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青氷の薔薇 2 注意!このお話は過去のお話です!
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外は既に夕暮れだが、カーテンは引かれ室内は魔道具の明かりで満たされていた。
「フェリシア様は交換留学の件で旦那様に直談判なさるのですか?」
エミリはいまだフェリシアの真意が読めず、迷いながら聞いている。そんなエミリを見て、フェリシアは内心で『エミリは可愛いわね。』等と全く違う事を考えていた。
「まぁね。もし、本当だったら私王国に行ってみたいと思って。」
サラリと思いも寄らない事を言われ、エミリは笑顔が張り付いたまま呆然とフェリシアを見つめた。少したってやっと何を言われたか理解し、フェリシアが何を考えているのか真意を探らなければとフェリシアに対してキツい眼差しで見詰める。
「エミリ、そんな怖い目で見ないで頂戴。こんな下らない策を講じる愚かな王国民を見てみたいと思ったのよ。だって余りにも愚かでしょう。」
クスクスと笑いながら話すフェリシアは上機嫌にしか見えなかった。だが、それは決してフェリシアという娘を知らない者の見解だ。フェリシアは曰く策士だと言う者もいれば、フェリシアは恐ろしい術を持つ敵にしてはならない悪女だと言う者もいる。
策士で悪女で敵対する者は徹底的に潰しに掛かる、そこらの男よりも恐ろしい術者こそがフェリシアと言う娘だ。
「何をお考えか、このエミリにだけは教えて下さるのでしょう?」
真剣な面持ちでフェリシアをヒタと見詰めるエミリの目に、恐れは無かった。それはエミリが自分かフェリシアかどちらかが死ぬまで側に居ると誓った間柄だったからだ。
特殊な環境と術を使う女だけの組織『シルヴァニア・ファミリー』に属し、魔法とは違う術でもって人の生死を問う。その組織においてフェリシアは上から数えた方が良い程の術者であり、エミリはその術に惚れ込み己の全てをフェリシアに捧げる事を『シルヴァニア・ファミリー』の組織の本拠地であるシルヴァニア公爵領・シルヴァニア山の山頂近くに切り開かれた通称里と呼ばれる場所で誓ったのだ。
このシルヴァニア山はまだ帝国になるよりも遥か昔からシルヴァニア一族が住む高山で、その高さは普通の山よりも遙かに高い山で国境の山程高いと言われている。
フェリシアはエミリに微笑み、一口紅茶を飲んでから告白する。
「別に、だって学園のめぼしい他家の令嬢とは遊び飽きてしまったのよ。分かるでしょう?もう私に盾突く娘はいないし、使える娘も手に入れてしまったのよ。新しい娘を手に入れれるのなら、それに越したことは無いでしょう?先々を考えれば、言いなりになる娘が王国に居たら便利でしょう?」
それは、ある意味帝国からの刺客でしか無い発言だった。だがエミリはなる程と頷いた。フェリシアは帝国の裏を統べる『シルヴァニア・ファミリー』の里長様・次長様に次ぐ大婆様の孫娘なのだ。
「分かりました。では、交換留学の話が本当ならば私もお連れ下さい。」
「勿論よ、エミリが居なかったら私詰まらなくて死んでしまうわ。」
幼い頃から里で一緒に様々な事を学んだ間柄でもあるのだ、離れないと誓っても言葉で確認するのが大切な事を二人は良く知っていた。
「フェリシア様は交換留学の件で旦那様に直談判なさるのですか?」
エミリはいまだフェリシアの真意が読めず、迷いながら聞いている。そんなエミリを見て、フェリシアは内心で『エミリは可愛いわね。』等と全く違う事を考えていた。
「まぁね。もし、本当だったら私王国に行ってみたいと思って。」
サラリと思いも寄らない事を言われ、エミリは笑顔が張り付いたまま呆然とフェリシアを見つめた。少したってやっと何を言われたか理解し、フェリシアが何を考えているのか真意を探らなければとフェリシアに対してキツい眼差しで見詰める。
「エミリ、そんな怖い目で見ないで頂戴。こんな下らない策を講じる愚かな王国民を見てみたいと思ったのよ。だって余りにも愚かでしょう。」
クスクスと笑いながら話すフェリシアは上機嫌にしか見えなかった。だが、それは決してフェリシアという娘を知らない者の見解だ。フェリシアは曰く策士だと言う者もいれば、フェリシアは恐ろしい術を持つ敵にしてはならない悪女だと言う者もいる。
策士で悪女で敵対する者は徹底的に潰しに掛かる、そこらの男よりも恐ろしい術者こそがフェリシアと言う娘だ。
「何をお考えか、このエミリにだけは教えて下さるのでしょう?」
真剣な面持ちでフェリシアをヒタと見詰めるエミリの目に、恐れは無かった。それはエミリが自分かフェリシアかどちらかが死ぬまで側に居ると誓った間柄だったからだ。
特殊な環境と術を使う女だけの組織『シルヴァニア・ファミリー』に属し、魔法とは違う術でもって人の生死を問う。その組織においてフェリシアは上から数えた方が良い程の術者であり、エミリはその術に惚れ込み己の全てをフェリシアに捧げる事を『シルヴァニア・ファミリー』の組織の本拠地であるシルヴァニア公爵領・シルヴァニア山の山頂近くに切り開かれた通称里と呼ばれる場所で誓ったのだ。
このシルヴァニア山はまだ帝国になるよりも遥か昔からシルヴァニア一族が住む高山で、その高さは普通の山よりも遙かに高い山で国境の山程高いと言われている。
フェリシアはエミリに微笑み、一口紅茶を飲んでから告白する。
「別に、だって学園のめぼしい他家の令嬢とは遊び飽きてしまったのよ。分かるでしょう?もう私に盾突く娘はいないし、使える娘も手に入れてしまったのよ。新しい娘を手に入れれるのなら、それに越したことは無いでしょう?先々を考えれば、言いなりになる娘が王国に居たら便利でしょう?」
それは、ある意味帝国からの刺客でしか無い発言だった。だがエミリはなる程と頷いた。フェリシアは帝国の裏を統べる『シルヴァニア・ファミリー』の里長様・次長様に次ぐ大婆様の孫娘なのだ。
「分かりました。では、交換留学の話が本当ならば私もお連れ下さい。」
「勿論よ、エミリが居なかったら私詰まらなくて死んでしまうわ。」
幼い頃から里で一緒に様々な事を学んだ間柄でもあるのだ、離れないと誓っても言葉で確認するのが大切な事を二人は良く知っていた。
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