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学園編
貴方なんて大嫌い
しおりを挟む『続いては、新入生代表による挨拶です。新入生代表、アルカティーナ・フォン・クレディリア!』
「はい」
名前を呼ばれ、アルカティーナは舞台に上がる。
舞台の上からは、生徒たちの様子がよくわかる。前世で小学生の頃、朝礼の時にこっそり遊んでいた生徒がすぐに見つかって怒られていたのはこのせいだったに違いない。
異世界とはいえ、人間の性質は変わりません。
先程までの学園長の祝辞の際には数人の生徒がお喋りしていた気がするのですが…何故わたくしのターンになった瞬間シーンとするんですかね。
さあ皆さん、先程に引き続きお喋れ!
むしろ今この瞬間からお喋れ!
わたくしの挨拶など聞かないでいただきたいのですよ。いや、本当に聞かないで?
しかし、アルカティーナは緊張しながらも、口からは流れるように言葉が出てくる自分のスキルに驚いていた。本当に、何を考えずとも挨拶の言葉が出てくる。
「……………………最後にはなっていまいましたが、このような素晴らしい場を設けてくださった先生方に心より感謝いたします…ーーー以上、新入生代表アルカティーナ・フォン・クレディリア」
ーーふぅ…やっとここまで来ました。後はもう舞台を降りるだけです。何とかなるものですねぇ。
「素敵…!」
「可愛い!」
「なんかオーラがもう…美しい」
それにしても皆さん、拍手しすぎですよ。
それに挨拶が終わった途端お喋りするのはやめてください。挨拶の時にしておいてください。
たかだかわたくしの挨拶が終わったくらいで割れるような拍手をして下さらなくとも…。
ま、いっか!
肩の荷が下りたアルカティーナは安心しつつ舞台を後にしようとして……固まった。たくさんの視線を感じるが、一人だけ違う。
鈍感なアルカティーナでも、特定のものには敏感だったりする。一瞬だったが、自分に向けられたそれを見逃さなかったアルカティーナは、素早く舞台下を見降ろす。勿論、それを向けてきた人物を探すために。
ーー見つけた。
目が合う。
いや、アルカティーナがわざと合わせた。
まさか見つかるとは思っていなかったのだろう。
その人物は目を見開いたかと思うと、すぐに見つめ返してきた。
『貴方なんて大嫌い』
その視線が、そう語っていた。
その姿が前世の両親そっくりで。
思わず眉を顰めそうになって、留まる。
違う、ここは前世とは違う。
あの子は母親でも父親でもない。
一緒にするな、一緒にするな、一緒にするな。
わたくしはアルカティーナ。
椿じゃないんですから。
心を鎮めるために少しだけ瞳を閉じ、直ぐに開く。
再び目が合って、アルカティーナはその人物に笑顔を向けた。友達に向けるような笑顔のような、暖かなものではなく、寧ろ冷たいそれを向けた。
嫌われるようなことをした覚えはありません。
大体、わたくしが何をしたと言うのでしょう。
相手は社交界でも一言も話したことがないような方ですし、面識もありません。これは考えるまでもなく、わたくしは悪くないと見ました。
ーーわたくしが嫌い?なら、かかってきなさい。
笑顔を向けた瞬間、会場中が突然騒ついていたような気がしないでもありませんが、まぁ気のせいでしょう。それにしても面倒なことになりましたねぇ。
まさか彼女からあんな視線を向けられることになるとは思ってませんでしたよ。
わたくしの敵ではないと見ていましたが、そうじゃ無かったみたいですね。
友達の友達は自分の友達っていう理論に基づくと、彼女もわたくしの敵ではないはずなのに。
あ、この理論が間違ってるんですかね?
でも、こうなった以上彼女の対策も考えないと。
リサーシャにまた今度聞いてみましょう。
もう一人の悪役令嬢…ユーリア・ルゼスタについて。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ようやく出てきました!最後の悪役令嬢にして悪役No.2のユーリア!!
どうなることやら。
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