婚約破棄されまして(笑)

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春が来た！ 134

「ふふっ……エリーゼ様。貴族令嬢は大変ですわよね？」

「あら？ラーラルーナ様ったら……でも貴族令嬢の暮らしは大変ですわね」

いや、正直ホントに大変だと思うのよ。基本、人の手が掛かると言うか掛けないといけない暮らしって言うのがね。

「でもラーラルーナ様、私達貴族令嬢が雇用促進を担っている一面もありますのよ。ドレス一着取っても、本来ならドレスメーカーに布問屋にそれらに携わる人達……私達貴族は民の暮らしを守るのも仕事の一つですわ。尤もやり過ぎては、それも問題になるでしょうけど。……今回のラーラルーナ様のドレスは我が家の専売となるドレスだから、気になさらなくて良いですのよね？お母様」

一応確認！勿論お母様に！
お母様はニッコリ笑顔で私達を見る。

「勿論よ。ラーラルーナ嬢は一年後には私の娘になるのだし、そのままこちらに持って来れば良いだけです。帝国に帰っている間にこちらのドレスや履き物に慣れてくれれば良いのです。そうそう、馬車にも慣れて頂戴ね。帝国の馬車とは少し違いますからね」

「はっ……はいっ！」

あら？途端にラーラルーナ様が緊張しだしたわ。
ん……？ツンツンされてる？

「ラーラルーナ様？」

「エリーゼ様、馬車って……そのどんな馬車かしら？その……こちらに来る時に見た馬車かしら？」

え？あ……あー……

「違いますわ。室内はかなり広い豪華な馬車ですわ」

「え……そんな豪華な馬車を私に？」

「安心して下さい。豪華と言っても旧型の馬車になりますから。ちなみに新型は外装内装豪華でサスペンション導入で強力で新しいな魔物除けが取り付けてある、安心安全ゆったりと旅を満喫出来る特別仕様ですから」

「……え？」

「旧型も外装内装豪華で強力な魔物除けが取り付けてありますが、サスペンション無くて若干ゆったりとは言い難いかしら？」

「それを貸して頂ける……と言う事かしら」

「お母様、貸し出しと捉えてもよろしいのかしら？」

ちろりとお母様の顔を伺う。

「ええ。そうね、貸し出しと捉えて貰って良いわね。でも気にせず使って頂戴、ラーラルーナ嬢専用の馬車はこちらに来た時には出来上がっている筈だから」

「え？」

「ラーラルーナ様、我が家は一人一台システムですのよ」

そう、田舎あるあると同じなのです！一人一台システム導入しても問題無い程度にお金持ちなんですのよ！