?

「いやいや、実際に七之助も栞ちゃんも見抜けなかったよね ?
 勘の良い香ちゃんは ともかく、遼には絶対にバレないと思うよ 」

 頭の上に居るサファイアが、また勝手に心を読みやがったな !

「わたし達が贈った狸の置物を家の中に置くようにしたのね。
 気に入って貰えて良かったわ 」

 と言いながらも狸の置物の顔をマジマジと見ている。
 まっ まずいぞ !  ……サファイア、ごめん !

「 ヘッ? 」

「 香さん、スミマセン。
 サファイア達が和菓子をイタズラしていて、アンコが狸の置物についてしまったんです 」

 そう説明しながら、タヌキ娘の口のまわりをきながら小声で、

「おとなしく置物のフリをしとおいてくれよ。
 後で、好きな食べ物をあげるからな 」

「干しいも、干しいもがいい。
 後、リンゴとバナナが食べたい 」

 狸は雑食だと聞いたことがあるけど、タヌキ娘は干しいもが気に入ったようだ。

 「ヴゥゥゥ !」

 ガシッ ガシッ、ケリ ケリ ケリ !

 頭の上に居るサファイアが唸りながら噛みついて猫キックをしている。

 スマン、サファイア。
 仕方がなかったんだ。

ニャアニャアニャアニャアニャアニャアボクにも !  ボクにもお詫びに美味しい食べ物を頂戴よ!
 ニャアニャアニャアそうだ !  さくらが自慢していたニャァオニャァオニャアニャアニャァオ『モ◌プチ・プラチナ超(スーパー)ゴールド』をご馳走してよ !

 おいおい、あのプレミアムな缶詰めを御所望ですか、サファイアさん。
 はぁ~、仕方がない。
 サファイアをダシに使ったから ご馳走するか。

ニャァオニャァオニャァオニャアニャアお兄ちゃん、ボクも食べたいからヨロシクね

 さくらまでがサファイアに便乗してきた。
ウゥ~、正直、お財布に大打撃だが、可愛いさくらの為だから我慢しよう。

ウニャァウニャァニャアニャアニャア本当に七之助は、さくらに甘いんだねぇ~

 俺の頭の中を読んだサファイアが、あきれていた。
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