29 / 756
婚姻式の日 ~王子宮にて~
王宮にて行われている婚姻式は、ここ最近では最も時間が掛かっており王子宮での準備は早々に済んでしまった。
男爵令嬢の荷物も少なく、室内の家具や調度品の数々も最低限必要な物だけであった為だ。
今までの輿入れを経験して必要であろう人員を配置したのだが、王太子妃・第2王子妃とそれぞれの側妃と比べても圧倒的に少なかった。
ガランと広い居室にわずかばかりの家具……大した調度品も無く華やかさの欠片も無い。
あえて言うならば、学園寮の荷物が運び込まれた?位の少なさであった。
早々に終わってしまった以上、する事が無くなった者達は王子宮から退き詰め所に戻ったのだが第3王子妃の荷物の話はその日のうちに王宮中に広まる事となる。
さて、荷物の搬入や配置も終わった第3王子妃の居室では新たに配置された侍女頭と部屋付きの侍女及び護衛の女騎士とメイド達が集まっていた。
彼女達が浮き立つ気持ちで入った居室は、
大層貧相で一瞬で気持ちが萎んでしまった。
この先王宮勤めの者達から、さぞかし同情されるであろう事は想像に難しく無かった。
何人産むか分からないが、数年間出られない暮らしをするのに何とも寂しい限りの居室の主を思うと不安しか無かった。
侍女頭から幾つかお決まりの注意事項を聞かされたが、その程度では済まないだろうと皆一様に浮かない顔になっていた。
誰も一言も話すこと無く、部屋の隅にそれぞれかたまっていた。
ーコンコンコンー軽いノックが響く
居室に居た全員が扉を注視した。
「失礼いたします。」
そう言って入室してきたのは、王妃付きの侍女のお仕着せを着た女性が4人だった。
「どういった御用でございましょう?」
侍女頭が1番年嵩の行っている侍女に聞いたが、その侍女はもう少しだけ若い侍女を見やるとコクリと頷きその侍女は1歩前に出て侍女頭へと話しかけてきた。
「前婚約者だった侯爵家から参りました。私達は証立ての儀を迎えるにあたって様々な技術を磨き、また快く臨めるよう準備してきました。お話が消えた事は残念ですがこの日の為に頑張って参りました。侯爵様より事情を伺い、せめて私達だけでもお輿入れする令嬢に証立ての儀を快く臨めるようお手伝いしたいと申し出ました所侯爵様が許して下さりこちらに伝手を聞いていただきました。僅かばかりのお時間ですが、是非とも私達にご令嬢の準備を任せていただけないでしょうか?」
侍女として述べるフェリシアの言動に、悪意も害意も感じる事が出来なかった侍女頭はこの申し出を喜び受け入れた。
男爵令嬢の荷物も少なく、室内の家具や調度品の数々も最低限必要な物だけであった為だ。
今までの輿入れを経験して必要であろう人員を配置したのだが、王太子妃・第2王子妃とそれぞれの側妃と比べても圧倒的に少なかった。
ガランと広い居室にわずかばかりの家具……大した調度品も無く華やかさの欠片も無い。
あえて言うならば、学園寮の荷物が運び込まれた?位の少なさであった。
早々に終わってしまった以上、する事が無くなった者達は王子宮から退き詰め所に戻ったのだが第3王子妃の荷物の話はその日のうちに王宮中に広まる事となる。
さて、荷物の搬入や配置も終わった第3王子妃の居室では新たに配置された侍女頭と部屋付きの侍女及び護衛の女騎士とメイド達が集まっていた。
彼女達が浮き立つ気持ちで入った居室は、
大層貧相で一瞬で気持ちが萎んでしまった。
この先王宮勤めの者達から、さぞかし同情されるであろう事は想像に難しく無かった。
何人産むか分からないが、数年間出られない暮らしをするのに何とも寂しい限りの居室の主を思うと不安しか無かった。
侍女頭から幾つかお決まりの注意事項を聞かされたが、その程度では済まないだろうと皆一様に浮かない顔になっていた。
誰も一言も話すこと無く、部屋の隅にそれぞれかたまっていた。
ーコンコンコンー軽いノックが響く
居室に居た全員が扉を注視した。
「失礼いたします。」
そう言って入室してきたのは、王妃付きの侍女のお仕着せを着た女性が4人だった。
「どういった御用でございましょう?」
侍女頭が1番年嵩の行っている侍女に聞いたが、その侍女はもう少しだけ若い侍女を見やるとコクリと頷きその侍女は1歩前に出て侍女頭へと話しかけてきた。
「前婚約者だった侯爵家から参りました。私達は証立ての儀を迎えるにあたって様々な技術を磨き、また快く臨めるよう準備してきました。お話が消えた事は残念ですがこの日の為に頑張って参りました。侯爵様より事情を伺い、せめて私達だけでもお輿入れする令嬢に証立ての儀を快く臨めるようお手伝いしたいと申し出ました所侯爵様が許して下さりこちらに伝手を聞いていただきました。僅かばかりのお時間ですが、是非とも私達にご令嬢の準備を任せていただけないでしょうか?」
侍女として述べるフェリシアの言動に、悪意も害意も感じる事が出来なかった侍女頭はこの申し出を喜び受け入れた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について
みん
恋愛
【モブ】シリーズ①(本編)
異世界を救うために聖女として、3人の女性が召喚された。しかし、召喚された先に4人の女性が顕れた。そう、私はその召喚に巻き込まれたのだ。巻き込まれなので、特に何かを持っていると言う事は無く…と思っていたが、この世界ではレアな魔法使いらしい。でも、日本に還りたいから秘密にしておく。ただただ、目立ちたくないのでひっそりと過ごす事を心掛けていた。
それなのに、周りはおまけのくせにと悪意を向けてくる。それでも、聖女3人のお姉さん達が私を可愛がって守ってくれるお陰でやり過ごす事ができました。
そして、3年後、聖女の仕事が終わり、皆で日本に還れる事に。いざ、魔法陣展開で日本へ!となったところで…!?
R4.6.5
なろうでの投稿を始めました。