婚約破棄されまして・裏

竹本 芳生

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昼前のトール。

面倒くせぇ……昼までに計画書類を上げろとか、父上め!自分が仕事から逃げれないからって時間制限掛けやがって!本当は自分が行きたい!ってのは分かる!兄貴も俺の事うっかり殺しそうな目で見てた気がするしな!ガリガリと計算しながら書類を仕上げていく。

「よし!出来た!大まかだけど、途中でどうとでもなるしエリーゼが居るから大抵の事はどうにかなる気がする!時間はまだあるけど、父上に出して来る!」

俺は大声で叫んで、固まった肩や背中を解すために大きく伸びをした。ヒョイと隣から書類を覗き込まれる。頬を掠めたフレイの髪にニヤリと笑って、フレイの首筋にキスをする。

「ンッ!何してんですか。全く、ここの数字これで良いんですか?」

軽く怒られて、トントンと指で示された書類の箇所を見る。

「ん?ヤベッ……桁間違ってた!助かった!」

慌てて書類を訂正するとクスクスと笑われた。

「これも俺の役目ですからね。ゴシュジンサマ。」

そう言うとフレイはクイッと首を捻って口付けて行く。離れようとするのを髪の毛を掴んでとめる。俺も首を伸ばしてフレイに噛みつく様に深い口付けをする。これ位は大目に見て貰いたい。

「さて、俺はこれを父上の所に持ってく。悪いが俺あての手紙を少し片付けてくれ。」

昼までには余裕があるし、父上は大人しく執務室で仕事してるだろう。
……執務室の父上は有り体に言えば、ルークの立ち歩き猫のノエルとイチャイチャしていた。

「おい……父上様よ……計画書出来上がったんだが。」

途端に、キリッといつもの父上になって執務机に戻って書類をザッと見る。こんな顔してると、やっぱり領主なんだな……と思う。

「父上、息抜きも大事だと思うけど、だらしない顔してたらエリーゼや母上に叱られると思うぞ。」

「ハハハ……そうそう来る事も無いだろう。」

そうかよ……

「まぁ、気を付ける事だな。」

「ハハハ……気にしすぎたよなー!な、ノエル。」

父上……いや、言うまい。どうせ今日で暫くお預けになるんだからな。とりあえず必要物資の書類は出したし、これで少しは気が楽になるってもんだ。
俺は気分良く足取りも軽く自室へと戻った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時間的にはエリーゼが来た後でエリーゼがお父様の所に来る前の話。
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