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王国との戦争
262─裏・グラティース:襲撃への対処
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「やはりそううまくはいきませんか……」
この街が異形に襲われてから、今日ですでに三日が経っています。
ですが、それだけの時間が経っているというのにまだ敵を片付けることができていません。
理由はわかっています。それは異形らの再生能力の高さです。
異形らは、多少の怪我程度では死にません。首を落とせばしばらくは動かなくなりますが、しばらくすれば勝手にくっつき再び暴れだすのです。
完全に殺しきるには、体内にある核を壊すか、再生力を失うまで殺し続けるかのどちらかしかありません。
その上、あの異形は元々は人だったようで、戦っている者は躊躇してしまっています。
恐らくはもう元の姿に戻すことなど出来ないでしょう。ですが、それでも割り切れないのでしょうね。
それ故に、こちらは実力では優っているのに滅し切れないでします。
しかも、あれらの異形は今暴れているものが全てではなく、この三日の間にさらに増えました。それも住民の避難所で。
そのせいでうまく住民との連携をとることもできずにいるのが現状です。
滅ぼすのが難しく、全て滅ぼしたと思っても新たなものが発生する。
本当に厄介だとしか言いようがありません。
幸いなのは、戦力としてはそれほど高くないことですね。
もちろん一般人であれば殺されてしまいますが、ある程度の兵や冒険者であれば安定して倒せるようです。
加えて、現在この街に滞在しているエルフの氏族長の御息女が変異体に対する解決策を見つけてくれた事です。
これによって、厳しい状況の中でもひとまずの解決は見えてきました。
とはいえ、解決策と言っても変異する前の状態にしか効かず、完全に治そうと思えばそれなりの道具や時間が必要となるのですぐには治る事はありません。
まあ、それでも治ることさえ分かればどうにかなります。
協力してくださっている御息女には今回の件が終わった後で何か報いなければなりませんね。
出来ることならば早々に片をつけて国境に兵を回したいのですが、他の街に出した援軍も似たような状況だと伝令が来ているので、これ以上の戦力確保は難しいでしょう。
先日出した援軍は速度重視での行動を命じておきましたので、脱落者も出ているでしょうけれど早ければ明日にでも戦場へと到着している頃でしょう。
ですが、それでも大丈夫だとは思えません。
なにせ強行軍で疲労が溜まっているところに、自分たちよりも多くの数の敵を相手にするのですから、どう考えても送った援軍だけで終わらせる事はできないでしょう。
このまま援軍を送れない状況が続くようでしたら、いずれ国境の砦は落とされてしまいます。
国境は国境で厄介な敵がいるようですから。
私はこれからの状況に思案を巡らせますが、そこには嫌な想像ばかりが浮かび上がってきます。
そんな起こり得る未来を否定するかのように、はぁ、とため息を吐き出して首を振りました。
「……できれば、あまりやりたくはなかったのですが……」
こんな状況では仕方がありません。彼の元に人をやりましょう。
彼であれば国境に現れたという厄介な敵──『勇者』をどうにかしてくれるでしょう。少なくとも引きつけてはくれるはずです。
それだけやってくれれば後は兵達で押し留める時間を稼ぐことは可能なはずです。
そうして時間を稼いでいる間にこちらをどうにかして援軍を送るしかありません。
……はぁ。あの子が毒で倒れていなければ彼に頼らずとも敵の軍をどうにかできたのですが、今は寝たきりのまま。
そしてその毒を治すのも彼頼み……。はぁ……
色々を動いていた私を拒絶することなく友となってくれたアンドーさん。その願いの邪魔をするのは心苦しくはあるけれど、仕方がありません。
「……力不足で申し訳ありませんが、どうかお願いします」
私はアンドーさんがいる里に手紙を出すことにしました。
「これで少しは良い方向に進めば良いのですけれど……」
やはり、そううまくはいかないでしょうね。……はあ……
ああいけませんね。どうもため息が増えています。こんな状況では仕方のないことなのかもしれませんが、悲観ばかりしていては上手くいくことも失敗してしまいます。前向きにいかなくては。
王である以上は最悪を考えなくてはなりませんが、それと同じくらい最高を考えなくてはなりません。最悪の事態に備えて最高を目指して行動する。それこそが私のやるべきことです。
ですので、ひとまずはその思い描く最高に向かって、私は私の出来ること、やるべきことをやるとしましょうか。
この街が異形に襲われてから、今日ですでに三日が経っています。
ですが、それだけの時間が経っているというのにまだ敵を片付けることができていません。
理由はわかっています。それは異形らの再生能力の高さです。
異形らは、多少の怪我程度では死にません。首を落とせばしばらくは動かなくなりますが、しばらくすれば勝手にくっつき再び暴れだすのです。
完全に殺しきるには、体内にある核を壊すか、再生力を失うまで殺し続けるかのどちらかしかありません。
その上、あの異形は元々は人だったようで、戦っている者は躊躇してしまっています。
恐らくはもう元の姿に戻すことなど出来ないでしょう。ですが、それでも割り切れないのでしょうね。
それ故に、こちらは実力では優っているのに滅し切れないでします。
しかも、あれらの異形は今暴れているものが全てではなく、この三日の間にさらに増えました。それも住民の避難所で。
そのせいでうまく住民との連携をとることもできずにいるのが現状です。
滅ぼすのが難しく、全て滅ぼしたと思っても新たなものが発生する。
本当に厄介だとしか言いようがありません。
幸いなのは、戦力としてはそれほど高くないことですね。
もちろん一般人であれば殺されてしまいますが、ある程度の兵や冒険者であれば安定して倒せるようです。
加えて、現在この街に滞在しているエルフの氏族長の御息女が変異体に対する解決策を見つけてくれた事です。
これによって、厳しい状況の中でもひとまずの解決は見えてきました。
とはいえ、解決策と言っても変異する前の状態にしか効かず、完全に治そうと思えばそれなりの道具や時間が必要となるのですぐには治る事はありません。
まあ、それでも治ることさえ分かればどうにかなります。
協力してくださっている御息女には今回の件が終わった後で何か報いなければなりませんね。
出来ることならば早々に片をつけて国境に兵を回したいのですが、他の街に出した援軍も似たような状況だと伝令が来ているので、これ以上の戦力確保は難しいでしょう。
先日出した援軍は速度重視での行動を命じておきましたので、脱落者も出ているでしょうけれど早ければ明日にでも戦場へと到着している頃でしょう。
ですが、それでも大丈夫だとは思えません。
なにせ強行軍で疲労が溜まっているところに、自分たちよりも多くの数の敵を相手にするのですから、どう考えても送った援軍だけで終わらせる事はできないでしょう。
このまま援軍を送れない状況が続くようでしたら、いずれ国境の砦は落とされてしまいます。
国境は国境で厄介な敵がいるようですから。
私はこれからの状況に思案を巡らせますが、そこには嫌な想像ばかりが浮かび上がってきます。
そんな起こり得る未来を否定するかのように、はぁ、とため息を吐き出して首を振りました。
「……できれば、あまりやりたくはなかったのですが……」
こんな状況では仕方がありません。彼の元に人をやりましょう。
彼であれば国境に現れたという厄介な敵──『勇者』をどうにかしてくれるでしょう。少なくとも引きつけてはくれるはずです。
それだけやってくれれば後は兵達で押し留める時間を稼ぐことは可能なはずです。
そうして時間を稼いでいる間にこちらをどうにかして援軍を送るしかありません。
……はぁ。あの子が毒で倒れていなければ彼に頼らずとも敵の軍をどうにかできたのですが、今は寝たきりのまま。
そしてその毒を治すのも彼頼み……。はぁ……
色々を動いていた私を拒絶することなく友となってくれたアンドーさん。その願いの邪魔をするのは心苦しくはあるけれど、仕方がありません。
「……力不足で申し訳ありませんが、どうかお願いします」
私はアンドーさんがいる里に手紙を出すことにしました。
「これで少しは良い方向に進めば良いのですけれど……」
やはり、そううまくはいかないでしょうね。……はあ……
ああいけませんね。どうもため息が増えています。こんな状況では仕方のないことなのかもしれませんが、悲観ばかりしていては上手くいくことも失敗してしまいます。前向きにいかなくては。
王である以上は最悪を考えなくてはなりませんが、それと同じくらい最高を考えなくてはなりません。最悪の事態に備えて最高を目指して行動する。それこそが私のやるべきことです。
ですので、ひとまずはその思い描く最高に向かって、私は私の出来ること、やるべきことをやるとしましょうか。
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