婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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本日の見守り隊!

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我々は栄えある、立ち歩きネコ・見守り隊である!
美しく猛々しい我等の敬愛する御当主様のご令嬢であるエリーゼ様のテイムした、タマちゃんとトラジちゃんの立ち歩きネコの2匹と、エリーゼ様の婚約者であるゴルゴダ帝国皇太子の子息であるルーク殿下の立ち歩きネコノエルちゃんを見守る者達で結成した隊である!
本日はエリーゼ様が大変お疲れでタマちゃんとトラジちゃんを置いて、早々に馬車にお戻りななられたのだ。
言わば主の居ない自由を満喫する2匹を思う存分眺める時間が、いつもより沢山ある!と言う事だ。これは初めての事では無かろうか!

ノエルちゃんとニャッニャッと楽しそうにフワフワパンケーキを頬張る3匹は、とても可愛い!
お揃いの法被とか言う胴衣も何とも可愛くて勇ましい!
バンダナとか言う首に巻いてるのも可愛い!
だがっ!それよりも我々を震わせてるのは、エプロンとスカーフだっ!
白いエプロンはいつでも真っ白で3匹の清らかさが現れてる!
スカーフもキュッと首に巻いてるが、バンダナと違って風にはためく姿は可憐としか言いようがないっ!
今まで我々は立ち歩きネコと言う魔物と出会う事無く生きてきた。
いや、ひょっとしたら出会っていたかも知れない!だが、その可愛さや可憐さを知らずに生きてきた!

「あぁ、済まない。悪いがあの3匹を見ていて欲しいのだが、頼めるだろうか?」

ルーク殿下が我等に素晴らしい提案をっ!

「いかが致しましたか?」

「湯あたりをした訳ではないが、なんだか体を休めたくてね。だがあの3匹が楽しそうにしているのに、戻れとは言い辛くてね。頼めるようなら、3匹には一緒にいて良いと伝えるがどうだろう?」

なんと素晴らしいお心っ!

「勿論、ルーク殿下が仰るならば我等がしかとお守り致しますぞ!」

クックッと笑うルーク殿下に、何ともドキマギする。

「じゃあ、頼むよ。おーい!タマ、トラジ、ノエル、好きなだけ一緒にいて良いぞ。夜起きてる人達が見ていてくれるからな。遠くに行くなよ。」

「ご主人?いいにゃ?タマにゃんとトラにゃんといっしょにいていいにゃ?」

ルーク殿下はグリグリとノエルちゃんの頭を撫でると、優しく微笑み……

「良いよ。まだ、パンケーキ食べたいんだろ。ちょっと疲れちゃったから、先に寝てる。後でちゃんと帰っておいで。」

「はいにゃ!」

トタトタとタマちゃんとトラジちゃんの所に駆け戻ったノエルちゃんがルーク殿下に手を振ってる……可愛いっ!
しかも3匹揃って、手を降り出した!
心の中にしっかり留めておこう!

「やったな!今夜はツイてる!」

「全くだっ!」

我等、立ち歩きネコ見守り隊!
今日と言う日を喜ぼう!
いつもの短時間ではなく、パンケーキを頬張る姿を存分に眺めておこう!

俺達は小さな円陣を組んで、小さな雄叫びを上げた。
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