婚約破棄されまして(笑)

竹本 芳生

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連載

若奥様は身重です! 41

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「ふぅ……久しぶりだから張り切ったんだな……」

ルークの言葉にキョトーン!です。え?久しぶりって何?

「どういう事?」

「ああ、ノエルもタマ達と特訓をしていたんだが、俺達も忙しくて島での食事はもっぱら弁当とかで済ませてたんだ。北地区はテイクアウトも豊富にあるから、おにぎりやサンドイッチやドリンク類とか収納してさ……だから店舗でゆっくりは久しぶりなんだ。で、エリーゼ達と一緒にって連絡が来て、その時にタマ達が作るって聞いてさ……」

「聞いてた……」

私達がのんびりしてる間にタマ達の動きがルーク達には伝えられていたとは……サプライズと捉えれば良いのかしら?

「ファストフード的な食事って聞いてたけど、まさかケ……から揚げの店だとは想像してなかった。もっとこう……葉物野菜とかオリジナルソースの有名な方だと思ってたから……」

「ああ、そうね。あそこもチキン美味しいわよね。彩りもこう……健康的?な感じよね。でも茶色だらけのご飯が食べたかったの!」

率直な意見です!

「うまからもってきたにゃー!」

タマが持って来てくれました。ん?ちびナビちゃん達は近くの席で座ってます、邪魔にならない様にって配慮かしら?並んで座ってる姿も可愛いわねぇ。
コトンと置かれたお皿……赤い手羽先が三つ?あれ?私、これ知ってる……某ファミレスのヤツ……美味しいけど……

「タマ……これが旨辛(小)なの?」

「そうにゃ!ここのみんなにおしえてもらったにゃ!主がたまにたべてたみたいだってきいたにゃ!おいしそうにゃ!」

「そうね、美味しそうだわ」

懐かしのチョイ辛チキンですわ。あったかいうちに食べないとね!

「げきからおまたせにゃー!」

トラジがペーパーを敷いた小さなバスケットを持って来てテーブルにトン!と置いた。
どっからどう見ても真っ赤なチキンです。匂いも辛そう……。

「おっ!激辛の名に恥じない赤さだな!コレだけか?」

「にゃにゃにゃんと!からみパウダーなるものもあるにゃ!ビンにはいってるからすきなだけかけてちょうせんできるにゃ!」

またもやコトンとどこからか出した小さな瓶を置いてニヤリと笑うトラジ。
え~悪い顔になってる~。そんな顔も可愛い~♡

「ほぉ……やるじゃないか。じゃあ、一口食べてからパウダーかけてみるかな」

ルーク……楽しそうね。辛い物が食べたかったのかしら?
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