13 / 30
13.侍女はかなりの天然です
しおりを挟む
「ああ、よく寝た…」
あれから、悪霊を祓った後みたくスッキリしたミーグルに現在の使用人状況を整理するよう命じて、ようやく寝室へ向かい死んだように眠った。
時計を見ると丁度10時間くらい寝ていたようだ。
もうすっかり夜だけどどうしよう。
とりあえずお風呂入って、着替えて…いやそれよりお腹空いたな…。
一体この体いつから食事摂取してないんだ?
「あ、あの…侯爵様…」
私が憑依する直前に食べていたとしても丸1日は経っている。
昼食が最後だとすると、1日半以上…?
うわ、そう思ったら余計お腹が空いてきた。
「侯爵様…! プレイシア様!!」
「ああ、うん。なに?」
いきなりベッド横から話しかけられた。
寝起きなのに耳元で大声を出されて若干不機嫌だ。
それが顔に出てしまったのか、単調に返事をすると声の主──メイド服を着た若い女性が顔を強張らして頭を下げた。
「すみません!! なかなか反応がなかったもので…あと死んだように眠ってらしたのでずっと心配で…生きていて良かったです…!!」
そう言って私の手を無理矢理掴んで涙ながらに握手しているこの子。
なんか変な子だな。もしかしてこの子がプレイシアの専属侍女?
名前は確か…。
「ラピ、心配かけてごめんなさい。見ての通り元気だから大丈夫よ」
「プレイシア様~~!!」
うわーん! と、今度は号泣で抱き着いてきたラピ。名前合ってて良かった。
ゲームで名前だけ登場していたけど、まさかこんなに暑苦しい子だったとは。
ゲームのプレイシアは知らないけど私は寝起きが良い方ではないので、是非とも今後はそっとしておいてほしいものだ。
後でよく言い聞かせよう。
ちなみに、ラピは誘拐・人身売買には一切関わっていなかった。
腐敗しきった侯爵家では珍しい存在だ。なるべく私に情報がいかないよう配慮していたのかな?
いきなり両親と使用人の大半がいなくなって、さぞ動転したことだろう。
かなりの天然ぽいので全く気にしていない可能性もあるが。
「ずっとここにいたの?」
「はい! ミーグル様に侯爵様から片時も目を離さないようにと言われていたので!」
「そ、そう…今後は私が寝ている時は部屋に入らないでくれると助かるわ」
「も、ももも申し訳ございません! 気をつけます!」
なんだ、ミーグルの差し金だったか。ではラピを咎めるのは御門違いね。
それにしても10時間もの間私の顔を見つめていたなんて言わないよね? ラピならあり得そうで若干恐怖だ。
「それよりラピ、お腹が空いたのだけど何か食べるものない?」
「只今ミーグル様が料理長に言いつけて最高級の食事を作らせていますよ! 料理長もとても張り切っているようです」
ああ、料理長ね。そういえば彼も犯罪に僅かだけど加担していたので助けたんだった。
だって美味しい料理食べたいし。自分でも作れないことはないけど、面倒くさい。折角侯爵を継いだのだからできる限りの贅沢はしたいものだ。
あれから、悪霊を祓った後みたくスッキリしたミーグルに現在の使用人状況を整理するよう命じて、ようやく寝室へ向かい死んだように眠った。
時計を見ると丁度10時間くらい寝ていたようだ。
もうすっかり夜だけどどうしよう。
とりあえずお風呂入って、着替えて…いやそれよりお腹空いたな…。
一体この体いつから食事摂取してないんだ?
「あ、あの…侯爵様…」
私が憑依する直前に食べていたとしても丸1日は経っている。
昼食が最後だとすると、1日半以上…?
うわ、そう思ったら余計お腹が空いてきた。
「侯爵様…! プレイシア様!!」
「ああ、うん。なに?」
いきなりベッド横から話しかけられた。
寝起きなのに耳元で大声を出されて若干不機嫌だ。
それが顔に出てしまったのか、単調に返事をすると声の主──メイド服を着た若い女性が顔を強張らして頭を下げた。
「すみません!! なかなか反応がなかったもので…あと死んだように眠ってらしたのでずっと心配で…生きていて良かったです…!!」
そう言って私の手を無理矢理掴んで涙ながらに握手しているこの子。
なんか変な子だな。もしかしてこの子がプレイシアの専属侍女?
名前は確か…。
「ラピ、心配かけてごめんなさい。見ての通り元気だから大丈夫よ」
「プレイシア様~~!!」
うわーん! と、今度は号泣で抱き着いてきたラピ。名前合ってて良かった。
ゲームで名前だけ登場していたけど、まさかこんなに暑苦しい子だったとは。
ゲームのプレイシアは知らないけど私は寝起きが良い方ではないので、是非とも今後はそっとしておいてほしいものだ。
後でよく言い聞かせよう。
ちなみに、ラピは誘拐・人身売買には一切関わっていなかった。
腐敗しきった侯爵家では珍しい存在だ。なるべく私に情報がいかないよう配慮していたのかな?
いきなり両親と使用人の大半がいなくなって、さぞ動転したことだろう。
かなりの天然ぽいので全く気にしていない可能性もあるが。
「ずっとここにいたの?」
「はい! ミーグル様に侯爵様から片時も目を離さないようにと言われていたので!」
「そ、そう…今後は私が寝ている時は部屋に入らないでくれると助かるわ」
「も、ももも申し訳ございません! 気をつけます!」
なんだ、ミーグルの差し金だったか。ではラピを咎めるのは御門違いね。
それにしても10時間もの間私の顔を見つめていたなんて言わないよね? ラピならあり得そうで若干恐怖だ。
「それよりラピ、お腹が空いたのだけど何か食べるものない?」
「只今ミーグル様が料理長に言いつけて最高級の食事を作らせていますよ! 料理長もとても張り切っているようです」
ああ、料理長ね。そういえば彼も犯罪に僅かだけど加担していたので助けたんだった。
だって美味しい料理食べたいし。自分でも作れないことはないけど、面倒くさい。折角侯爵を継いだのだからできる限りの贅沢はしたいものだ。
0
あなたにおすすめの小説
痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。
お嬢様の悩みは…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴッドハンドで世界を変えますよ?
**********************
転生侍女シリーズ第三弾。
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日7時•19時に更新予定です。
モブ転生とはこんなもの
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。
乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。
今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。
いったいどうしたらいいのかしら……。
現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
他サイトでも公開しています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる