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出会い編
そう言えばお父様は??
しおりを挟む城に戻ったアルカティーナ達はまず、城内の謁見の間は通された。
一体何故こんな場所に?と疑問に思っていたアルカティーナも、そこに集められた人物達を見て納得することとなった。
まず最初に目に付いたのは、隅の方で用意されたソファーに腰掛けたマーガレットとルイジェルだった。
「お母様、お兄様!」
言いながら駆け寄ると、二人もまた弾かれたようにアルカティーナの方へと駆け寄った。
「ああ、アルカティーナ!無事で本当に良かった…!」
「心配したんだぞ!…でも一先ず安心した」
「はい…!ごめんなさい。心配をおかけしました」
アルカティーナは、眉尻を下げながらしみじみと思う。
お母様たちには本当に、心配をかけてしまいましたね…。
心配してくれる人がいるというのは…本当に嬉しいことですが、申し訳ない限りです。
しょんぼりと俯くアルカティーナだったが、直ぐに気持ちを切り替えマーガレットに問うた。
「あの、わたくしがここは呼ばれたのって…やっぱり今回のことが理由ですよね?」
「ええそうよ。見たらわかるとは思うけれど、今からラグドーナ様やテンペス公爵家へと処罰が発表されるわ。でも、それは被害者や加害者の意見によっては変えることもできる。…だから、いいことティーナ?何か異議があったらすぐに申し出ること!被害者が納得できない処罰なんて無いに等しいもの!」
「はい、わかりました」
頷きながらアルカティーナは周囲を見渡した。
すぐ近くに、アメルダとその家族、そしてリサーシャとその家族が同じように固まって立ち話をしています。アメルダとリサーシャは誘拐されていましたからね…ご家族は気が気でなかったのでは無いでしょうか。
元はと言えば、わたくしが原因ですし後で挨拶がてら謝罪しに行くとしましょう。
ふと、アメルダ達から目線を晒すとテンペス公爵家の方々が隅の方で蒼白な顔をして立っていらっしゃるのが見えました。
ラグドーナ様が色々と犯罪沙汰をやらかしましたからね。ご家族もただでは済まないでしょう。
見ているだけでも痛々しい表情です…。
そう言えば、今回の一件はラグドーナ様の独断で行ったことなのでしょうか?それとも…
いえ、やめましょう。いずれわかることですし。
一先ず目線を元に戻したところで、アルカティーナは眉をひそめた。
「あれ?そう言えばお父様は??」
「「今更?」」
「え?いやぁ~そう言えば姿が見えないなぁ~なーんて…」
えへへ…と誤魔化すように笑うと、お母様は仕方ないなぁと言うように笑いながら教えてくれました。
「ほら、マリオス最近忙しいじゃない?家に帰るのも真夜中でしょう?今日も仕事が山積みみたいでね、来たくても来れないみたいなのよねぇ」
「そうだったのですか…」
お父様はいるだけで場を騒がせるトラブルメーカーですからね…いなければ普通気がつくのですが、最近お父様の姿をあまり家でも見かけないからでしょうか。
今の今まで気がつきませんでした…。
ごめんなさい、お父様。
今度お父様の似顔絵描いてあげるので許してください。
あ、何故似顔絵かと言うと随分昔の話ですが、お父様に似顔絵を描いてと言われたことがあるのですよ。
だから、描こうかなぁと思った次第ですが、よくよく考えてみれば、人の似顔絵って結構難しい??
下手な似顔絵を渡すくらいならいっそ、別の物を描いて渡した方がいいですよね…。
よし、ここは最終手段です!
お父様にはわたくし特性『マリ◯の似顔絵~前世の記憶から引用~』を渡しましょう!!
お父様の名前のマリオスとマリ◯って似てるから良いですよね、多分!
話がいつの間にか脱線している事にも気が付かず、アルカティーナはマリ◯ってどんな顔でしたっけ……と頭を唸らせた。
えーと、確か髭が!髭があったような…。
あと、帽子ですね。青っぽい服を着ていたような…
青い服には大きなポケットが一つ付いてて…ってあれ?これマリ◯じゃなくてドラ◯もん??
ドラ◯もんって確か髭みたいなの生やして、青い図体でポケットも付いてて…あ、帽子は無かった気がしますけど。
あれ?あれれれ?
頭の中でドラ◯もんの顔をしたマリ◯が踊り狂っているのですが…あれ?だ、誰か助けて!
ちゃんとしたマリ◯、思い出せないのですけど!!
アルカティーナが阿呆な理由で顔を蒼白にさせていたその時。
謁見の間の大扉が開いた。
そして中に入ってきた人は、何だか見覚えのある人。
…あれ?でもどなたでしたっけ?
さっきのマリ◯とドラ◯もんの合いの子のせいで頭がごっちゃです。
「皆の者、静粛に!」
その人がそう叫んだ瞬間、思い出しました。
あの人、確かお父様の補佐の人です!
いつもお父様の執務室まで書類を届けに来てくださっている方ですよ!
あー良かった!もう少しでマリ◯とドラ◯もんの合いの子とあの方の合いの子が頭の中で生まれるところでした!ふぅ、セーフ!
心なしか頭の中がスッキリして、少し気分が良くなったアルカティーナだったが、次の瞬間、その頭は現実に引き戻される事になる。
「今から、ラグドーナ・テンペスおよびテンペス公爵家への処分を言い渡す!異議のあるものは申し出るように」
そう言えばラグドーナ様達への処分が決まるのでしたね…。
さてさて、一体どうなることやら。
って、あれ?
処分内容を発表しているのがお父様の補佐だと言うことはもしかして、処分内容を決めたのってお父様だったりします??
…凄く嫌な予感がするのですが。
ま、まぁ、納得できないなら異議を申し立てれば良いだけの話ですよね??
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
どうもどうも~水瀬 こゆきでございまする。
台風いっちゃいましたね…。
めっさ怖かった…!もう25号とか来ないでね!
もうお腹いっぱいだから!今年自然災害多すぎだから!学校めっちゃ休みになりまくってるし!
あ、休みになるのは嬉しいのですよ?
でも災害は嫌ですね。怖いもん。
……と、私の個人的お話はここまでとして。
いよいよ事件はここまでやって来ました!
処罰、どうなることやら。ドキドキ。
いやぁ、本当にどうなるんでしょうねぇ。私にもさっっっっ……ぱりわかりません。
ふふ、ま、ろくな事にならないでしょうね。
ではでは、またお会いしましょう!
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