寒空の下、君を買う ~君が死ぬことは俺が許さない~

白浜 海

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日常

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 昨日から学校が始まったので、今日からまたバイトを再開ということで学校が始まるまでの5時から8時まで今日は早朝バイトの日であった。本来なら学校が終わってからも働きたかったのだがさすがにそれはまだ許されなかった。

「水口さんおはようございます」

「おはよう。お前ぶっ倒れて入院したって聞いてたけど大丈夫なのか?」

「はい、おかげさまで」

「それなら良かったけど、無理ばっかすんなよ?」

「はい」

 水口さんと軽く言葉を交わしてから俺は店の裏に入って、バイトの準備をしていると

「あっ、秋風おはよう」

「おはようって黒嶋くん!? 復活するなら教えてよ!」

 秋風がやって来たから挨拶をしてみるもいいリアクションをしてくれる。秋風には今日からまたバイトを再開するとは言わずに驚かせてみたかったのだ。秋風とは入院している間にお見舞いLINEがきて、そのまま入院中の暇つぶしにLINEでメッセージのやり取りに付き合ってもらっていたのだが、退院した今でもそれが続いていたりする。

「悪い悪い。ちょっとした出来心だったんだよ」

「もう! 黒嶋くんの代わりに誰がシフトに入ってたと思ってるの!」

「主婦の方々?」

「ほとんど私だよ!」

「冗談だよ。そのことについてはマジで助かった。ありがとう」

 今日からまた、バイトを再開するという電話を店長としていた時に教えてもらっていたのだ。俺の代わりのシフトのほとんどを秋風が代わりに入ってくれていたからお礼を言っておくようにと。

「そういうことだからまた今度なんか奢ってよね!」

「はぁ.......仕方ねぇな」

「やったぁ! それじゃ、駅前のクレープ屋さんのスペシャルストロベリーカスタードクレープで! ちなみにお値段なんと1200円です!」

 なんだその偏差値の低いネーミングに対してカロリーが馬鹿みたいに高そうなクレープは.......。しかもクレープ1個1200円って.......まぁ、秋風には迷惑をかけたみたいだしそれくらいならいいか。

「分かったよ」

「それじゃ、また暇な日教えるからよろしくね!」

 そう言って秋風はタイムカードを切って裏から出てレジの方に向かっていく。俺もそれに続くようにタイムカードを切って今日の労働に勤しむのだった。

 早朝から3時間の労働に勤しんだあと途中までは秋風と一緒に学校に向かうが、秋風と俺は別の高校に通っているので途中で別れる。それから、10分ほどで俺の高校に到着する。教室に入るとみゆは既に来ていて本を読んでいた。みゆが顔を上げて俺が来たことに気づくと優しく微笑みかけてくるので、俺も軽く頷いておく。.......1ヶ月前だとみゆとは話したこともなかったていうのが嘘みたいだな。ずっと前から仲がよかっ様な気さえ最近ではするのだ。それだけ、みゆが俺に対する態度が気安くなってきてくれているからだろうか?

「おはよう和哉! 朝から見せつけちゃってくれるな!」

「おはよう。なんの事だ?」

「他のやつは気づいてなかったけど俺は2人のお熱いアイコンタクトを交わしているのを見逃さなかったからな!」

 お熱いアイコンタクトってなんだよ.......熱いのだからアイコンタクトを交わしただけで目が焼けるのか? 嫌だよそんなの。絶対痛いじゃん。

「.......和哉。絶対に見当違いなこと考えてるだろ?」

「?」

「はぁ.......」

 何故だか、慎也が呆れているがどうせ対した事でもないだろうからどうでもいいだろう。そんな感じに慎也と俺の席でだべっていると担任の教師が入ってきて朝のホームルームが始まった。それからは、特に何事もなく学校が終わり家に帰りみゆとご飯を食べて寝る。そんな平和な日々のサイクルをしばらく送っていると、やつが目前に迫っていた.......。高校生の天敵であり、テから始まってトで終わるカタカナ3文字の悪魔。そう、テストが1週間後に迫ってきていたのだ.......。
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