婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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新天地を! 157

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「さて……と、この眺めも今だけかな?この段々畑でお米を作って、裏側の果樹園に下の果樹園と畑……果樹園はどんどん木が育って、沢山の人が街中て暮らして……きっと賑やかになるよ」

トールお兄様が麓を見つめながら話し掛けて来ました。

「望んだ姿です」

遠くに見える紺碧の海を見据え、本心を告げる。

「それにあの大勢で入れる湯浴みも良い」

「あー……ス……大衆浴場ですね」

「大衆浴場か……名前は、決まってるのか?」

トールお兄様との会話が止まりません!

「いえ。特には……来る途中の果樹園の向こう……川向こうのは決まってますけど」

「へぇ……待てよ、確か何か書いてあったな……スパリゾート何とか」

書いた記憶がうっすらとあります。ノリでしたけど、書いといて良かったです。

「あちらはあちらで這入りたい方が入れば良いと思います。でもこちらは……うーん……ルーク、何か良い案はありませんか?」

とりあえず名付けに関しては私よりもセンスのあるルークに丸投げしておきましょう。

「どうせなら街の名前と同じで良くないか?」

「街の名前?」

ルークに聞かれたけど、街の名前ってなにかかしら?

「トールお兄様?」

「決めてない!」

どキッパリ言いやがりましたわよ、トールお兄様ったら!

「何で……」

「簡単だよ、この開拓地の発案と立ち上げはエリーゼなんだから」

ドヤ顔で言いやがりましたわよよ!

「エリーゼ発案……」

「そうそう!だから街の名前がエリーゼでも良い位だよ」

「それは嫌っ!」

トールお兄様め!何言ってるのよ!

「エリの湯とか……」

「おっ!良いね!エリノユの街か!」

「え?ちょっ……違っ!」

「良い名前ですね、エリノユの街。きっと旦那様も奥様も喜びますね」

ルークの呟きを拾ったトールお兄様が良い感じに勘違いし、訂正しようとしたルークを遮るようにフレイがダメ押しした!
これはもう、『エリノユ』が街の名前に決定されてようなものよ……
多分ルークは私の名前エリーゼからエリを取って、お湯の湯を合体させてエリの湯って言ったと思うけど……エリノユって知らない人が聞いたら、普通に良い響きの街名だわ。

「そうだな!さすがルークだ、この街はエリノユ。で大衆浴場だっけ、あれ……はエリノユ浴場かな?どう思う?」

「宜しいですね。エリノユ浴場!きっと他所からもエリノユ浴場に来る者も出て来ますよ。領都からも近いですしね」

何かトールお兄様とフレイが有能な経営者に見えて来た……
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