18 / 71
気の緩み
しおりを挟む
「それじゃ、黒嶋くん。今日はお疲れ様」
「はい、お疲れ様です」
「今日は初めての深夜帯だったけど、大丈夫だったかい?」
俺は今日、店長と言う通り初めての深夜帯のシフトに入っていた。俺が深夜帯に入っていることはあくまで秘密なので、俺が深夜帯に入る時は店長も一緒に深夜帯のシフトに入ってくれるとのことだ。俺のわがままに付き合わせてしまって本当に申し訳なく思う.......。
「昼に寝ていたおかげか、思っていたより苦ではありませんでした」
「それなら、良かったんだけど辛くなったらちゃんと言うんだよ?」
「はい」
「それじゃ、今日はお疲れ様」
「お疲れ様でした」
俺はそう言って店を出る。早朝のシフトの人と鉢合わせてしまわないように、普通より15分ほど早くあがらせてもらっている。本当に店長には頭が上がらないな.......。
家の前にたどり着くと、部屋の電気がついていた。みゆは電気をつけたまま寝てしまったのだろうか?
「ただいま」
一応、みゆが寝ているかもしれないので小声で言ったのだがみゆは起きていた。
「おかえり和哉くん。お疲れ様」
「起きてたのか」
「和哉くんがバイトに行ってから1人で暇だったから本を読んでいたの」
みゆの言うことは本当なのだろう。なぜなら、みゆの布団の横には本が2冊ほど積まれており、みゆの手の中には本があるので恐らく2冊を読み終えて3冊目を読んでいる最中なのだろう。
「本を読むのもいいけど、ちゃんと寝ろよ?」
「もうすぐこの本も読み終わるから、読み終わったら寝るよ」
「そうか。それなら、風呂入ってもいいか?」
みゆが寝るなら、俺がシャワーを浴びる音はうるさいだろうから俺も寝て起きてから入ろうと思っていたのだけど、みゆが起きているならシャワーを浴びても問題ないだろう。
「もちろん」
みゆからの了承を得た俺はシャワーを浴びて、浴室から出るとみゆは本を布団の横に置いて、既に寝る体勢に入っていたのだが.......
「なんで、布団をくっつけてるんだ?」
みゆは俺の布団も引いていてくれたのだが、自分と布団と俺の布団をくっつけるような形で引いていたのだ。
「.......嫌なの?」
「べ、別に、嫌って訳ではないけど.......」
「なら、早く寝よ?」
嫌ではないから、問題ないという訳でもないと思うのだが.......けど、ここで布団を離したら嫌ってことになってしまうし.......よし! 何も考えずに寝てしまおう! 同じ布団で寝るわけではないのだからきっと大丈夫だろう! 何より、普通にもう眠い!
「それじゃ、電気消すぞ?」
「うん」
そう言ってみゆの引いてくれた布団に入って寝ようとするのだが.......すんなり寝れるわけなんてなかった。聞こえてしまうのだ.......耳をすましてる訳でもないのにみゆの息遣いが.......こんなの隣にみゆがいることを意識するなって言う方が無理だ。やっぱり、布団を離しておけば.......
「ねぇ、和哉くん」
「ん? なんだ」
「.......本当はね」
「本当は?」
「ううん。やっぱり、なんでもない」
「なんだよそれ」
「気にしないで。おやすみ」
そう言ってみゆは俺に背を向けてしまう。これはもう話しかけるなということだろう。.......みゆは何を言おうとしたんだ? 気にしないでって無理に決まっているだろ.......。そんなことを悶々と考えていると、いつの間にか俺は眠りについていた。
それからの日々は、みゆも俺の家に慣れてきたのかバイトから帰ってくるとご飯が用意されていたり、俺の深夜帯のシフトの日には布団を引いてくれていた。なぜだか、俺が深夜帯のシフトの日は本を読んで俺が帰ってくるまで起きているのだが。俺としてもみゆのいる生活に慣れてきており最初ほど緊張感はもうなくなっていた。しかし、問題というのはこういった気の緩んだ時に起こるのが常なのだ。俺はいつも通り、バイトに行こうと準備をしようと立ち上がったのだが、
「.......あれ」
立ち上がった瞬間。俺の視界は傾いていた。いや、俺自身が傾いていたのだ。
「和哉くん!?」
俺はそのまま倒れてしまい、みゆが俺の名前を叫んでいるのを聞いたのを最後に俺の意識は途切れてしまった。
「はい、お疲れ様です」
「今日は初めての深夜帯だったけど、大丈夫だったかい?」
俺は今日、店長と言う通り初めての深夜帯のシフトに入っていた。俺が深夜帯に入っていることはあくまで秘密なので、俺が深夜帯に入る時は店長も一緒に深夜帯のシフトに入ってくれるとのことだ。俺のわがままに付き合わせてしまって本当に申し訳なく思う.......。
「昼に寝ていたおかげか、思っていたより苦ではありませんでした」
「それなら、良かったんだけど辛くなったらちゃんと言うんだよ?」
「はい」
「それじゃ、今日はお疲れ様」
「お疲れ様でした」
俺はそう言って店を出る。早朝のシフトの人と鉢合わせてしまわないように、普通より15分ほど早くあがらせてもらっている。本当に店長には頭が上がらないな.......。
家の前にたどり着くと、部屋の電気がついていた。みゆは電気をつけたまま寝てしまったのだろうか?
「ただいま」
一応、みゆが寝ているかもしれないので小声で言ったのだがみゆは起きていた。
「おかえり和哉くん。お疲れ様」
「起きてたのか」
「和哉くんがバイトに行ってから1人で暇だったから本を読んでいたの」
みゆの言うことは本当なのだろう。なぜなら、みゆの布団の横には本が2冊ほど積まれており、みゆの手の中には本があるので恐らく2冊を読み終えて3冊目を読んでいる最中なのだろう。
「本を読むのもいいけど、ちゃんと寝ろよ?」
「もうすぐこの本も読み終わるから、読み終わったら寝るよ」
「そうか。それなら、風呂入ってもいいか?」
みゆが寝るなら、俺がシャワーを浴びる音はうるさいだろうから俺も寝て起きてから入ろうと思っていたのだけど、みゆが起きているならシャワーを浴びても問題ないだろう。
「もちろん」
みゆからの了承を得た俺はシャワーを浴びて、浴室から出るとみゆは本を布団の横に置いて、既に寝る体勢に入っていたのだが.......
「なんで、布団をくっつけてるんだ?」
みゆは俺の布団も引いていてくれたのだが、自分と布団と俺の布団をくっつけるような形で引いていたのだ。
「.......嫌なの?」
「べ、別に、嫌って訳ではないけど.......」
「なら、早く寝よ?」
嫌ではないから、問題ないという訳でもないと思うのだが.......けど、ここで布団を離したら嫌ってことになってしまうし.......よし! 何も考えずに寝てしまおう! 同じ布団で寝るわけではないのだからきっと大丈夫だろう! 何より、普通にもう眠い!
「それじゃ、電気消すぞ?」
「うん」
そう言ってみゆの引いてくれた布団に入って寝ようとするのだが.......すんなり寝れるわけなんてなかった。聞こえてしまうのだ.......耳をすましてる訳でもないのにみゆの息遣いが.......こんなの隣にみゆがいることを意識するなって言う方が無理だ。やっぱり、布団を離しておけば.......
「ねぇ、和哉くん」
「ん? なんだ」
「.......本当はね」
「本当は?」
「ううん。やっぱり、なんでもない」
「なんだよそれ」
「気にしないで。おやすみ」
そう言ってみゆは俺に背を向けてしまう。これはもう話しかけるなということだろう。.......みゆは何を言おうとしたんだ? 気にしないでって無理に決まっているだろ.......。そんなことを悶々と考えていると、いつの間にか俺は眠りについていた。
それからの日々は、みゆも俺の家に慣れてきたのかバイトから帰ってくるとご飯が用意されていたり、俺の深夜帯のシフトの日には布団を引いてくれていた。なぜだか、俺が深夜帯のシフトの日は本を読んで俺が帰ってくるまで起きているのだが。俺としてもみゆのいる生活に慣れてきており最初ほど緊張感はもうなくなっていた。しかし、問題というのはこういった気の緩んだ時に起こるのが常なのだ。俺はいつも通り、バイトに行こうと準備をしようと立ち上がったのだが、
「.......あれ」
立ち上がった瞬間。俺の視界は傾いていた。いや、俺自身が傾いていたのだ。
「和哉くん!?」
俺はそのまま倒れてしまい、みゆが俺の名前を叫んでいるのを聞いたのを最後に俺の意識は途切れてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
10年ぶりに再会した幼馴染と、10年間一緒にいる幼馴染との青春ラブコメ
桜庭かなめ
恋愛
高校生の麻丘涼我には同い年の幼馴染の女の子が2人いる。1人は小学1年の5月末から涼我の隣の家に住み始め、約10年間ずっと一緒にいる穏やかで可愛らしい香川愛実。もう1人は幼稚園の年長組の1年間一緒にいて、卒園直後に引っ越してしまった明るく活発な桐山あおい。涼我は愛実ともあおいとも楽しい思い出をたくさん作ってきた。
あおいとの別れから10年。高校1年の春休みに、あおいが涼我の家の隣に引っ越してくる。涼我はあおいと10年ぶりの再会を果たす。あおいは昔の中性的な雰囲気から、清楚な美少女へと変わっていた。
3人で一緒に遊んだり、学校生活を送ったり、愛実とあおいが涼我のバイト先に来たり。春休みや新年度の日々を通じて、一度離れてしまったあおいとはもちろんのこと、ずっと一緒にいる愛実との距離も縮まっていく。
出会った早さか。それとも、一緒にいる長さか。両隣の家に住む幼馴染2人との温かくて甘いダブルヒロイン学園青春ラブコメディ!
※特別編6が完結しました!(2026.1.21)
※小説家になろう(N9714HQ)とカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる