婚約破棄されまして(笑)

連載

春が来た！ 135

「そう……そうなのね」

「ええ。我が家の馬車に慣れて来れば、あちらこちらに出掛ける事に何等思うところも無くなりますからね」

あー……最初、我が家の馬車豪華過ぎて慣れるまでは緊張するって言われるのよね。

「そんなに？」

「そんなにですわよ。ビックリしますわよ、おとぎ話に出て来る様な馬車ですもの」

私の一言でビックリ顔になるラーラルーナ様可愛い！

「お話しが弾むのはとても良い事だけど、時間は大丈夫かしら？向こうはもう良くて？」

お祖母さまの問いにハッ！となる。それはお母様も同じ様だったらしく、私と視線がバチッと合いましたわ！

「そうでしたわ。お義母様、ありがとうございました。さ、エリーゼ、ラーラルーナ嬢エルフの集落に行きますわよ！」

お母様の気合いが入った様です。ホホホ……とお祖母さまの笑い声を聞きながら立ち上がり、お母様とラーラルーナ様と私はサロンを後にした。
勿論、侍女も一緒です。
それにしても、ラーラルーナ様が連れて来た侍女はどうしたのかしら？
道中、歩きながら聞いてみる。

「ラーラルーナ様、ラーラルーナ様の連れて来た侍女ってどうなってますの？」

「ああ、カリーナの事？彼女は元々お母様の侍女で、今回私がこちらに来るにあたってお父様に命令されて同行してるのよ。だからこちらに来てマリエルを付けて頂いてとっても嬉しくて」

「え？ちょっと待って！ラーラルーナ様、決まった侍女がいなかったんですの？」

そんなバカな！普通、貴族令嬢なら一人や二人侍女を付けられて当たり前なのに？

「フフッ……本当なら侍女の一人や二人……って思うでしょ。でもね、私ちょっとやらかしちゃってね……それで侍女は持ち回りになっちゃったのよね……」

やらかし……いや、私もやらかし系だけど。何やったのよラーラルーナ様……

「そう。じゃあ、帝国に戻ったらカリーナ？でしたかしら。彼女はラーラルーナ様の専属として連れて来る訳じゃないのね」

「勿論よ！」

「良かった。彼女は多分我が家の侍女達から見たら落第点じゃないかしら？」

「分かる！マリエル見てたら、レベル高いな……って。私、ここで次期侯爵夫人になるけど出来るのかしら？ってちょっと不安なのよね……」

「大丈夫よ！最初は不安でも、お母様がしっかり教えてくれるわ！お母様、とっても教え上手なのよ！」

お母様のおかげで私、そこらの貴族令嬢よりも立派は淑女になりましたもの！