91 / 165
出会い編
そう言えばお父様は??
しおりを挟む城に戻ったアルカティーナ達はまず、城内の謁見の間は通された。
一体何故こんな場所に?と疑問に思っていたアルカティーナも、そこに集められた人物達を見て納得することとなった。
まず最初に目に付いたのは、隅の方で用意されたソファーに腰掛けたマーガレットとルイジェルだった。
「お母様、お兄様!」
言いながら駆け寄ると、二人もまた弾かれたようにアルカティーナの方へと駆け寄った。
「ああ、アルカティーナ!無事で本当に良かった…!」
「心配したんだぞ!…でも一先ず安心した」
「はい…!ごめんなさい。心配をおかけしました」
アルカティーナは、眉尻を下げながらしみじみと思う。
お母様たちには本当に、心配をかけてしまいましたね…。
心配してくれる人がいるというのは…本当に嬉しいことですが、申し訳ない限りです。
しょんぼりと俯くアルカティーナだったが、直ぐに気持ちを切り替えマーガレットに問うた。
「あの、わたくしがここは呼ばれたのって…やっぱり今回のことが理由ですよね?」
「ええそうよ。見たらわかるとは思うけれど、今からラグドーナ様やテンペス公爵家へと処罰が発表されるわ。でも、それは被害者や加害者の意見によっては変えることもできる。…だから、いいことティーナ?何か異議があったらすぐに申し出ること!被害者が納得できない処罰なんて無いに等しいもの!」
「はい、わかりました」
頷きながらアルカティーナは周囲を見渡した。
すぐ近くに、アメルダとその家族、そしてリサーシャとその家族が同じように固まって立ち話をしています。アメルダとリサーシャは誘拐されていましたからね…ご家族は気が気でなかったのでは無いでしょうか。
元はと言えば、わたくしが原因ですし後で挨拶がてら謝罪しに行くとしましょう。
ふと、アメルダ達から目線を晒すとテンペス公爵家の方々が隅の方で蒼白な顔をして立っていらっしゃるのが見えました。
ラグドーナ様が色々と犯罪沙汰をやらかしましたからね。ご家族もただでは済まないでしょう。
見ているだけでも痛々しい表情です…。
そう言えば、今回の一件はラグドーナ様の独断で行ったことなのでしょうか?それとも…
いえ、やめましょう。いずれわかることですし。
一先ず目線を元に戻したところで、アルカティーナは眉をひそめた。
「あれ?そう言えばお父様は??」
「「今更?」」
「え?いやぁ~そう言えば姿が見えないなぁ~なーんて…」
えへへ…と誤魔化すように笑うと、お母様は仕方ないなぁと言うように笑いながら教えてくれました。
「ほら、マリオス最近忙しいじゃない?家に帰るのも真夜中でしょう?今日も仕事が山積みみたいでね、来たくても来れないみたいなのよねぇ」
「そうだったのですか…」
お父様はいるだけで場を騒がせるトラブルメーカーですからね…いなければ普通気がつくのですが、最近お父様の姿をあまり家でも見かけないからでしょうか。
今の今まで気がつきませんでした…。
ごめんなさい、お父様。
今度お父様の似顔絵描いてあげるので許してください。
あ、何故似顔絵かと言うと随分昔の話ですが、お父様に似顔絵を描いてと言われたことがあるのですよ。
だから、描こうかなぁと思った次第ですが、よくよく考えてみれば、人の似顔絵って結構難しい??
下手な似顔絵を渡すくらいならいっそ、別の物を描いて渡した方がいいですよね…。
よし、ここは最終手段です!
お父様にはわたくし特性『マリ◯の似顔絵~前世の記憶から引用~』を渡しましょう!!
お父様の名前のマリオスとマリ◯って似てるから良いですよね、多分!
話がいつの間にか脱線している事にも気が付かず、アルカティーナはマリ◯ってどんな顔でしたっけ……と頭を唸らせた。
えーと、確か髭が!髭があったような…。
あと、帽子ですね。青っぽい服を着ていたような…
青い服には大きなポケットが一つ付いてて…ってあれ?これマリ◯じゃなくてドラ◯もん??
ドラ◯もんって確か髭みたいなの生やして、青い図体でポケットも付いてて…あ、帽子は無かった気がしますけど。
あれ?あれれれ?
頭の中でドラ◯もんの顔をしたマリ◯が踊り狂っているのですが…あれ?だ、誰か助けて!
ちゃんとしたマリ◯、思い出せないのですけど!!
アルカティーナが阿呆な理由で顔を蒼白にさせていたその時。
謁見の間の大扉が開いた。
そして中に入ってきた人は、何だか見覚えのある人。
…あれ?でもどなたでしたっけ?
さっきのマリ◯とドラ◯もんの合いの子のせいで頭がごっちゃです。
「皆の者、静粛に!」
その人がそう叫んだ瞬間、思い出しました。
あの人、確かお父様の補佐の人です!
いつもお父様の執務室まで書類を届けに来てくださっている方ですよ!
あー良かった!もう少しでマリ◯とドラ◯もんの合いの子とあの方の合いの子が頭の中で生まれるところでした!ふぅ、セーフ!
心なしか頭の中がスッキリして、少し気分が良くなったアルカティーナだったが、次の瞬間、その頭は現実に引き戻される事になる。
「今から、ラグドーナ・テンペスおよびテンペス公爵家への処分を言い渡す!異議のあるものは申し出るように」
そう言えばラグドーナ様達への処分が決まるのでしたね…。
さてさて、一体どうなることやら。
って、あれ?
処分内容を発表しているのがお父様の補佐だと言うことはもしかして、処分内容を決めたのってお父様だったりします??
…凄く嫌な予感がするのですが。
ま、まぁ、納得できないなら異議を申し立てれば良いだけの話ですよね??
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
どうもどうも~水瀬 こゆきでございまする。
台風いっちゃいましたね…。
めっさ怖かった…!もう25号とか来ないでね!
もうお腹いっぱいだから!今年自然災害多すぎだから!学校めっちゃ休みになりまくってるし!
あ、休みになるのは嬉しいのですよ?
でも災害は嫌ですね。怖いもん。
……と、私の個人的お話はここまでとして。
いよいよ事件はここまでやって来ました!
処罰、どうなることやら。ドキドキ。
いやぁ、本当にどうなるんでしょうねぇ。私にもさっっっっ……ぱりわかりません。
ふふ、ま、ろくな事にならないでしょうね。
ではでは、またお会いしましょう!
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】前提が間違っています
蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった
【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた
【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた
彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語
※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。
ご注意ください
読んでくださって誠に有難うございます。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる