悪役令嬢代わりました。【更新停止中】

みるくコーヒー

文字の大きさ
6 / 30
序章: 幼少期

初めましての交流会

しおりを挟む
 さて今日は、なんと私が鳳来学園の初等部に入る一週間ほど前なのだ。

 そして交流会なるものがあり、それに新入生は参加しなければいけない。

 まあしかし、色んな子がいるなぁ。
 見るからに上流階級の子もいれば、それに反して庶民出の子もいる。

 まあそりゃそうだ、どこまでも実力主義だもの。
 お金を積めば入れるわけではないし、学力か魔力か剣術がしっかりとしていれば入れるのだ。

 私は勿論剣術で入学を決めている。
 魔力は少ししかないし、学力も微妙なところだ。

 誰だ今、脳筋って言ったやつ。

「あの……もしかして三ヶ森さん、ですか?」

 後ろから可愛らしい声が聞こえる。

「ええ、そうですが。」

 答えながら声の方を見ると、そこには顔の整った可愛らしい女の子がいた。

 髪は空色だが、透き通って艶があり輝いている。
 瞳も空色で、目鼻立ちがはっきりしている。

「あの、海里さんとうちの兄が仲良しで……海里さんからよく話を聞いていたので、お会いしてみたくて。」

 女の子はふにゃ~とふわふわとした柔らかい笑顔を浮かべる。
 これこそが天使か、可愛すぎる。
 下手すると海ちゃんより可愛い。

「あ、自己紹介が遅れました、天龍寺てんりゅうじ 円香まどかと申します。」

 悪役令嬢だぁあああああ!!!

 ゲームでは、もっときつめな印象を受けるのに、小さい頃はこんなにもふわふわした可愛い子なのか。

 まさかここで出会うことになるとは思わなかった。

「あ、の? どうかしました?」
「…えっ!? いや何でもないわ、ごめんなさい。」

 ぼーっとしている私を、心配そうに天龍寺さんは覗き込む。
 そこで私はハッとして声を上げた。

「三ヶ森 綾子です、よろしくお願いします。」

 私がそう自己紹介すると、天龍寺さんはにこやかに笑みを浮かべる。
 それから少し照れるような表情をしてモジモジとする。

「あ、あの、もしよろしければ、私と、お友達になって、頂けないでしょうか。」

 こちらを伺うようにちらりと見ながら彼女は言う。

 どうしよう可愛すぎるし、ここで断る義理も実際無いわけだけれど、そうすると未来ではこの子の取り巻き確定だわ。

「なぜ私と?」

 私がそう問いかけると彼女は少し眉を下げる。

「話に聞いてた以外にも、何度か見かけることがあって……ずっと仲良くなりたいなぁって思っていたんです。それに、私……友達いなくて。」

 彼女はそう言うと更に俯いてしまう。

 仲良くなりたいと思ってくれていたのは素直に嬉しいけど、友達がいないなんて絶対嘘だろう。
 彼女の取り巻きの多さはライバルの中で随一なのだから。

「貴方の周りには人が集まるでしょう?」
「いえ、あの、流石にあんなに上辺で寄って来られてもわかるというか。」

 彼女は少し周りを見渡してから声を落として言う。
 こんな若い時からそれを感じ取るって中々に大変だ。
 私は取り巻きとか無いからわからないけど、なんていうか……かなりめんどくさそう。

「わかってます、ダメ……ですよね。」
「そんなことないわ、これからよろしくね。」

 私がニコリと笑いかけながら手を差し出すと、彼女は目を輝かせながらこちらを見た。
 そこまで嬉しそうにされると、こっちも嬉しくなってくる。

「い、いえ、こちらこそ! よろしくお願い致します!!」

 彼女はパッと私の手を取りぶんぶんと振る。

「あの、なんとお呼びすれば……私のことは円香とお呼びください。」
「好きに呼んでくれて構わないわ。」

 私が提案すると、首を縦にコクコクと振る。
 それから少しだけ考える動作をしてから、一大決心をしたかのように「よしっ!」と声をあげた。

「綾ちゃんとお呼び致します。いつも海里さんがそうお呼びしておりましたので。」

 彼女はあまりタメ口に耐性がないようで、若干敬語になりながら話す。

「円香、また来週からよろしくね。」
「こちらこそ、仲良くして下さいね。」

 天使で可愛らしい、しかし将来は悪役令嬢な友達をゲットしました!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

悪役令嬢に転生しましたが、全部諦めて弟を愛でることにしました

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したものの、知識チートとかないし回避方法も思いつかないため全部諦めて弟を愛でることにしたら…何故か教養を身につけてしまったお話。 なお理由は悪役令嬢の「脳」と「身体」のスペックが前世と違いめちゃくちゃ高いため。 超ご都合主義のハッピーエンド。 誰も不幸にならない大団円です。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

【完結】悪役令嬢はおねぇ執事の溺愛に気付かない

As-me.com
恋愛
完結しました。 自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生したと気付いたセリィナは悪役令嬢の悲惨なエンディングを思い出し、絶望して人間不信に陥った。 そんな中で、家族すらも信じられなくなっていたセリィナが唯一信じられるのは専属執事のライルだけだった。 ゲームには存在しないはずのライルは“おねぇ”だけど優しくて強くて……いつしかセリィナの特別な人になるのだった。 そしてセリィナは、いつしかライルに振り向いて欲しいと想いを募らせるようになるのだが……。 周りから見れば一目瞭然でも、セリィナだけが気付かないのである。 ※こちらは「悪役令嬢とおねぇ執事」のリメイク版になります。基本の話はほとんど同じですが、所々変える予定です。 こちらが完結したら前の作品は消すかもしれませんのでご注意下さい。 ゆっくり亀更新です。

モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します

みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが…… 余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。 皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。 作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨ あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。 やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。 この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。

処理中です...