婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

文字の大きさ
上 下
971 / 1,267
連載

春が来た! 36

しおりを挟む
そのまま引き寄せられて抱き締められたら私の心臓の音バレちゃう……

「ドキドキする……」

「ドキドキしてるの?」

「してるよ」

「私も……」

どうしよう……桃の花のピンク色と相まって世界がピンク色に見える……

「あったかい……」

し、良い匂いする……何だっけ……スハスハだっけ?何か分かる……

「エリーゼ……何でそんなに匂い嗅いでるの?さすがに照れるんだけど」

「えっ!」

ルークが照れる程、匂い嗅いじゃった?乙女のやる事ではないのに!恥ずかしい!

「こっちはまだコロンとか無いだろ?シュバルツバルト邸には石鹸とかあるから、まだマシだけど……そんなに普及してないんだよな……」

ん?石鹸なか……無かったわ!そうだった。

「石鹸……普及させてなかった。エリノユには出してたけど……そっか、まだまだだったわね……」

それにコロン……香水か……香水は良く分からないけど、それっぽいのは知ってるから何とかなるかな?てか、ナビさんが分かる筈!

(ね!ナビさん!)

〈勿論ですマスター。香水も勿論作れますし、コロンにする事も簡単です。あっ!チビナビ達っ!〉

(ナビさん?どうしたの?)

〈申し訳ありません。チビナビ達が暴走して香水や精油作りを始めました〉

(え……早くない?)

〈マスターが喜ぶと思っての行為です、早々に出来上がると思います〉

(ありがとう。楽しみに待ってる)

「エリーゼ?何をニヤニヤしてるの?」

覆い被られる様に覗き込まれてて、ビックリしました……

「にっ……ニヤニヤしてた?」

「してた。ちょっと悪い顔してたな」

クスリと笑う顔がちょっとだけ悪くてドキンとします。
もう!こんなにドキドキさせて、どうするつもり!

「あの……あのね、香水とかコロンが作れるみたいなの。だからね、ちょっと待っててくれる?」

パァッ!とルークの顔が輝いた気がしました。

「待つとも!愉しみだな!ハーブとか花びらの乾燥したやつの移り香位しか無かったから、メッチャ楽しみだよ!」

「ふーん……前世では使ってたんだ……」

「ん?そりゃあコロン位使わないと会社で嫌われるだろ?工員じゃないんだからって、工員でも使ってるヤツはいたから普通なんだと思ってたけど」

「さすが都会は違う……田舎だったから、そもそも若い衆が少なかったからね……」

過疎化の哀しみよ……
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

頭ゆるふわ横恋慕聖女様の行く末は

恋愛 / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:96

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:355pt お気に入り:20,379

白い結婚の契約ですね? 喜んで務めさせていただきます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,473pt お気に入り:64

グラティールの公爵令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:18,077pt お気に入り:3,350

放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:319pt お気に入り:3,129

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:342

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。