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王国潜入
510:報告と報せ
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「? あ──」
「邪魔です」
地上へと出るために蓋となっていた地面を収納して外に出ていくと、そこには環が確認したとうり五人の騎士が門の前で立っていた。
兵士ではなく騎士が配置されているのは、俺達用が万が一にでも自分たちの包囲を抜けて門の前にたどり着いた場合を考えていたのだろう。……無駄だけど。
突然地面から出てきた俺たちに反応できなかったようで、門の前にいた騎士達はイリンによって処理された。
「なっ、貴様ら何故っ!?」
鎧をつけていた騎士達がガシャンと音を立てて倒れたことで、この場所から離れた位置に集まっていた警備隊長や他の騎士や兵士たちがこちらを向くが、その時にはすでに俺は動き出していた。
「捕えろ!! 許可証がなければ奴らは門を出ることは──」
大人数が通る方ではなく通用門の扉へと手をかけた俺を見て警備隊長は叫び、命令を下すが、残念。俺はこの門を開けられるんだ。
本当ならこっちに来る時に潜ってきた大きな門の方を使いたかったが、俺たちがここに戻ってきたからか閉められていた。
なので、仕方ないからこちらの通用門の方から進むことにしたのだ。
以前ここから出ていく時に兵士がやっていたのを思い出し、収納から取り出した許可証を通用門に描かれている紋様へと当てると、うっすらと光っていた紋様はその輝きをなくした。
それは前回ここを出ていく時にも見た光景。これでほんのわずかな時間だけだが扉の鍵は外れ、通れるようになったはずだ。
「なんっ、まさかあの時の!! くそっ! なぜよりにもよってこんな時に貴様らが!?」
俺が許可証を持っていることに疑問を感じたようだが、すぐにこの許可証がどこで手に入れたものなのかを理解したようだ。
だが、『こんな時に』ということはもしかして、何か行事というか行動を起こそうとでもしていたんだろうか?
この国の状況を考えると、その行動ってのはあまりいい予感がしないな。
「と、止めろおおおお! 奴はっ! 奴だけはなんとしても逃してはならああああん!!」
警備隊長は叫んでいるし、その言葉に反応して騎士や兵士が俺たちを狙って走ってきているが……もう遅い。
俺たちは既に三人とも扉をくぐってしまっている。
あとはこの扉を閉めてしまえば再び許可証を使用しない限り通ることはできなくなるわけだが、果たして戦闘用の装備に身を包んだここの警備を任されたわけでもない騎士たちが許可証なんて持ってるものだろうか?
まあ、持っていたとしても役に立たなくするけど。
背後から迫ってきた騎士達を無視して、俺はパタンと扉を閉めた。
「なんとか逃げ切ったな」
とは言え、ここはまだ王国内だ。この通用門は二重となっており、扉と扉の間に小部屋を挟んであるのだ。
つまり、ギルド連合側に抜ける扉を出るまではまだ一応王国の中ということになる。
「早く行きましょう。あまりゆっくりしてると、向こうまで追ってくるかはともかく、この部屋には入ってくるわよ」
「そうだが……まあ待った。ちょっと小細工をしよう」
「小細工?」
「ああ。とりあえず、二人はそっちの扉に寄っててくれ」
俺の言葉を受けてギルド連合側に通じる扉の前で待機する二人を見ると、俺は一度頷き王国側の扉へと手をかざした。
そしていつもの如くスキルを使用し、モノを取り出す。
取り出したのは大きな岩と土と木材とその他諸々。まあ早い話が瓦礫だ。以前獣人国で街の瓦礫処理を行った時に回収したまま処分することが出来ずにいた残骸。
それを取り出したことによって、それほど広くなかった部屋はその大部分が使用不可能になり、当然ながら王国側の扉の前を塞いでしまった。
ここの扉は内開きだったし、これであいつらは扉を開けることができないだろう。
足元を収納して落とし穴を作るんでもよかったが、開かない扉の方が時間稼ぎになるだろうと瓦礫で埋めることにした。
……まあしばらくは開かない扉を相手に苦戦することになるだろうな。
「お待たせ。行こうか」
そうして二人に声をかけると、扉に手をかけて開き、ギルド連合へと戻った。
「ふう……」
あとはエルミナのところに行くだけだが、俺たちが戻ってきたことでここの奴らはどう対応する?
「……? ……お、おい。あれ……」
「あん? は、まじか……?」
普段は、というか最近は向こうから戻ってくる奴はいなかったのに俺たちが出てきたことで、門から少し離れた場所で警備をしていた兵士が驚きながらも俺たちを見ている。
そんな兵士たちの反応を見ながら慎重に進んでいくと、当然というべきか兵士に止められた。
「ちょ、ちょっと待った。お前たちどこから……」
「どこからも何も、門からですね」
周りは柵で囲われているわけだしそこからしか入れないのだが、今まで誰も戻ってこなかったわけだし、信じられなくても仕方がないか。
「だが、あそこは……」
「どうやって出てきた。誰も帰ってきてないんだぞ? それに門が閉まったんだ! 向こうはどうなってる!?」
困惑する兵士を他所に、もう一人いた兵士が俺に掴みかからんばかりの勢いで問いかけてくる。
「ああ、おかえり。どうやら無事に帰ってきたみたいだね」
「エルミナ」
だがどう答えて、どこまで答えていいものかわからず、さてどうしたもんかと考えていると、どこからか俺たちのことを見ていたのかエルミナがやってきて手をあげていた。
だが、近づいてくるエルミナに対して俺に問いかけてきた兵士は慌てたように振り返りながらエルミナのことを警戒している。
「ま、待てっ! お前はなんだ! 勝手に現れて……こいつらには話を聞かないといけないんだ。このまま通すわけには──」
「悪いけど、こいつらは事情があってね。許可は出てんだ。ほら。これがそれを認める書だ」
叫んだ兵士の言葉を遮ってエルミナは腰につけているポーチから丸められた紙を取り出すと、それを広げて兵士達の前に掲げた。
「それは……だが……ぐぅっ」
それを見た兵士はそれ以上は何も言うことができず、悔しげに黙り込んでしまった。
「悪いね。事情は後で行くと思うから、それまで待ってな。──行くよ」
そんな兵士を見ながらエルミナはそう言うと、俺たちに視線を向けてかた背を向けて歩き出した。
俺は一度悔しげな兵士たちへと視線を送ると、そんなエルミナの後を追って歩き出した。
「話すことはお互いに色々あるけど……まずはおかえり」
一番目の隠れ家に辿り着いた俺たちは地下室の方へと降りていったのだが、そこでようやく一息つくことができた。
俺が部屋に置かれていた椅子に座ると、エルミナはその対面に座って真剣な表情でこちらを見つめてきた。
「それじゃあ、何があったか話してくれるかい?」
エルミナの言葉に頷いて、俺は王国で見聞きしたものや分かった事を話していく。
向こうに行った者が帰ってこない理由。
王国で行われている洗脳の状態。
その洗脳の中心となっているであろう村の存在。
王都の周辺にやけに人が多かったこと。
それから、俺たちが出てくる時に門の向こう側で起こした騒動。
「ここまで派手にやればあっちも気付くはずだ。だから向こうが何か手を打つ前にこっちが動くしかないと思う。……すまん」
できることならばもっと穏便に帰ってきたかったんだけど、結局戦闘になってしまったしまった事に僅かに申し訳なさを感じる。
「それは仕方ないだろ? 最初から予想してたことだ」
だが、エルミナは俺の言葉に首を振ってそう言うと、その直後に驚くべきことを言ってきた。
「それにその事だけど……あちらさん、もう動いてるよ」
「何?」
「つい数日前のことだけど、獣人国から知らせがきてね。向こうの国境ではもう戦闘が始まってるらしいよ」
「……俺たちが入ったせいか?」
もしかして俺たちが王国に入った時点で何かしらのミスをしていて、そのせいで王国が動き出し他のではないかと不安が湧き上がってきたが、エルミナはその考えを否定した。
「や、それはないんじゃないかね? 確かなことは言えないけど、知らせが届いた日から逆算すると、あんたたちが王国に入る前には動き出してたらしいよ」
「なら、ちょうど時期が重なっただけか?」
「多分ね」
その言葉を聞いて俺たちが原因じゃなかったことに少しほっとする。
「で、そっちの報告はそれだけでいいかい?」
「ああ」
だが話はそれで全て終わったわけではなく、エルミナの言葉を聞いた俺は気を取り直して再び話を聞く心構えに戻った。
「なら今度はこっちの番だね。こっちは……まあさっきも言ったけど獣人国の国境が襲われてる。けど、それはどうにも様子がおかしいみたいでね。ろくに武器を持たない一般人が襲いかかってきてるらしいよ」
「一般人が?」
「そう。まあ武器を持たないって言っても鍬や斧を持ってはいるらしいし、中には冒険者なんかも紛れ込んでるみたいだけど、普通ならそんなんで襲いかかってくるはずがない。で、問題はなんでそんなことになってるのかだけど、その答えはあんた達が持ってきたね」
俺たちが答えを持ってきたってなると……。
「洗脳か」
「多分だけど、それ以外にはないだろうね」
国中の人を洗脳して兵士に仕立て上げたのか。
冒険者も混じってるってことだし、多分だが帰ってこなかった奴らはそっちに使われたんだろうと思う。それにしたって戦いをふっかけるには些か心許ないと言わざるを得ないけど。
「つまり、敵さんはもう行動を起こすことにしたってことさ」
「……やっぱり、時間をかけすぎたか」
「だね。まあでも、悪い知らせばかりじゃあないよ。こっちも、もう議会で結論は出てるし、動く準備はできてる」
今まで以上に真剣な表情となったエルミナ。そこには一切の遊びはなく、その様子を見た俺は、その先を聞くのに否が応でも覚悟を決めざるを得ない。
「準備って……」
「もちろん──戦争のさ」
戦争……。
以前参加した獣人国の国境でのあれも戦争だったが、そんなものよりももっと大きな、それこそ王国と獣人国だけではなく、ギルド連合や教国やその他の小国なんかの、周辺の全てを巻き込んだ大規模なものになるのが予想できた。
「ところで、あんたはその洗脳の影響はどうなってるんだ? 今は動きづらいとか何かあるのかい?」
戦争になると聞いて俺達が何も言えずにいると、エルミナはフッと息を吐き出して幾分か張り詰めていた雰囲気を和らげると、今度は少し心配そうな様子でそう問いかけてきた。
そういえば、まだ国境を抜けてから確認してなかったな。
王国の中にいる時はまだ洗脳による影響が出ていた。
どうやらあれは洗脳の発生源に距離が近づけ近づくほど効果が強くなるが、だからと言って距離に依存しているわけではないらしい。一度洗脳にかかればその効果は継続されるみたいで、俺は発生源から国境付近まで離れてもその効果は強まったまま薄れることはなかった。
「……多少残ってるな。思考を邪魔するようなもやがなくなってるし、体も問題なく動くが、ほんのわずかだけど違和感があるような気がする」
だが今エルミナに言われて自分の手を握ったり開いたりし、軽く体を動かしてみたのだが、その動きを阻害するものはなく、話している間も思考を邪魔するものごくわずかなものとなっていた。
それは本当に些細なものだったけど、思考に小さなとげが刺さったような微妙な違和感があった。
最後の確認として収納魔術を使って渦を出してみるが、先ほど国境を越える際に王国の兵達から逃げるときのように邪魔をされるような感覚はしない。体の動きに違和感はあっても、魔術を使う方は問題ないようだ。
「……それは大丈夫なのかい? なんか異常があったらすぐに言いなよ」
「わかってるよ」
俺が頷くと、エルミナは満足したようでその背中を背もたれに預けて寄り掛かった。
「ま、後三日もすれば色々と状況も進むはずだし、それまでは短い間だけどゆっくりしておきな」
「後三日って……何かあるの?」
エルミナの言葉に今まで黙っていた環が不思議そうに問いかけるが、それは俺も気になる。何かある、と言うよりも、何かするんだろうか?
「冒険者ギルドの本部長が、冒険者や兵士を連れてこっちにくるのさ」
光線的な笑みを浮かべてニヤリと笑うエルミナだが、それを聞いて少し疑問というか、不安を感じた。
「それは……大丈夫なのか?」
「何がだい?」
「一応ここを管理してる奴は信用できるか分からないって話だったじゃないか」
だからこそ万が一に備えてこんな隠れ家なんてモノを用意したわけだし、もし仮にそいつが王国と内通してたら大変じゃないか?
まあ、内通してたとしても、伝えようがないと思うけどさ。だって俺が通用門に瓦礫出して塞いできたし。
「ああそれ。実はそいつ、二日前に交代してるよ」
「交代? どうしてまた……」
「獣人国から手紙が届いて議会で方針が決まると、流石は商人主体の国って言うべきだろうね。そのあとはすぐに動き出したみたいで、余計な心配をする時間を消すためにこの街の管理者は交代することになったんだ」
そんなことができるなら最初からやっとけよ。
俺がそう思っても仕方がないと思う。なんのためにこんな隠れ家なんて用意して、なんのためにあれだけ警戒したと思ってんだと言ってやりたい。
もし迷惑をかけたら、とか結構気を使ったしそれなりに覚悟もしてたってのに……まったく。
そんな俺の思いを見透かしたかのようにエルミナが肩を竦めて見せた。
「そんなことができるんだったら最初っからやっとけって話だけどね。そうすればわざわざこんな隠れ家なんて用意する必要もなかったわけだし。……ま、その辺は確たる証拠も理由もないのに交代なんてさせられないから仕方ないとはわかるんだけどね」
どうやら俺が思っていることをエルミナも思っていたようで軽く愚痴ってる。
彼女の言っていることもわからないではないのだが、それでもやっぱり思うところがあるのは仕方がないだろう。
「だから今はこの街は安全だ。少なくとも、街中を歩いていても襲われない程度にはね」
「寝る時はどうなのでしょうか?」
「まあそれはあれだ。一応の警戒はしておいた方がいいと思うよ。ここにいれば安全だろうけどね」
イリンの問いに答えたエルミナの言葉に、一瞬だけ何を警戒すればいいのかわからなかったが、多分交代させられたこの街の管理者、もしくは王国の手先からの襲撃だろう。
「ま、さっきも言ったけど、お疲れ様。数日後には慌ただしくなるんだ。今日から少しだけだけど、ちょっとくらいゆっくりしておきなよ」
その言葉に甘えて、俺はここしばらくの緊張をほぐす様に休息を取ることにした。
「邪魔です」
地上へと出るために蓋となっていた地面を収納して外に出ていくと、そこには環が確認したとうり五人の騎士が門の前で立っていた。
兵士ではなく騎士が配置されているのは、俺達用が万が一にでも自分たちの包囲を抜けて門の前にたどり着いた場合を考えていたのだろう。……無駄だけど。
突然地面から出てきた俺たちに反応できなかったようで、門の前にいた騎士達はイリンによって処理された。
「なっ、貴様ら何故っ!?」
鎧をつけていた騎士達がガシャンと音を立てて倒れたことで、この場所から離れた位置に集まっていた警備隊長や他の騎士や兵士たちがこちらを向くが、その時にはすでに俺は動き出していた。
「捕えろ!! 許可証がなければ奴らは門を出ることは──」
大人数が通る方ではなく通用門の扉へと手をかけた俺を見て警備隊長は叫び、命令を下すが、残念。俺はこの門を開けられるんだ。
本当ならこっちに来る時に潜ってきた大きな門の方を使いたかったが、俺たちがここに戻ってきたからか閉められていた。
なので、仕方ないからこちらの通用門の方から進むことにしたのだ。
以前ここから出ていく時に兵士がやっていたのを思い出し、収納から取り出した許可証を通用門に描かれている紋様へと当てると、うっすらと光っていた紋様はその輝きをなくした。
それは前回ここを出ていく時にも見た光景。これでほんのわずかな時間だけだが扉の鍵は外れ、通れるようになったはずだ。
「なんっ、まさかあの時の!! くそっ! なぜよりにもよってこんな時に貴様らが!?」
俺が許可証を持っていることに疑問を感じたようだが、すぐにこの許可証がどこで手に入れたものなのかを理解したようだ。
だが、『こんな時に』ということはもしかして、何か行事というか行動を起こそうとでもしていたんだろうか?
この国の状況を考えると、その行動ってのはあまりいい予感がしないな。
「と、止めろおおおお! 奴はっ! 奴だけはなんとしても逃してはならああああん!!」
警備隊長は叫んでいるし、その言葉に反応して騎士や兵士が俺たちを狙って走ってきているが……もう遅い。
俺たちは既に三人とも扉をくぐってしまっている。
あとはこの扉を閉めてしまえば再び許可証を使用しない限り通ることはできなくなるわけだが、果たして戦闘用の装備に身を包んだここの警備を任されたわけでもない騎士たちが許可証なんて持ってるものだろうか?
まあ、持っていたとしても役に立たなくするけど。
背後から迫ってきた騎士達を無視して、俺はパタンと扉を閉めた。
「なんとか逃げ切ったな」
とは言え、ここはまだ王国内だ。この通用門は二重となっており、扉と扉の間に小部屋を挟んであるのだ。
つまり、ギルド連合側に抜ける扉を出るまではまだ一応王国の中ということになる。
「早く行きましょう。あまりゆっくりしてると、向こうまで追ってくるかはともかく、この部屋には入ってくるわよ」
「そうだが……まあ待った。ちょっと小細工をしよう」
「小細工?」
「ああ。とりあえず、二人はそっちの扉に寄っててくれ」
俺の言葉を受けてギルド連合側に通じる扉の前で待機する二人を見ると、俺は一度頷き王国側の扉へと手をかざした。
そしていつもの如くスキルを使用し、モノを取り出す。
取り出したのは大きな岩と土と木材とその他諸々。まあ早い話が瓦礫だ。以前獣人国で街の瓦礫処理を行った時に回収したまま処分することが出来ずにいた残骸。
それを取り出したことによって、それほど広くなかった部屋はその大部分が使用不可能になり、当然ながら王国側の扉の前を塞いでしまった。
ここの扉は内開きだったし、これであいつらは扉を開けることができないだろう。
足元を収納して落とし穴を作るんでもよかったが、開かない扉の方が時間稼ぎになるだろうと瓦礫で埋めることにした。
……まあしばらくは開かない扉を相手に苦戦することになるだろうな。
「お待たせ。行こうか」
そうして二人に声をかけると、扉に手をかけて開き、ギルド連合へと戻った。
「ふう……」
あとはエルミナのところに行くだけだが、俺たちが戻ってきたことでここの奴らはどう対応する?
「……? ……お、おい。あれ……」
「あん? は、まじか……?」
普段は、というか最近は向こうから戻ってくる奴はいなかったのに俺たちが出てきたことで、門から少し離れた場所で警備をしていた兵士が驚きながらも俺たちを見ている。
そんな兵士たちの反応を見ながら慎重に進んでいくと、当然というべきか兵士に止められた。
「ちょ、ちょっと待った。お前たちどこから……」
「どこからも何も、門からですね」
周りは柵で囲われているわけだしそこからしか入れないのだが、今まで誰も戻ってこなかったわけだし、信じられなくても仕方がないか。
「だが、あそこは……」
「どうやって出てきた。誰も帰ってきてないんだぞ? それに門が閉まったんだ! 向こうはどうなってる!?」
困惑する兵士を他所に、もう一人いた兵士が俺に掴みかからんばかりの勢いで問いかけてくる。
「ああ、おかえり。どうやら無事に帰ってきたみたいだね」
「エルミナ」
だがどう答えて、どこまで答えていいものかわからず、さてどうしたもんかと考えていると、どこからか俺たちのことを見ていたのかエルミナがやってきて手をあげていた。
だが、近づいてくるエルミナに対して俺に問いかけてきた兵士は慌てたように振り返りながらエルミナのことを警戒している。
「ま、待てっ! お前はなんだ! 勝手に現れて……こいつらには話を聞かないといけないんだ。このまま通すわけには──」
「悪いけど、こいつらは事情があってね。許可は出てんだ。ほら。これがそれを認める書だ」
叫んだ兵士の言葉を遮ってエルミナは腰につけているポーチから丸められた紙を取り出すと、それを広げて兵士達の前に掲げた。
「それは……だが……ぐぅっ」
それを見た兵士はそれ以上は何も言うことができず、悔しげに黙り込んでしまった。
「悪いね。事情は後で行くと思うから、それまで待ってな。──行くよ」
そんな兵士を見ながらエルミナはそう言うと、俺たちに視線を向けてかた背を向けて歩き出した。
俺は一度悔しげな兵士たちへと視線を送ると、そんなエルミナの後を追って歩き出した。
「話すことはお互いに色々あるけど……まずはおかえり」
一番目の隠れ家に辿り着いた俺たちは地下室の方へと降りていったのだが、そこでようやく一息つくことができた。
俺が部屋に置かれていた椅子に座ると、エルミナはその対面に座って真剣な表情でこちらを見つめてきた。
「それじゃあ、何があったか話してくれるかい?」
エルミナの言葉に頷いて、俺は王国で見聞きしたものや分かった事を話していく。
向こうに行った者が帰ってこない理由。
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その洗脳の中心となっているであろう村の存在。
王都の周辺にやけに人が多かったこと。
それから、俺たちが出てくる時に門の向こう側で起こした騒動。
「ここまで派手にやればあっちも気付くはずだ。だから向こうが何か手を打つ前にこっちが動くしかないと思う。……すまん」
できることならばもっと穏便に帰ってきたかったんだけど、結局戦闘になってしまったしまった事に僅かに申し訳なさを感じる。
「それは仕方ないだろ? 最初から予想してたことだ」
だが、エルミナは俺の言葉に首を振ってそう言うと、その直後に驚くべきことを言ってきた。
「それにその事だけど……あちらさん、もう動いてるよ」
「何?」
「つい数日前のことだけど、獣人国から知らせがきてね。向こうの国境ではもう戦闘が始まってるらしいよ」
「……俺たちが入ったせいか?」
もしかして俺たちが王国に入った時点で何かしらのミスをしていて、そのせいで王国が動き出し他のではないかと不安が湧き上がってきたが、エルミナはその考えを否定した。
「や、それはないんじゃないかね? 確かなことは言えないけど、知らせが届いた日から逆算すると、あんたたちが王国に入る前には動き出してたらしいよ」
「なら、ちょうど時期が重なっただけか?」
「多分ね」
その言葉を聞いて俺たちが原因じゃなかったことに少しほっとする。
「で、そっちの報告はそれだけでいいかい?」
「ああ」
だが話はそれで全て終わったわけではなく、エルミナの言葉を聞いた俺は気を取り直して再び話を聞く心構えに戻った。
「なら今度はこっちの番だね。こっちは……まあさっきも言ったけど獣人国の国境が襲われてる。けど、それはどうにも様子がおかしいみたいでね。ろくに武器を持たない一般人が襲いかかってきてるらしいよ」
「一般人が?」
「そう。まあ武器を持たないって言っても鍬や斧を持ってはいるらしいし、中には冒険者なんかも紛れ込んでるみたいだけど、普通ならそんなんで襲いかかってくるはずがない。で、問題はなんでそんなことになってるのかだけど、その答えはあんた達が持ってきたね」
俺たちが答えを持ってきたってなると……。
「洗脳か」
「多分だけど、それ以外にはないだろうね」
国中の人を洗脳して兵士に仕立て上げたのか。
冒険者も混じってるってことだし、多分だが帰ってこなかった奴らはそっちに使われたんだろうと思う。それにしたって戦いをふっかけるには些か心許ないと言わざるを得ないけど。
「つまり、敵さんはもう行動を起こすことにしたってことさ」
「……やっぱり、時間をかけすぎたか」
「だね。まあでも、悪い知らせばかりじゃあないよ。こっちも、もう議会で結論は出てるし、動く準備はできてる」
今まで以上に真剣な表情となったエルミナ。そこには一切の遊びはなく、その様子を見た俺は、その先を聞くのに否が応でも覚悟を決めざるを得ない。
「準備って……」
「もちろん──戦争のさ」
戦争……。
以前参加した獣人国の国境でのあれも戦争だったが、そんなものよりももっと大きな、それこそ王国と獣人国だけではなく、ギルド連合や教国やその他の小国なんかの、周辺の全てを巻き込んだ大規模なものになるのが予想できた。
「ところで、あんたはその洗脳の影響はどうなってるんだ? 今は動きづらいとか何かあるのかい?」
戦争になると聞いて俺達が何も言えずにいると、エルミナはフッと息を吐き出して幾分か張り詰めていた雰囲気を和らげると、今度は少し心配そうな様子でそう問いかけてきた。
そういえば、まだ国境を抜けてから確認してなかったな。
王国の中にいる時はまだ洗脳による影響が出ていた。
どうやらあれは洗脳の発生源に距離が近づけ近づくほど効果が強くなるが、だからと言って距離に依存しているわけではないらしい。一度洗脳にかかればその効果は継続されるみたいで、俺は発生源から国境付近まで離れてもその効果は強まったまま薄れることはなかった。
「……多少残ってるな。思考を邪魔するようなもやがなくなってるし、体も問題なく動くが、ほんのわずかだけど違和感があるような気がする」
だが今エルミナに言われて自分の手を握ったり開いたりし、軽く体を動かしてみたのだが、その動きを阻害するものはなく、話している間も思考を邪魔するものごくわずかなものとなっていた。
それは本当に些細なものだったけど、思考に小さなとげが刺さったような微妙な違和感があった。
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「……それは大丈夫なのかい? なんか異常があったらすぐに言いなよ」
「わかってるよ」
俺が頷くと、エルミナは満足したようでその背中を背もたれに預けて寄り掛かった。
「ま、後三日もすれば色々と状況も進むはずだし、それまでは短い間だけどゆっくりしておきな」
「後三日って……何かあるの?」
エルミナの言葉に今まで黙っていた環が不思議そうに問いかけるが、それは俺も気になる。何かある、と言うよりも、何かするんだろうか?
「冒険者ギルドの本部長が、冒険者や兵士を連れてこっちにくるのさ」
光線的な笑みを浮かべてニヤリと笑うエルミナだが、それを聞いて少し疑問というか、不安を感じた。
「それは……大丈夫なのか?」
「何がだい?」
「一応ここを管理してる奴は信用できるか分からないって話だったじゃないか」
だからこそ万が一に備えてこんな隠れ家なんてモノを用意したわけだし、もし仮にそいつが王国と内通してたら大変じゃないか?
まあ、内通してたとしても、伝えようがないと思うけどさ。だって俺が通用門に瓦礫出して塞いできたし。
「ああそれ。実はそいつ、二日前に交代してるよ」
「交代? どうしてまた……」
「獣人国から手紙が届いて議会で方針が決まると、流石は商人主体の国って言うべきだろうね。そのあとはすぐに動き出したみたいで、余計な心配をする時間を消すためにこの街の管理者は交代することになったんだ」
そんなことができるなら最初からやっとけよ。
俺がそう思っても仕方がないと思う。なんのためにこんな隠れ家なんて用意して、なんのためにあれだけ警戒したと思ってんだと言ってやりたい。
もし迷惑をかけたら、とか結構気を使ったしそれなりに覚悟もしてたってのに……まったく。
そんな俺の思いを見透かしたかのようにエルミナが肩を竦めて見せた。
「そんなことができるんだったら最初っからやっとけって話だけどね。そうすればわざわざこんな隠れ家なんて用意する必要もなかったわけだし。……ま、その辺は確たる証拠も理由もないのに交代なんてさせられないから仕方ないとはわかるんだけどね」
どうやら俺が思っていることをエルミナも思っていたようで軽く愚痴ってる。
彼女の言っていることもわからないではないのだが、それでもやっぱり思うところがあるのは仕方がないだろう。
「だから今はこの街は安全だ。少なくとも、街中を歩いていても襲われない程度にはね」
「寝る時はどうなのでしょうか?」
「まあそれはあれだ。一応の警戒はしておいた方がいいと思うよ。ここにいれば安全だろうけどね」
イリンの問いに答えたエルミナの言葉に、一瞬だけ何を警戒すればいいのかわからなかったが、多分交代させられたこの街の管理者、もしくは王国の手先からの襲撃だろう。
「ま、さっきも言ったけど、お疲れ様。数日後には慌ただしくなるんだ。今日から少しだけだけど、ちょっとくらいゆっくりしておきなよ」
その言葉に甘えて、俺はここしばらくの緊張をほぐす様に休息を取ることにした。
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勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
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『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる』【書籍化決定!!】書籍版とWEB版では設定が少し異なっていますがどちらも楽しめる作品となっています。どうぞ書籍版とWEB版どちらもよろしくお願いします。
2023年7月18日『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる2』発売しました。
主人公のクロードは、勇者パーティー候補のSランクパーティー『銀狼の牙』を器用貧乏な職業の万能者で弱く役に立たないという理由で、追放されてしまう。しかしその後、クロードの職業である万能者が進化して、強くなった。そして、新たな仲間や従魔と無双の旅を始める。クロードと仲間達は、様々な問題や苦難を乗り越えて、英雄へと成り上がって行く。※2021年12月25日HOTランキング1位、2021年12月26日ハイファンタジーランキング1位頂きました。お読み頂き有難う御座います。
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