婚約破棄されまして(笑)

連載

嫁入り支度

おはようございます！エリノユの街の事は昨日で一段落ついたので、今日からは婚姻準備です！いつもと同じ調子で朝ご飯を済ませ、自室に戻りソファに座ってルーク待ちです。
ここで軽く説明しましょう！私達（私とルーク）が今暮らしてるのが本館（お父様やお母様もお部屋は本館です）、そしてお祖父さまとお祖母さまは本館の後ろに建てられた別館。
そして本館の左（正面から見たら右です）がトールお兄様が暮らしており、本館の右（正面から見たら左です）がキャスバルお兄様が暮らしております。
そして別館の更に後ろに建てられたのが新館になります。左右に高い尖塔もあり、本館から最も遠いのですが湯の館に一番近いのです。
正面玄関を見て左側は兵舎や厩などがあり、右側は使用人棟や倉庫があり前庭の宴も右側で行われます。
新館が最も大きく高く作られて遠目からも見えます。その新館の一部に住む訳だけど、仮住まいって事になるのかしら？
ずっとここで暮らす訳にはいかないわよね……さすがに……

「エリーゼ、待たせた」

「えっ？」

一体いつの間に……ってカワイコちゃん達もアニスも困り顔って事は私が気が付かなかったって事か……
ルークも少し困り顔だから、これは私が悪かったのね。

「考え事をしていたの。さ、新館に行きましょう」

ソファから立ち上がりアニスの先導で新館へと向かう。
長いです。本館の私の自室から新館に行くには別館を通り過ぎて、長い渡り廊下を歩いて新館へと辿り着くのです。
本館と別館の間も決して短くないのです……それなりに広い中庭もありますからね。でも、その倍以上もあるんです……別館から新館に伸びる渡り廊下……
これを毎日行き来すんの？ご飯の度に？新館から本館一階の食堂まで行くだけで結構な距離ですやん……
これを一日三回はそれなりの運動量ですね。体力あって良かったわ！

「これは大変ですね。ね、エリーゼ様」

アニスも真剣です。

「そうね。でも慣れればいつもの事と笑える様になるわよ」

そう信じて毎日をこなそう。……毎日三回往復するだけで痩せそうよ（笑）

「そうですね……」

「この距離は中々だな……」

アニスとルークのブルーな返事。カワイコちゃん達は平気そうです。
渡り廊下の窓から見える新館は大きくてピカピカでロマンティックです。ベルサイ〇宮殿みたいな白っぽい感じとかお母様の趣味が投入されてそうです。然り気無くお母様の馬車に似てる気がしますからね！